ポケモン、彼らはそう呼ばれている   作:燐2

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七日目【日常になった風景】

 今日中の仕事は、午前で終わった。

 

 日廻が畑を見回した頃には、使った道具もだいたい片づけられている。初めの頃なら何を手伝えばいいのか分からず右往左往していた連中も、今ではそれぞれ勝手を覚え始めていた。

 少し離れた場所では、アブソルとコジョンドが身体をほぐしている。アブソルが前脚を伸ばし、その隣ではコジョンドがゆっくりと肩を回していた。

 日廻は鍬を物置の壁へ立てかけ、畑の端へ目を向ける。

 一人では手が回らず、せいぜい雑草を刈るくらいしかしていなかった土地が残っている。

 

「……もうちょい広げるか」

 

『畑ロト?』

 

「ああ。食う奴も増えたし」

 

 傍に浮いていたロトムへ返しながら、日廻は少し考えた。

 既に大所帯となった我が家に住まう者たちに目を向ける。

 どうせ増やすなら、自分一人で決める必要もない。

 

     ◇◆◇

 

 午後三時を少し回ったころ、縁側では休憩がてら野菜の図鑑を広げていた。

 

「今あるやつ以外で、何か育てたいものあるか?」

 

 日廻がそう声をかけた途端、思っていた以上に食いつきがよかった。

 最初に図鑑へ顔を突っ込んだのはヒメグマだった。

 

『クマ!』

 

「やっぱりお前が一番か」

 

 日廻がまだまともにページを開ききっていないうちから、丸い前脚が大きな縞模様の実を叩いている。

 

「西瓜?」

 

『クマ!』

 

「……絶対、甘そうだからだろ」

 

 ヒメグマは目をきらきらと輝かせて、口元からは今にも涎が垂れそうだった。

 その西瓜の写真を横から覗き込んでいたピカチュウが、ページを捲り視線を移した。

 

『ピカ?』

 

 指が止まった先には、鮮やかな黄色のピーマンが載っている。

 ピカチュウは写真を見て、それから自分の身体を見る。もう一度写真へ目を戻して、満足そうに頷いた。

 

「色で選んだのか?」

 

『ピカ』

 

「まあ、いいけど」

 

 理由としては随分単純だった。

 日廻がページの端へ目印を挟んでいる間にも、図鑑の周りには自然と輪ができていく。

 少し後ろから眺めていたニャスパーの目は、苺の写真で止まっていた。

 本人は何も主張しないが、大きな耳だけが僅かに前へ向いている。

 

「お前は苺か?」

 

 尋ねると、小さく頷いた。

 その横からチュリネもページを覗き込み、苺とニャスパーを交互に見る。こちらは自分が何を育てたいというより、皆が何を選ぶのかを見ている方が楽しいらしい。

 ヒメグマが西瓜の載ったページへ戻ろうとし、ピカチュウが黄色いピーマンのページを押さえ、ニャスパーは苺を見たまま動かない。

 そこへ、青い手が横から伸びてきた。

 

『マリ!』

 

 指している写真を見て、日廻は一度止まった。

 思わず何度か瞬きをする。

 日廻の視線が、いかにも辛そうな赤く細長い実とマリルの顔を何度か往復する。

 

「……唐辛子か?いや……辛いやつだぞ」

 

『マリル!』

 

「まぁ、香辛料として、ちょっとぐらいは大丈夫か……」

 

 今度は勢いよく頷かれた。

 

『意外ロト?』

 

「かなりな、向こうの世界でも似たようなものがあるのか?」

 

『向こうだと、色はマトマのみに近いロト!』

 

「それも辛いのか?」

 

『ボクも食べたことないけど、火を吹くほどと言われているロト!』

 

 横でマリルは何を言われても気にせず、唐辛子の写真を満足そうに眺めている。

 

『マリ!』

 

「まだ植えるって決めたわけじゃないぞ」

 

 嬉しそうなので、たぶん植えることになる。

 日廻が図鑑を取り返そうとしたところで、少し離れた木陰に小さな緑色の身体が見えた。

 ゼットだった。皆が図鑑を囲んでいる間も輪へ入ることはなく、少し離れた場所からこちらを眺めている。

 

