銀河の宝石強盗であるサッファ、ナメック星人の戦闘タイプであるルサーべが互角という話を聞いた俺は、サッファ討伐を目標にした。
強くなりフリーザを倒すことを大目標にしていたが、それを成すための小目標というのに悩んでいた俺はこの話に乗るしかない。
まずはまたルサーべの家を訪れた、ルサーべは洗濯物を干している途中だった。
「また来たか、順調か?」
「ああ、三つ潰した、しばらく増えないだろう」
「やるじゃないか…………で、何のようだ? まさか世間話をするために来たわけじゃないだろう?」
「その通り、サッファってやつを倒す」
彼の手から洗濯物がこぼれ落ちた。
「……辞めたほうがいいぞ、サッファは洒落にならないほど強い、この身でしっかり味わった」
そう言って自分の腕を擦っていた、ナメック星人は腕を再生出来るから分からないが、一度や二度、腕を斬り落とされているのかもしれない。
「そんな強いのか、なら俄然やる気が出る」
「何がお前を駆り立てるんだ」
「将来的に故郷を救うために、今から力をつけたい、その第一歩だ」
「惑星ベジータを救う? あんなサイヤ人だらけの星にどんな脅威があるというんだ?」
「コルド大王、引いてはその一族がいずれサイヤ人を皆殺しにする…………と、言う懸念を個人的に抱えてるだけだ」
「随分心配性だな……、だが分かる、私もコルド大王の噂は聞いているよ、残虐で悪辣、己が頂点で他者はゴミ……そういう輩だと、自由奔放なサイヤ人に見切りをつけてどこかで始末しようと考えてもおかしくはない」
洗濯物を拾い直し、ついたゴミを叩いて落として物干し竿へと掛けた。
ルサーべは俺へ向き直り改めて話を始める。
「だが、それはお前がやるべきことなのか? 倒さずともその時になったら逃げればいいんじゃないか?」
「ダメだ、俺がやる……というよりも今から備えられるのは俺しかいない、恐らくその時に俺以上に準備しているサイヤ人にいないだろうし、何より俺の故郷だ」
「随分確信を持った言葉だな、まさか未来が見えるとか?」
「最悪を想定してるだけだ」
俺の言葉にルサーべはしわ寄せた顔になり、悩み始めた。
ちょっと待ってくれと言われて彼が家に入っていくのを見届けた、それから数分、扉が開いてルサーべが現れた。
腰に二本のサーベルを差し、頭にターバン、服装はシャツに半ズボンと海賊のような出で立ちだ。
「…………私はこれでも龍族、ナメックの選ばれし者…………お前の言葉と目、その思いに嘘がないということが分かる、そして誇大妄想でも偽善でもない、起こりうる事実として分かる…………稽古をつけよう、サッファを倒すためでなく、お前がやりたいことを出来るようにな」
「ありがとうルサーべ、本当にありがとう…………所で龍族ってのは?」
「ん? ナメック星人の種類といえばいいか、戦いに適した戦闘タイプ、創造に長けた龍族、どちらでもない者、というのがナメック星人にはあるんだ、私のような龍族は数が少ない、その数が少ない龍族の更に突然変異である私のような者はもう二度と生まれないだろうな」
…………嘘だろ、ルサーべ龍族なのかよ……勝手にずっと戦闘タイプだと思ってたぜ、思ってるより弱いかも……ってのは希望的観測すぎるかも知れねぇな、素人目に見て強いって分かるんだ、鍛え方が尋常じゃないぜ。
「さぁいつ始める?」
「今すぐにでも」
「分かった、付いてこい、いい場所がある」
そういうルサーべの背中を追いかけて俺は空へと飛び立った。
龍族でありながら戦いに身を投じるナメックの戦士、ルサーべ、色々と俺にとって都合が良い方向に進んでいる気がする、こう言うのは大体後になってから揺り戻しが来る…………頑張ろう俺、打倒フリーザ、守ろう惑星ベジータは今から始まるぞ。