出来たらすぐ出す椀子そばスタイルで行きます。
まあエターにならなきゃなんでも良いでしょ(暴論)
プレートの番号については面倒なので原作と同じとします。
クー子が入る分はどこかの誰かが会場に辿り着く前に脱落したということで。
ハンター試験のナビゲータの元に辿り着いた後、
ナビゲータに連れられ、到着したのはザバン市という典型的な中堅都市。この世界に転移した時に着ていた、黒を基調とした軽装の実戦用コートに身を包み、私ことクーデリアは、ついにハンター試験会場に到着したのである! …因みにマウス3匹は就寝中。ベルトを改造したポケットの中ですやすやと寝息を立てている。小さい子達で助かった。
「……このステーキ結構美味しいですね。食事させてくれるってことはこれから長時間の試験なんでしょうか?」
「そうとも限らないと思うよ? 会場には時間差で数百人単位が集まって来るから、試験開始まで数時間は待つなんてこともあり得る♥」
ツバシ町の2-5-10にある一見普通の定食屋まで案内され、そこから試験参加用の符丁を伝えたかと思えば連れられたのは奥の部屋。そこには符丁通りのステーキ定食が用意されていた。店主と思しき人が『纏』を使っていたので、あの人も実はプロハンターなのだろうか? しかしそうなるとプロハンターが普段から定食屋を営んでいることになるのだが…。
取り敢えず食事を続けているとものの5分程で地下100階に到着。昇降機にしてはかなりゆっくりな速度であるが…食事をするには少々時間が物足りない。ご飯が勿体ないなあと思いながらも、身支度をしてから足をドア側に向けた。
(…うん。流石に一般人とは思えない手練れ感…それでも天空闘技場の200階には及ばないかな…。あそこで換算すると120階~150階くらいが中央値だろうか? 流石に試験会場まで来れてる時点で粒ぞろい…魔法も念も無しの私では、きっとここの人達の大半に敵わないだろう。)
「地下道ですかね?」
「そうみたい♠ う~ん、大体40番目くらいだから、ちょっと早く来過ぎたかな?」
豆みたいな頭部の人?が近寄ってきて、番号札を渡してくれるので先に受け取る。私が43番…そしてヒソカが44番だ。試験にはまだ時間があるようなので、壁にもたれ掛かれる場所に陣取り、こっそり愛杖と壁に付与をかけて、地下道の全容を探る。
(うーん…長い…途轍もなく長い…。数キロどころか50キロ以上ある…。ここから更に歩いて移動をするのだとすれば、一体何時間かかることやら)
そのことをヒソカに伝えると、少し考える素振りをした後に何度か頷いたかと思えば、にっこりとした笑顔を私に向ける。
「そういえば君、体力はある方かい? 以前の試合も全力で動き回ってたのは、精々3分くらいだったよね?」
「勿論それなりに鍛えてますし、ある方だと思いますが…」
推定超長距離…そして体力…既に半分は完成している小さなパズルだ。足りないピースは想像で十分補える。
「…いっそ付与で何とかします。多分魔力より先に体力が保ちません。」
「まあ安心していいよ♥ いざとなったら運んであげるからさ…♥」
「それは流石に恥ずかしいのでちょっと…」
意気揚々と試験に参加、それも本戦会場まで連れてきて貰っておいて、一次試験から実質脱落というのは私のプライドが砕けてしまう。ハンター試験は私が望んで参加したものだ。幾ら何でも限度というものがある。
▽ ▽ ▽
そうこうしている内に参加者は徐々に増えていく…今で大体100人くらい。そこで私は元の世界の仲間…こっそり妹のように思っていた氷雨と、一瞬勘違いしそうになる白髪の男の子を見かけた。足の音が極端に静かで、果たしてそこにいるのかいないのか…それ程迄に存在を消すのが上手い、幻影師のあの子にどこか似ている。
(別に姿形まではそこまで似てないけど…雰囲気が結構似てるんだよね)
豆の人から99番のプレートを受け取っているその少年、どうやら隣のヒソカも少々注目していたようだ。きっとお眼鏡に叶う逸材なのだろう。私としては仮に試験に不合格になってしまっても、プロハンターの知合いがいれば一歩進んだ情報収集自体は可能。それ故に有望だと感じた存在には可能な限りコネを作っておきたいのだ。勿論それは一方的ではなく、(基本的に隠すつもりではあるが)念が使えて魔法まで使える私は彼等からしても有望な筈、それ故に、打算はあれども対等な取引として成立する筈だ。
そうと思えば私の行動は早い。何やらジュースを持って話しかけようとしていた16番の男性に先んじて、99番の少年に声を掛ける。間に入られた16番の男は、私⇒ヒソカの順で目線を移した後、何も言わずにコソコソと退散していった。…
「こんにちは。試験までの時間潰しに、少しお話出来るかな?」
「んーお姉さん誰? 別に話してもいーけど、俺まだ来たばかりでさ。そんなに時間掛かる感じ?」
「多分…このままのペースだとあと2時間ってところかな…? 集まる人数次第だけど、例年だと300~500人程度らしいからね。あと自己紹介すると、私はクーデリア。一応天空闘技場では200階の闘士。因みにそこそこ名前も売れてるわ。」
「へえ!
(…今でも
この歳でここにいる時点で逸材なのは間違いないとは思っていたが、これはあまりにも度が過ぎた逸材である。あーもう
「…で、隣のあんたは何?
