ついに四次試験まで来ました。基本的に筆に任せて執筆するスタイルのため、展開が常に未知数です。
まあそれ言い出したらヒソカの弟子になることすら執筆当初には予定してない完全アドリブなんですが…本当に『なんやかんや頑張って元の世界に帰る』以外のプロット無しで0から作ってます。
とはいえクー子とその周りが勝手に動いてくれるのであまり苦労はありません。
400人以上いた受験者も……今となっては僅か24名である。その24名は今、海岸線に集められ、リッポーという試験官の説明を受けている。
「諸君、タワー脱出おめでとう。残る試験は4次試験と最終試験のみ」
(あと2つ!!)
私が抱いたこの思いについては、その他多くの受験者達とシンクロしたように思う。ここまで来れば試験は後半戦。残ったのは誰しもが一筋縄ではいかない強者ばかりであろうが、あと二つと聞けば、奮起しないわけにはいかない。4次試験はここから見えているゼビル島とやらで行われるそうだが、その前に全員が『クジ』を引く必要があるらしい。
「このクジで決定するのは狩るものと狩られる者。この中には24枚のナンバーカード、すなわち今残っている諸君らの受験番号が入っている」
(ああ……そういうことね……。つまり
自慢ではないが私の記憶力は大したものだ。勿論完璧ではないが、こと瞬間記憶においては意識的に行う限り、常人の枠を遥かに超えている自覚がある。私はその特技を活かし、ちらりと目を向けることで、残りの受験者全員のプレートの番号と外見的特徴を、一気に頭へ叩き込んだ。
※★マークは名前も知ってる
34 リュウ
43 私 ★
44 ヒソカ ★
53 ポックル
80 スパー ★
89 シシトウ
99 キルア ★
103 バーボン
118 ソミー
105 キュウ
191 ボドロ
197 アモリ
198 イモリ
199 ウモリ
246 ポンズ ★
281 アゴン
294 ハンゾー ★
301 ギタラクル ★
362 ケンミ
371 ゴズ
384 ゲレタ
403 レオリオ ★
404 クラピカ ★
405 ゴン ★
(……名前については知らない人も多いけど、これで少なくとも
「それではタワーを脱出した順にクジを引いてもらおう」
あっ私かとクジの方に意識を戻し、栄えある一番手としてクジを引く。引いたカードの番号は……うん……これは酷いね。多分大ハズレ。
その後もゴン、キルア、クラピカ、レオリオ、ヒソカと順々にクジを引いていくが、その間に私はプレートを隠さないでおくように決めた。恐らく私は今までの試験中にかなり目立っている部類だし、番号が覚えられている可能性が高い。それにむしろ覚えてもらった方が、私をターゲットとしている者以外から狙われる可能性が下がるというメリットがある。
勿論隠すことで己を狩るものからの特定を防ぐことが出来るメリットも大きいため、どちらが明確な正解と言える話ではないが……少なくとも私の場合はもうバレている前提でオープンにした方が良いと判断した。
全員が引き終わったことを確認した試験官が、カードに示された番号の受験生が、それぞれのターゲットであることを説明。どうやら奪う必要があるのはターゲットのナンバープレートのようだ。自分のターゲットのプレートは3点、自分自身のプレートも3点。そしてそれ以外のプレートは1点。最終試験に進むために必要な点数は6点……つまり最大でも半分の12名までしか合格出来ない試験ということである。
(最も守るべきは己のプレート。このまま身に着けるか……外して持ち歩くか……どこかへ隠すか……他人に預けるか……それらを含めて扱いは完全に自由。そして試験官は己のターゲットを示すカードは処分して良いと言ったが、それを誰かと交換して攪乱するような戦法も考えられるだろう……)
「ゼビル島での滞在期間中に6点分のナンバープレートを集めること」
そう締めくくられた後、受験者は全員、ゼビル島に向かう船に乗船することとなった。
▽ ▽ ▽
船の中は辛気臭く、折角三次試験突破を労ってくれる案内のお姉さんの声にも反応が悪い。まあ来年の試験会場の無条件招待権が与えられること自体は嬉しいが、それを使うということは今年の試験に落ちるということ。諸手を挙げて大喜びという訳にもいかないだろう。
(というよりこれは互いのターゲットを警戒しあってピリピリしてる感じだね……まあ普通はそうなるのは分かるんだけども。ただ私を含め、キルアやヒソカのようにプレートを隠さずオープンにしている人も一定数存在する。己の強さに自信があるからこそ、面倒な小細工は必要なしということだね)
