腕を認識出来る時点で殆ど負け筋無いからね…仕方ないね
全国のサダソファンからの文句は感想欄で受付けます。
どうも私です。サダソさんに勝って2勝0敗になりました。
決まらなかったらどうしようかと勝手に心配していた対戦カードは普通に決まって、なんやかんやで私が勝ちました……では流石に許されないと思うので、ざっくりお話します。
サダソさんが『
避けられることは折込み済みの罠とばかりに接近戦を仕掛けてくる⇒相手の拳に合わせるように『壊』の拳をぶつけて粉砕。……終わりです。
いや待って帰らないで!
一応擁護するとサダソさんの戦略自体はそこまで悪くないんですよコレ。
私がきっちり避けることまで想定して退避先を誘導してるし、念能力者のサダソさんと、耐久面では実質非能力者の私では強度の差は歴然。『破砕の魔王』の異名は知っていても、腕力で勝っていて尚且つオーラを纏った拳VSオーラなしの謎パワーの拳……と考えれば前者が勝つと考えても決して不思議ではない。まあ……結果として私に軍配が上がった訳ですけども。
サダソさんが190階までの闘士と比べ物にならない程に強いのは知ってるので、それ相応にこちらも出力上げてますしね…。割と本気でやっても拳が砕けただけで済んでるあたり、やっぱりオーラの力は凄いと思う。
もし私が並の付与師であれば、普通に押し負けていたのは想像に難くないのである。
ハイ! 擁護終わり!
今はお酒と愚痴優先!!
「いつもの実況は興奮し過ぎて鼻血出すし! 一部の観客の視線も怖いし!! 『野蛮人の聖地』って周囲の環境のことなんじゃないの!? 改名希望の『紫華』と混ざって『死華の破王』とか叫ばれたし!!」
「いや俺に言われても困るんだが……」
祝勝会という名目で、酒入りで愚痴を聞かせるのはリールベルトさん。
流石にもう療養室じゃなくて自室(リールベルトさんの方)だよ。
つい最近までつるんでたサダソさんに申し訳無さそうな気配を感じるが、そこは敢えて無視する。
(なんか話しやすいんだよね……元の世界の
多分適度なツッコミ力だね、そうに違いない)
勿論お酒はこちらの持ち込みで片付けもきちんとして帰るつもりだ……私とて流石に分別はある……あるよね? ヴァルクが「無いな」という空気で目頭を押さえている姿を幻視するがそちらも努めて無視する。
「まあまあ、私にお酌させてあげるから」
「お前その見た目で図々し過ぎるのバグだろ……」
「超絶ハイスぺ美女へのお酌が嬉しくないと申すか!?」
「……情緒大丈夫かこいつ。というかその辺自認してんのかよ!?」
そうは言いつつお酌してくれるのは優しい。
まあ仮に無視されたら普通に手酌してたけどね。
──―好き放題話して割と満足したので一方的に解散。
まあ……この前お見舞いしたし……それでチャラということで。
自室に戻り酔い醒ましと一緒に水を数杯。
休憩がてらPC(このような検索機は元の世界には無かった。便利なものである)を開いて他の200階闘士についての情報収集を続ける。入手していたビデオは粗方見直したが、オーラを隠す技術について、やはり一番上手なのは素の地力が圧倒的に高いヒソカさん。そして二番目が能力に組み込んでいると思われるサダソさんだろう。もしかしたら体系化された汎用的な念の技術なのかもと思い始めてきた今日此の頃である。
(念を使える人は少ないながらも確かに一定数存在する……仮に全人口の0.001%だったとしても世界で7万人。流石にそれだけの人数がいれば何らかのコミュニティが形成されている筈)
言論統制を行うにせよ、ノウハウを蓄積するにせよ、それらを取り仕切っている組織が存在している可能性は高い……残念ながらリールベルトさん達は知らないようだったけど、流石に全員が念能力者の200階の闘士が誰一人して知らないとは考え難い。
「そうなると次はカストロさんかヒソカさんか……あっそうだ!」
ここで名案を思いつく。というより何故今まで思い浮かばなかったのか……。
「念について知っている人なら200階に来た時点で当然念を使える筈、そして念能力者と非能力者ではまず間違いなく念能力者が勝つ。つまり初戦が白星の人は
勿論私のような例外はいるが……外れ値は気にしても仕方が無い。流石は億の金が動く190階のその先である。いつもの情報まとめサイトには200階以上の闘士の星取表はきちんと整備されている。その条件で詳しく調べて行くと……
「うわ……やっぱりヒソカさんか……。うーん……話を聞くだけなら大丈夫かな?」
少なくとも今200階にいる闘士でその条件に合うのは、あの奇術師ヒソカだけだった。
▽ ▽ ▽
「❤」
「……いや、試合はしたくないんですけど」
「つれないな♣ 僕の方は90日の期限が切れそうなんだ。
助けると思って試合してくれたっていいじゃないか❤」
奇術師ヒソカ……恐ろしいピエロに捕まった。
いや正確には半分捕まりに行ったのだが……少し困ったことになった。
「メリデメが釣り合ってないのでちょっと……」
「奥手だね❤ 誘ってきたのは君の方じゃないか❤」
「誤解を生む言い方をしないでください!