「くっくっく…確かにどこかでお手合わせ願いたいけど、今は
そう言って私を引き合いにこそ出すが、どうやら自力で抑えてくれたみたいだ。存外に素直で助かるなあと思いつつ、キルア君には軽く謝罪してからヒソカを紹介した。
「ごめんねキルア君。この人はヒソカ。ちょっと危ないとこあるかもだけど、それでも私の師匠なのでどうかヨロシク…」
「ふ~~ん…まあ、ヤラないならそれで良いよ。俺だって試験前に失格とかは嫌だし…。あああと『君』付けは要らない、『キルア』で良い。」
『ガキっぽいし』と小声で聞こえてくるあたり、きっとそういうお年頃なのだろう。私も15歳の頃には自立して働いていたのだ。このくらいの年齢になれば、出来るだけ大人として扱って欲しいという気持ちも分かる。
「それより天空闘技場のこともっと聞かせてよ。俺は8歳の時には200階に到達して家に帰っちゃったからさ…そっから後のことは知らないんだよね。」
8歳で念無しで200階かあ……と、魔法無しでは120階が限界だった20歳の自分に少し虚しくなるが、いやいや私は200階でも勝ててた名有りの闘士だからと奮起して、自慢半分持ち上げ半分に話を繋げてそこそこに盛り上がった。勿論『念』の存在は伏せてはいるが…200階の人外魔境っぷりを存分に伝えるついでに『紫華の付与師』の異名を伝えることも忘れない。あの後実況ちゃんが頑張ってくれていれば、キルアもいつか今の話を思い出してくれる時が来るだろう。
▽ ▽ ▽
――1時間以上経過
番号札は300番台に差し掛かり、そろそろ天空闘技場の話題も尽き掛けて来た頃。301番のプレートを付けた、顔面を含め身体中に沢山の釘を刺した上に、カタカタと音を鳴らして歩く奇妙な男が、私達のもとに近づいて来た。
(えっ…なにこの人…怖い。『纏』使ってるから念能力者なのは良いとして、なんで釘刺してるの? ファッションなの? それともそういう誓約とか?)
正直近くに寄ってきて欲しくないのでたまたま歩いてる方向が合ってるだけであってくれと願ったが、どうにも現実は甘くない。真っすぐ近くにまで寄ってきたその人物がキルア、ヒソカ、そして私と順番に見定めたかと思った矢先、ヒソカがゆらりと、私とキルアを軽く手で制してから前に出た。
「やあ…ここでは何だし、少し向こうで話さないかい?」
「カタカタカタ」
二人は知り合いなのか、そのままどこかに行ってしまった。正直驚いたが、ここから離れてくれたことには、正直ホッとした。あんな釘だらけの謎存在の近くで試験開始まで待つのは、精神的な負担が大き過ぎる。まあ、一次試験くらいは完全に自力でクリアしたいと思っていたところだ。ヒソカが離れたところで、特に都合が悪いわけでもない。
「……………」
「……………」
ただ、気まずいっ!
折角先ほどまで和気藹々と話せていたのに、二人とも話題を出せなくなってしまった。。どうしよう…と思ったのも束の間、先に沈黙を破ったのはキルアの方であった。
「…お姉さんさ、なんで
突然の言葉に反応が遅れ、どう答えようかと迷っている間にそのままキルアが言葉を続けた。
「あいつ…多分道草気分で何十人と殺れる奴だぜ? というか多分、既に相当数殺ってる。お姉さんは結構
…ふむ成程。キルアの言いたいことは分かる。確かにヒソカは、私も(少なくとも平時であれば)お近づきにはなりたくないタイプの御仁であることは間違いない。彼を師匠にしたのはあくまで、リスクとリターンを天秤にかけた上での成り行きだ。死合を通して私に超有利な契約こそ勝ち取ったが、人格的に尊敬できる要素は殆ど無いし、倫理的にも取り締まり
「ん。怖くない訳でもないけど、これでも一回命懸けで試合した仲だからさ。それに…」
「それに?」
「あの人、誠実な人には誠実に接してくれる、鏡みたいなとこあるんだよね。だから、私が頑張る限りはきっと悪いようにはしないと思うの。」
その言葉を、キルアはキルアなりに受け止めた。…それで良い。感じ方も、考え方も人其々だ。誰を友人とするか、仲間とするか、師匠にするか、敵にするか…立場にせよ信条にせよ血筋にせよ状況にせよ、避けられないものこそあれど、基本的に人生とは選択の連続である。きっとこの子は私を心配してくれたのだと思うと、もし彼が困っていることがあれば、助けてあげたいとも思うようになる。正に情けは人の為ならず…。
「…だったらさ、もし俺がヒソカよりもよっぽど人を殺してるとしたら、どうする?」
等と考えていた私の姿はお笑いだった…。彼には彼なりの悩みがあると。その尋常ではない実力を裏付けるだけの何かが、とてもとても深い闇から来ている可能性を、失念していた。でも、私も伊達に(キルアよりは)長く生きてないんだよ。
「……状況によるかな! 正当防衛は勿論、強制された場合、戦争、執行人、治安維持に伴う一連の活動。法に触れない殺人は沢山あるけど、キルアはどれ? 私だって魔物…魔獣なら山ほど殺して来たよ」
「……一族全員、殺し屋。俺は継ぐのが嫌でさ、母親と兄貴刺して家出して来た」
「そっかあ…」
11歳でこれだともう…ご家庭の問題では?