俺は転生者でサイヤ人だぁ〜!   作:テムテムLvMAX

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8話 闘劇

 ルサーべ曰く、戦いにおける構えとはその者の意思を表す。

 

 固く防御する姿勢、怒涛に攻める姿勢、どちらとも感じさせない姿勢、もしくは裏をかく思わせぶりな姿勢など……構え一つで初動が変わる、初動が変わると流れが変わる、戦いは海だ、うまく流れに乗り勢いを制する者が勝つ。

 

 ならば俺はどう構えたか、何も構えない、脱力しリラックスした姿勢を保つ、俺にとっての戦いは身体能力を存分に引き出し技術と力で圧倒するもの。

 

 負けることは考えない、負けない為にも無駄なく無理なく最高の力を発揮するために構えない、もちろん隙だらけだと相手は思うだろう、だがそれがつけ入る隙だ、俺はカウンターをくれてやるだけでいい、そこから流れを持っていくんだ。

 

 

「来いよルサーべ、睨み合うだけじゃ面白くない」

 

 

 俺が手招きするとサーベルを前に突き出すように構え、反対の手は後ろに回し腰に据えた、二刀流でありながら一つは背に隠すスタイル、意識の外にサーベルを置くことで不意を突くルサーべの戦い方だ。

 

 

「もちろん行くとも、あえてね」

 

 

 手首を返し、姿勢を低く保ち、サーベルの切っ先を俺に向けながらルサーべが跳んでくる! 

 その勢いのまま突きが出る、体が突きに反応したくなるがルサーべの間合いは長い、回避が早すぎると腕が伸び変幻自在に絡め取られる。

 

 

「はぁっ!」

 

 

 だから俺は、サーベルを確実に弾く! 

 

 サーベルの側面を裏拳で叩き軌道を逸らし、真っ直ぐ突撃するルサーべに向け一歩踏み出し反対の手で気合を放つ。

 

 空気が爆発するような音を立て放った気合がルサーべの体に当たる直前、背後に回したサーベルで気合を切り裂き、俺が弾いたサーベルを引き戻して更に突く! 

 

 一回、二回、と避けてるつもりでもかすり傷が増えていく、匠の技で軌道を読ませないルサーべの攻撃に俺はたまらず後ろへ下がるバックステップ。

 

 

「ふっ、はっ、くっ!」

 

「甘い!」

 

 

 それを見越したようにサーベルが2つ同時に投げられブーメランのように俺を狙う、弾き飛ばそうと拳を握った所でルサーべが背後に回り込む高速移動を見せた、俺も動きを変えてサーベルを弾くことなくしゃがみ込み回避し、両手を着いて両足を背後に突き上げるようにして蹴る! 

 

 ルサーべが回り込んできたタイミングに攻撃を合わせられた、その一瞬で腕によるガードさせ、その上から力を込めて蹴り込むことで距離を空けた。

 

 

「見ていたか、やるな!」

 

 

 ルサーべが俺を褒める、その間にもサーベルを二本とも掴み、先ほど同じ構えをとって今度は刃に気をまとわせ振り下ろす。

 チュン、チュチュン! と3度振り斬撃が空を飛ぶ、今の俺に防ぐ手段はないが避けることは出来る、軌道が変化する斬撃を大きく迂回するように避け、今度は俺から攻め立てる。

 

 緩急を絡めた高速移動でタイミングをずらしつつ大きく踏み込んで一発の拳を放つ! 

 

 

「だぁあぁぁぁっ!」

 

「おっと」

 

 

 ルサーべが避ける、背後にあった壁に拳ほどの穴が空く、そのまま腕を薙ぐように振りルサーべを追いかける! 

 

 ギュン! と気を込め裏拳をお見舞いだ! 

 

 修行の結果俺のスピードがルサーべの反応速度を超えている、彼のガードが間に合わず脇腹を捉え大きく吹き飛ばすが、一発当てた程度で怯むようなルサーべではない。

 

 タンタンタンとテンポよく地面を蹴って姿勢を整え俺を見る、距離を空けまた睨み合いが始まる。

 

 

「今日は調子いいね、それとも私の動きに慣れたかな」

 

「どうかな……そっちの攻撃は一発も当たれない、こっちの攻撃は深く当たらないから決定打にならない、難易度高いぜ」

 

「それが実戦だ、さぁもっと力を出せ、実力発揮まで敵は待ってくれないぞ」

 

「分かってる! この1年の成果を見せてやるぜ! すぅ〜…………はぁぁぁぁぁ」

 

 

 俺は深く息を吸い気を高める、爆発的に膨れ上がる気の流れが地面を抉り小石を浮かび上がらせる、まだ足りない、もっと引き出すんだと俺は力を込める! 