念について詳しく教えて欲しいと言っただけです!」
積極的に迫ってきて若干恐ろしく思うが、実のところ、試合自体はしても問題ない。ただ、ヒソカ戦は対戦相手の致死率が高いのだ。一応気に入った相手? は生かして帰るようなので希望はあるが、その報酬が『試合後に情報を得られる』だけでは流石に弱い。
「ならせめてそういうコミュニティの紹介だけでも!」
「知ってるけど、教えない❤」
この通りの平行線。
一方的にお願いするだけではこれ以上は進まないだろう。
ならばどうするか……そう、ここからが
「分かりました! では、今ここで私を弟子にしてくれたら試合します!」
「へえ嬉し……弟子?」
こういうのは、先に爆弾を落として主導権を握った者が勝つのだ。
「熱心に試合を申し込むあたり、私に何か光るものを感じたんですよね!?」
「私は鍛えたら強くなりますよ! 打てば響きます! 凄い響きます!」
「正直、天空闘技場で一番練度が高くて強い念能力者はヒソカさんだと思ってるんですよ!」
えとせとらえとせとら──―
──―10分後
「うん……分かったよ♠ じゃあ『試合はお互いに五体満足で終えること』、『試合後に弟子にすること』。この条件で良いんだね?」
「はい! よろしくお願いします!」
想定した中でも悪くない落としどころだ。
ありがとうエルド……海千山千の政治家相手にこれをやれるリーダーはやっぱり凄い。
「先に聞いておくけど♦ 君は『纏』を使えないのかい? それとも使わないのかい?」
やはりそこは気になるようだ……そしてついでに重要情報GETである。
「『纏』とは恐らくオーラを身体に纏う技術のことですよね?
正式名称は初めて知りましたし、当然使えません」
「……その割には君はサダソの腕を確実に躱していた♦ あれは『凝』を使わないと見えない筈なんだけどね♣」
(お! これは師弟関係に脈ありか?)
純粋に疑問を解消したいにしても、ここまで分かりやすく情報を開示する必要は無い。適当に濁しても良いところでも敢えて情報を出すあたり、これは期待してもいいかもしれない。
「未来の師匠ということで正直にお話しますが、私は『凝』とやらも使えません。ただし念とは別の技術体系の知識と、それを扱うだけの素養によって、彼の左腕を認識することが出来ました」
「へえ……初耳だね、それは一体」
ヒソカさんの言葉を遮るように、自身の唇に指をあてる。
「申し訳ありませんが、ここから先は機密事項です。ただ、師匠相手になら口が滑るかもしれませんよ?」
その言葉を咀嚼し、理解した直後、ヒソカさんの私を見る眼が変わる。つい先ほどまでの、
「ふ……ふふふ……いいね……君の試合は見ていたけど、珍しいのは能力だけじゃないみたいだ♦ ちょっと昂っちゃうけど、少なくとも試合までは我慢してあげる❤」
「試合でも、我慢しないと契約違反ですよ?」
「安心してイイ♠ そんな勿体ないことはしない❤」
▽ ▽ ▽
PiPiPiPiPi……PiPi ガチャ
「あーヒソカ? 急に何?」
「
ヒソカの弟子ルートを開拓する所存であります。
彼はよく雑魚狩りピエロとか言われたりしてますけど、ネテロを100とすると95くらいの位置にはいると思ってます。大体ゼノと同格くらい。