「そういや、ゼット」

 

 呼ぶと、小さな頭だけがこちらへ向いた。

 

「お前は、何か育てたいものないか?」

 

 聞いても、ゼットは動かなかった。

 

「……興味なきゃ別にいいけど」

 

 その様子に日廻が図鑑を閉じようとして、ようやくゼットが木陰から出てきた。

 

「見るんだな。じゃあ、ここ置いとくぞ」

 

 縁側へ図鑑を置くと、ゼットはその前まで来ると、開かれたページをじっと眺めた。時折、尻尾のような部分を器用に使って次のページへ進んでいく。

 一枚めくる。

 反応なし。

 もう一枚。

 まだ動かない。

 

「結構、ちゃんと見て選ぶな。文字、読めているのか?」

 

 さらに何ページかめくったところで、ゼットの鼻先が止まった。

 丸く大きな、橙色の実。

 

「……かぼちゃ?」

 

 確認するように顔を見ると、ゼットは一度だけ頷いた。

 

「意外だな」

 

 何が気に入ったのかは分からない。

 どうせ聞いても今の日廻には理解できないので、それ以上は考えなかった。

 

「じゃあ、かぼちゃもだな」

 

 図鑑へ目印を挟むと、ゼットはそれを見届けるように少しだけ眺め、再び木陰へ戻っていった。

 

「西瓜、黄色いピーマン、苺、唐辛子、かぼちゃ……」

『増えたロト』

「畑も広げるんだからいいだろ」

『日廻一人でやるロト?』

「一人じゃないだろ」

 

 何気なく返し、日廻は図鑑を閉じた。

 ヒメグマはまだ西瓜の頁を開けとせがんでいるし、ピカチュウもそれに便乗している。

 その向こうでは、身体をほぐし終えたコジョンド達がこちらへ歩いてきていた。

 縁側の端では、チラーミィの姿をしたミュウが空を見ている。

 

「ミュウ」

 

 呼んでも反応がない。

 

「ミュウ?」

 

 もう一度呼ぶと、耳がぴくりと動いた。

 青い目がこちらを向く。

 

「どうした?」

 

『チラ』

 

「……そっか」

 

 その視線が再び空へ戻る前に、日廻は図鑑を持ち上げた。

 

「お前も何か選ぶか?」

 

 今度はすぐ返事があり、ミュウは図鑑より先に、おやつの方へ視線を向けた。

 

「そっちかよ」

 

 当然でしょう、とでも言いたげな顔をされた。

 

     ◇◆◇

 

 夕食の支度を始める頃には、台所もいつもの調子に戻っていた。

 

「ヒメグマ。それ、まだだから」

 

『クマ……』

 

「そんな顔しても駄目」

 

 切る前の食材へ伸びた手を止める。

 背後ではマリルが水を運び、コジョンドが大きな鍋の置き場所を空けていた。ピカチュウが頼んでいた布巾を持ってくる。

 

「ありがとう。そこ置いといて」

 

『ピカ』

 

 鍋へ視線を戻す。

 初めは一人分だった。

 鍋も、茶碗も、冷蔵庫に入れておく食材も、一人で食べることだけ考えていればよかった。

 今は、大きい鍋を使う日の方が多い。

 食べられるものが分からなければロトムへ聞くし、後ろへ下がる前には足元を確認する癖までついた。

 窓の外から、大きな顔が覗く。

 

「フライゴン、もうちょい待ってくれ。お前の分、一番量あるんだから」

 

『ファーイ』

 

「作ってるって」

 

 空腹を訴える目と不満そうな声が返ってくる。

 日廻は鍋をかき混ぜながら、明日の予定を頭の中で組み立てる。

 黄色いピーマンは苗が手に入るか、いつ植えるのがいいか調べないといけない。

 西瓜とかぼちゃはどちらも場所を取る。植えるなら畝の位置も少し考え直した方がいい。

 苺はどうするか。

 唐辛子は――。

 