 

 気を高めに高め髪が逆立つほど溢れ出る気の流れ、これが俺の修行の成果、気の色も白や紫じゃねぇ……オレンジ色、サイヤ人としての俺が見せる色だ! 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁ……! だぁぁぁぁぁっ!」

 

「全くサイヤ人と来たら羨ましいな、昨日よりも気が高まっている」

 

「お褒めの言葉どうも……まだ気を解放しただけだ、ここに気の制御や超サイヤ人が加われば俺はもっと、もっともっと強くなれる……行くぞッ!」

 

 

 地盤を踏み砕くように蹴り出し全身に気を纏ってルサーべに突撃、奴の反応速度を超えて裏を取り背中を蹴る、だが見えていたのか最小の動きでサーベルを振り回し俺の蹴りを受け止める。

 

 俺は蹴りの反動を使って頭上に飛び上がりこの小さい体を回転させて回転の勢いを乗せた踵落としを振り下ろす! 

 

 

「おっと危ない!」

 

 

 ぬるりと体をくねらせ避けるルサーべ、俺の踵落としが地面を叩き割り真っ直ぐに亀裂を入れる。

 亀裂に足を突っ込んでルサーべのいる方向へ岩を起こし蹴っ飛ばす! 

 

 

「避けんなよおっ!」

 

 

 奴はサーベルで岩石を切り裂き逆に打ち返してくる、目を狙うように小石が飛ばされてくるので咄嗟に腕で顔を守る、その一瞬で正面に回ってきた奴の足払いで姿勢を崩し土手っ腹にサーベルが突き立てられようとしていた。

 

 まずい、負ける……っ! 

 

 そう思ってしまうと思わず全身に力が入る、筋肉が硬直して一瞬動きが止まってしまう! 

 

 

 __ザン! 

 

 

「ぐはぁあ!」

 

 

 鮮血が飛ぶ、俺の中から熱が逃げていく……痛みで気が散るが毎日修行は死にかけまでやっていた、慣れはしないが堪えられる、再び気を練りサーベルを両手で掴み引き抜き、素早く体を起こしてルサーべに飛びかかり殴ると見せかけ体を回し尻尾を首に引っ掛け投げ飛ばした。

 

 

「これでどう……だっ!」

 

「なにっ! ぐわぁぁぁっ!」

 

 

 投げ飛ばした方向に丁度あった壁に体を激突させめり込むようにルサーべが沈み込む。

 

 激痛が腹部に走る……筋肉で出血を押さえ込んではいるが傷は深く、ギリギリ内臓に達した感じだ。

 まだ戦える、だが次が最後になりそうだ…………よし、最後だったら全部出し尽くすまでだ! 

 

 

「今日は勝つぞ! ルサーべ! だぁぁぁぁっ!」

 

 

 俺が気を高め始めるとルサーべもそれに気が付き、力を溜め始めた、その顔は喜びを感じているようだった。

 

 

「いつもならギブアップしてる傷だと言うのに…………成長したなトロモシ! むぅぅん!」

 

 

 ルサーべが気を高めるとサーベルを十字に構え刀身に気を巡らせていく、高まる気が刀身に満ちていくと眩い光を放つ剣となる。

 

 アレがルサーべの本気の技だ、俺も何度か見せてもらったがまだ突破出来てない、今の俺で技術で勝てる相手じゃない、だったら俺が出せる最大限のパワーで突破する! 

 

 ルサーべがいち早く気を溜め終わりサーベルをクロスさせたまま音を置き去りにする速さで走る! 

 

 

「このまま今回も私が勝たせてもおう!」

 

 

 空間が4等分にされる! あまりにも鋭い刃が剣の軌道に真空を作ったのだ! 

 

 

「シャインクロスシザーッ!」

 

 

 ルサーべが放った十字の剣撃が気を溜める俺に向かって飛ぶ、それは回避を許さない速さで更に避けらてもいいように、少し変則的な構えで2回目を放とうとしている。

 

 俺は真正面から迎え撃つため、拳の一点に気を集中させる! 

 

 ……これが俺の必殺技だ! 

 

 大股に足を踏み出し! 全身の筋肉が連動するように動かし、腰のひねりを加えて捻じるように打ち込む! 

 

 瞬間的に膨らむ気の奔流! 狂う風、舞い上がる地盤、ミキサーのごとく暴れる旋風と共に俺がルサーべの技を打ち消し、更に前進し腹部を捉えたっ! 

 

 

「ぐぉぉぉぉっ!?!?!?」

 

「これが……! 絶功拳だぁぁぁぁぁっ! ってあっちょっうぎぁぁぁぁぁっ!!!???」

 

 

 拳に込めた気を一気に解き放ち閃光と共に大爆発させる! までが技なんだがいつも以上に気がみなぎってたせいで制御が効かない! 

 

 

 

 ……俺も、ルサーべも武舞台も何もかも光の中に消えていく…………山も、消えてなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 ごめーんね! てへぺろ。

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