ただこれでは折角案内してくれているお姉さんが可哀想だ。「たとえ今年受からなくても気を落とさずに、来年また挑戦してくださいねっ」という笑顔に合わせて、「へぇ、私は今年が初めてですけど、とても良い制度だと思いますよ!」と返してあげる。それに少し救われたのか砕けた様子で「えへへ、そうですよね!」と返してくれたのは結構可愛い人だと思う。
「それではこれからの2時間は自由時間になります。みなさん船の旅をお楽しみ下さいね!」
▽ ▽ ▽
甲板を歩いていると、キルアとゴン君が二人で何やら話している姿を見かけたが……どうにも話かけづらい雰囲気があったのでそちらに混ざるのは遠慮しておく。……ターゲットが私とかだと絶対気まずいしね。それよりも今は待ち合わせしているヒソカである。流石にこういった試験でまで師弟でぶつかり合いたくはないので、きっちり情報交換する予定だ。ヒソカは既に船首のところで待っていたので、小走りに近づいて声を掛ける。
「すみません。待ちました?」
「いいや♦ 今来たとこさ♥」
会話もそこそこに早速本題に入り、ターゲットを示すカードをお互いに公開する。
「……へえ……僕がいうのもなんだけど、今の君でも結構危険だと思うよ? 適当なのを三人狩って、終わらせても良いと思うけどね♣」
「正直私も迷ってます……互いにどこか手心があったあの時(ヒソカ戦)と違って、本当の命の奪い合いになる可能性が高いですし、対人戦はあちらの土俵……リスクとリターンが全く釣り合っていない気はしています」
私が引いたカードは『301番』
ギタラクル……もとい『イルミ=ゾルディック』。暗殺者一族の長男で、キルアの兄。詳細までは知らないが、針を扱う操作系の能力者で、話を聞く限りは本気のヒソカに近いレベルの、超上澄みの念の使い手。殺しを仕事にしている本物のプロが相手となれば、生半可な覚悟で戦うべきではない。
(……やりようがない訳では無い。相手は私の能力(発)も、魔法も知らない。情報アドバンテージは圧倒的にこちらにある。そして私には
しかし、それでも尚。危険……あまりにも危険だ。仮に動くにしても……試験期間一杯、最大限慎重に考えてから動くべきであろう。
「僕としては反対だけど……♦ 君がヤルなら止めないさ♠ それに勝算はあると思うよ。なにせこの僕を殺しかけたんだからね♥ 服に『火』を付与する前、爆弾代わりに使ってた試験管の液体……あれを一つ油にしていれば、多分僕は死んでいた♥ 若しくはこの腕を斬る時、首から上を狙っていれば、致命傷はまず間違いなかったよ♥」
「……私だって最初に蹴られた時、振り抜かれてたら死んでましたよ。最後も気絶してますし……試合映像は何度か観ましたが、死んでた回数は多分こっちの方が多いです。まあ、だからこそ『互いに手心があった』と表現したんですけどね」
互いが互いの命を握っている……そんな試合……いや、死合だったと思う。もう既に懐かしくも思うが、全存在を賭した戦いというのは……濃密なコミュニケーションと同義である。互いの全てを知らないと、感じないと、次の瞬間には殺される。知りたくなくても知るしかない。そんな強迫観念に近いものに、強制的に没入させられるのが、命を懸けた闘争というものだ。だからこそ、私はヒソカを理解しているし、ヒソカもまた私を理解している。
互いが互いを殺し得る存在だと。
互いが互いを高め合える存在だと。
「君が弟子で良かったよ♥ なんにせよ……生きてこの島を出て再会しよう。君の目標は、別に君自身がハンターでなくとも達成できるんだろ? 仮に君が0ポイントで島を出ても、僕は君を見限らない♠」
「私もこれは、大当たりを引いたもんだと思いましたよ。師匠の方こそ、プレートを奪われても知りませんよ?」
(ああ……いつかまた君と……
(でも、それは駄目♥)
(それはきっと、今じゃないから……♦)
▽ ▽ ▽
…………何かこのまま四次試験終了までお別れになりそうな雰囲気だったので、別れる前に師匠のターゲットの情報は伝えておいた。384番は受験者の中でもかなり特徴的な外見だし、私の説明で見分けがつかないなんてことは無いだろう。「ターゲットが相手でも、あんまり無意味に殺しちゃ駄目ですよ?」とは言っておいたが……我ながらかなりヤバいことを言ってる気がする。
実質的に「意味あったら殺して良い」と同義の発言だと思うと……流石にちょっと自分の倫理観が麻痺しているような気がしてきた今日この頃である。
秘密の発は、私利私欲の産物です。
現時点でもある程度内容は推測出来るかも