「マリル、本当に辛いの平気なんだよな……」

 

 そんな呟きに、居間から元気な声が返ってきた。

 

     ◇◆◇

 

 食事は、いつもどおり少し騒がしかった。

 

 フライゴンはあれだけ用意した分を早々に食べ終え、ヒメグマは隣の皿へ目を向けてピカチュウに前脚を止められている。

 マリルは昼間の唐辛子がもう食べられるような気でいるらしく、ロトムを通して何度か催促してきた。

 

「植えてもないから」

 

『まだロト』

 

『マリ……』

 

「そんな残念そうな顔されても無理です」

 

 どれほど辛いものまで平気なのだろう。今度、何か試せそうなものを買ってくるか。

 そんなことを考えていると日廻の皿に残っていた一切れがふわりと浮いた。

 そのまま横へ流れ、ミュウの口元へ運ばれていく。

 

「お前、自分のあるだろ」

 

 ミュウは当然のようにそれを口へ入れた。

 

「いや、聞いてる?」

 

 遠慮というものはどこへ行ったのやら。宙に浮いたまま当然のように咀嚼しているミュウを見ても、日廻は今さら咎める気にはならなかった。

 誰かが食べ終えれば縁側へ行き、別の誰かがその場で丸くなる。

 最後の片づけが終わった時には、窓の外はすっかり暗くなっていた。

 

     ◇◆◇

 

 居間へ戻ると、ロトムが一人で画面を忙しく切り替えていた。

 

「何してるんだ?」

 

『記録の整理ロト』

 

 画面が日廻へ向く。

 泥だらけのピカチュウ。

 何かを運んでいるコジョンド。

 床へ転がって眠るヒメグマ。

 窓から顔を突っ込んでいるフライゴン。

 

『記録は大事ロト』

 

「こんなに……寝てるやつまで?俺もあるのか」

 

『当然ロト。貴重な異世界人の生態記録として大事に撮っているロト』

 

「肖像権って知ってるか?」

 

『ポケモンにもあるロト?』

 

 何を言っても消さないだろうなと日廻が諦めて座り直すと、ロトムは再び画面を切り替えた。

 この数日で撮った映像が、再び画面に並ぶ。

 ロトムは次々に送りながら、途中でふと動きを止めた。

 

『……そういえば、写真がないロト』

 

「今いっぱい出てるだろ」

 

『違うロト』

 

 画面がくるりとこちらを向く。

 

『皆で写ってる写真、ないロト』

 

「ああ……」

 

 言われてみれば、なかった。

 動画なら山ほどある。

 誰かと誰かが一緒に映ったものもある。

 けれど、全員が一枚へ収まった写真はない。

 

『撮るロト!』

 

「今から?」

 

『思い立ったが吉日って言葉がこの世界にはあるロト!』

 

 声につられて、何匹かがこちらを見る。

 日廻も居間を見回した。

 

「まあ……いいか」

 

 賛成した瞬間、ロトムが飛び上がった。

 

『決まりロト!』

 

     ◇◆◇

 

『フライゴンは後ろロト! そのままだと他が何も見えないロト!』

 

『ファイ!?』

 

『ヒメグマは前に出すぎロト!』

 

『クマ?』

 

「撮影ってこんな大変なのか?」

 

『日廻は中央ロト! 動くなロト!』

 

「俺だけ雑じゃないか」

 

 結局、居間では全員入りきらず、縁側の前で撮ることになった。

 中央に座らされた日廻の後ろにはフライゴンが回り込み、大きな顔を肩の辺りまで寄せてくる。

 

「近い近い」

 

『ファイ』

 

 鼻先からの息で髪が揺れた。

 

「まあ……そこなら入るか」

 

 もう片方の肩には、ピカチュウが当然のように乗った。腕まで組んで、ポーズを取っている

 膝へ収まったのは意外にもニャスパーだった。

 それを見て、足元にいたヒメグマとマリルが揃って顔を上げる。

 

「そんな顔するな。膝は一個しかないんだから」

 

