俺は手元の電子パッドを見る、時刻は惑星ブカリの基準で午後10時きっかり、太陽系と同じく昼夜があるため今は夜、熱帯的な気候なのか夜も暑く汗ばむ。
額に汗を浮かべつつ茂みに隠れ犯罪組織の根城になっているポイントを見張っている所だ、この惑星ブカリは開発されてない地域が多く、大部分が森と海であり、パシフクのような街は海沿いに点在するだけで内陸は発展していない、半魚人らしいね。
で、俺の監視するポイントは森を切り開いた空き地、小さい空き地だが宇宙船の停泊場とハッチが見える、地下に基地があるのだろう、手元のパッドにも地下基地についてか指摘されている。
とかなんとか言ってたら空から円形の宇宙船が現れ、俺の見張る空き地へ降りてきたぜ。
円形の宇宙船はかなり大きく20人程度のギャングたちが今日の収穫に満足したのか笑いながら降りてきた、見る限りブカリ星人ってわけじゃなさそうだ、むしろ地球人に近い姿をしている。
ヘルメットやプロテクターを身に着け、手には光線銃、体格の良いやつは液体タンクを背負っている、一体なにを奪ってきたのか知らねぇがクソ野郎なことにはかわりなさそうで安心。
俺は注意深くその動きを見ていると、宇宙船を停めた後に光学迷彩のようなもので景色に溶け込ませハッチの中へぞろぞろと入っていった。
「……ふむ、構成員の数は20前後か、情報通りだな、さてとさっさと始末してやるか」
茂みから飛び出しハッチの上へ降り立つ、この犯罪組織は隠匿に長けるが、その意識が強いあまり外に警報やセンサーの類を置いてない、調査済みだ。確かに厳重な警戒をしていたらいつかバレていただろうな。
俺はハッチに拳を叩きつけた、金属製のハッチは真っ二つにへし折れ音を立てて崩れ落ちていく、ハッチの中は縦穴で下に広めのスペースが見える、それほど広い空間ではないので十分破壊可能だろう。
空けた穴に手を向ける、しっかり手を開いて力を集中させた。
「サイヤ人ってのは恐ろしいな、3歳児でもこんな簡単に施設が破壊できるとは…………なっ!」
__ドッ!
放った気弾が中で爆発し地面が揺れ、爆風が穴から吹き上がる、電子機器、金属片、何かの部品、そしてボロボロになった犯罪者。
犯罪者は死んでなさそうだ、回復を待ってやる必要もない。
「ぅ……ぅぅ……」
「恨むなら自分の罪を恨め」
「な…………さい……や……じ……」
「…………フッ」
顔面を踏み砕いた。二度とやらねぇ。
「基地は崩壊、犯罪者は地獄へ送った、宇宙船は……勿体ねぇから持って帰ろ」
…………待てよ、こんなやり方じゃ修行なんてまた夢の夢じゃないか? 確かに効率いいけど……なんで早く気が付かなったんだ俺。
ひとまず朝まで眠り、明朝パシフクへ宇宙船を持って帰還する、宇宙船は解体され資材となった、俺は寄り道で2つほど組織を潰した。
全部片手間である、やはりサイヤ人にとって犯罪者では弱すぎる、特にこの辺の奴らは。
諸々を含めた陳情をベルキラ大統領に伝えてみた。
「……では、とびっきり強い者をご紹介します、あの銀河パトロールが手を出さずに放置している凶悪犯罪者……それがこの星にいるのです、その名はサッファ、銀河中の宝石を集めている盗賊です」
銀河パトロール……聞いたことがある、サイヤ人の俺と言うより前世の俺の知識として。
銀河を守る警察って言えば聞こえはいいが人数は少ないし実力もピンキリ、銀河の広さ舐めてるとしか思えないが治安維持組織は幾らいてもいい。
「ルサーべがいるのにそんな奴がのさばっているのか?」
「ルサーべ殿ならば勝てるでしょう、だが奴自体かなりの強さ、それに仲間がいるので下手に手を出せば首領は倒せたとして、その報復を我々が受けることになるのです、ですからルサーべ殿は手を出せずにいるのですよ」
「なるほど、攻めた所で守れねーか、なら組織ごと潰してやんねーとな」
「ですがあなたはまだ幼い、サイヤ人といえど子供を死ぬとわかって行かせられない」
「なに、強くなればいいんだよ俺も、少なくともルサーべくらいにな」
「なんと?!」
「いい目標が出来たぜ、そのサッファとやら俺が倒す」
俺はベルキラ大統領に背を向けると足早に部屋を出る、ルサーべの所へ行くために。
では、始めよう、サッファ攻略のための修行だ!