『クマ……』

 

『マリ……』

 

「また次の機会にな」

 

 何となくニャスパーを見る。

 その口元が、ほんの少しだけ上がっていた。

 

「……」

 

 普段はサイコパワーを抑えるため、感情まで表へ出さないことが多い。

 以前、ロトムがそう教えてくれた。

 だからこそ目についた。

 日廻は何も言わなかった。

 言えば、すぐにいつもの顔へ戻ってしまいそうだった。

 

『チュリ!』

 

 その横から、チュリネの声がする。

 抱えているのは、オレンのみの種を植えたプランターだった。

 

「それも持ってくるのか?」

 

 異世界から持ち帰った土と、こちらの畑の土を混ぜたものだ。

 毎日水をやっていたそこには、ようやく小さな緑色の芽が出ている。

 

「重いだろ。俺が――」

 

 手を伸ばすより先に、プランターがふわりと浮き上がった。

 薄い光が鉢を包んでいる。

 日廻の膝の上で、ニャスパーの耳が僅かに動いていた。

 

『チュリ!』

 

 チュリネが嬉しそうにニャスパーを見る。

 ニャスパーは何でもないことのように、小さく目を細めた。

 プランターはそのまま宙を滑り、チュリネが収まる位置の前へ、そっと下ろされた。

 

「そこなら映るな」

 

 チュリネの隣へコジョンドが座る。

 反対側には、誰に言われるでもなくアブソルが日廻の隣へ座っていた。

 日廻はアブソルの頭へ手を伸ばしてみる。

 避けなかった。軽く毛を撫でるだけにして手を引いた。

 

「ミュウは?」

 

 探すより早く、頭上から鳴き声が降ってくる。

 チラーミィの姿が淡く揺らいだ。

 灰色の毛が消え、輪郭が小さな桃色の身体へ変わる。

 本来の姿へ戻ったミュウは、そのまま宙へ浮いた。

 

「今日はそっちなんだな」

 

『ミュウ』

 

 理由など説明する気はないらしい。

 少し離れていたゼットもロトムに呼ばれ、最後には日廻の足元近くへ収まった。

 

『よしロト!』

 

 ロトムが画面を確認する。

 

『これで全員ロト!』

 

「待て、お前は?」

 

 画面が止まった。

 

『ボクは撮るロト』

 

「タイマー機能とかないのか?」

 

『勿論あるロト』

 

「じゃあ、お前も入れ」

 

 ロトムが黙る。

 

「なんで黙るんだよ。当然だろ?」

 

 日廻は周囲を見回した。

 

「なんか台になるもの……」

 

 膝に乗っているニャスパーに断りを入れて一度地面に降ろす。

 立ち上がり、使っていない空箱を幾つか重ね、その上へ板を置く。

 ロトムが何度か高さと角度を確認し、ようやく納得した。

 日廻が元の位置へ座り直すと、ニャスパーも何事もなかったように膝へ戻ってきた。

 

『これならいけるロト!』

 

「倒れるなよ」

 

『そこは日廻がちゃんと積むロト』

 

「注文多いな」

 

 タイマーを設定すると、ロトムが慌ただしく飛び出した。

 

『十! 九!』

 

「数えるんだ」

 

『八!』

 

「ヒメグマ、前向け」

 

 日廻の声に、ヒメグマが慌ててレンズへ顔を戻す。

 その間にもロトムがこちらへ飛んでくる。

 

『三!』

 

 チュリネがプランターへ手を添えた。

 その傍で、小さなオレンの芽が揺れる。

 

『二!』

 

 ロトムが日廻たちのところへ滑り込んだ。

 

『一!』

 

 一瞬だけ、静かになった。

 日廻は何か言おうとして、結局やめた。

 

 特に言葉が浮かばなかった。

 ただ、前を見る。

 肩にはピカチュウ。

 膝にはニャスパー。

 足元にはヒメグマとマリル、それにゼット。

 隣にはアブソルとコジョンド、チュリネがいて、後ろからはフライゴンの気配がする。

 頭上にはミュウ。

 すぐ傍には、急いで飛び込んできたロトム。

 カシャ、と乾いた音がした。

 

     ◇◆◇

 

『撮れたロト!』

 

 静かだったのは、そこまでだった。

 

 ヒメグマが真っ先にロトムへ駆け寄り、マリルも後ろから続く。

 

『順番ロト! 押すなロト!』

 

 フライゴンまで上から画面を覗き込み、ロトムが押し潰されそうになって逃げる。

 

「早く見せてくれよ」

 

『日廻まで!』

 

「撮ったの俺らだろ」

 

『ボクも撮られた側ロト!』

 

「じゃあ皆で見ればいいだろ」

 

 しばらくして、ようやく画面が落ち着いて、全員で覗き込む。

 写真は、思ったよりごちゃごちゃしていた。

 まず目に入ったのは、フライゴンの顔の大きさだった。

 ヒメグマは撮る直前まで何か気になっていたのか、僅かに横を見ている。

 宙に浮かんだミュウは妙に得意そうな顔をしていた。

 アブソルは写真の中でもほとんどいつもどおりだ。

 ニャスパーの口元には、小さな笑みが残っている。

 チュリネの傍には、まだ頼りない緑色の芽。

 日廻は、ポケモンたちに囲まれている写真の中の自分と目が合ったような気がした。

 

「……最高の幸せ者がいるな」

 

『完璧ロト!』

 

「いつか、それ現像してくれよ。こういうの、一枚くらい家に飾っておきたい」

 

『任せるロト! 特大サイズにするロト!』

 

「それはやめてくれ」

 

 ロトムが楽しそうに飛び回り、それにつられてヒメグマとマリルまで追いかけ始める。

 フライゴンが首を伸ばし、もう一度写真を見ようとしてロトムに逃げられた。

 日廻はその騒ぎを眺めながら、縁側へ腰を下ろして明日の予定を考え始める。

 

 明日は畑の端を測ろう。

 黄色いピーマンの苗も探さないといけない。

 西瓜とかぼちゃは場所を取るから、先に植える位置を決めた方がいい。

 苺もある。

 唐辛子も、たぶん植えることになる。

 

 日廻が頭の中で明日の順番を組み立てている間にも、ロトムはまだヒメグマたちから逃げ回っていた。

 

 明日も、やることは多いのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『――臨時ニュースです。現在、国内の複数地域で、空間に亀裂のようなものが発生したとの情報が相次いでいます』

 

『亀裂からは、これまで確認されたものとは異なる未知の生物が出現しており、警察および関係機関が周辺住民へ避難を呼びかけています』

 

『――海外でも同様の現象が確認されています。現在までに、アジア、ヨーロッパ、北米、南米を含む複数の地域から映像が寄せられています』

 

『こちらは現地から送られてきた映像です。空中に開いた黒い裂け目から、複数の未確認生物が――』

 

『――映像が途切れました』

 

『別の地域では、巨大な生物の出現により道路が封鎖されています。建物への被害も確認されており――』

 

『――現在、各国政府が情報収集を進めていますが、現象の原因、発生範囲ともに分かっていません』

 

『一部地域では通信が不安定になっています。現場には絶対に近づかず、自治体からの避難情報に従ってください』

 

『――繰り返します』

 

『現在、世界各地で同時に、正体不明の空間異常が発生しています』

 

『そこから出現している生物について、現時点で安全性は確認されていません』

 




かぼちゃの花言葉は「変化」と「広大」。


……さて、もう言ってしまいますと、ここから最終局面に入ります。
長編をやろうとすると、AIにサポートしてもらっていたとしても、物語が終わる前に自分の方が力尽きるんじゃないかと考えました。
それで途中で終わってしまうのも嫌だったので、最後まで走り抜けられる長さとして、この物語の形にしています。
すでに最終回までの構成はできていますが、今までのように「一話できたら投稿」という形で進めるのは難しそうです。
そのため、まず最後まで書き上げてから、半日程度の間隔を目安に順次投稿していきたいと思います。

少しお待たせすることになりますが、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。

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