世界を救え?できらぁ! 作:星5すり抜けとNTRは悪い文明
カツ丼が食べ終わり、食後の〆にお茶を飲む二人。大体の内容を共有し終わったときに口を開いたのはリリスだった。
「よし。とりあえずマスターの方針としては『生きて帰る』ってことでオーケー?」
「ぶっちゃけ立香だけ戻せればいいかな。サーヴァントになった以上はどんなこと起きるかわかんないし」
「そんな割り切る必要ないっしょ。ってか日常に戻ったのならもっかい戻りたくなるんじゃないの?」
リリスの質問に戸惑ったのか、彼がゴホゴホとむせた。ジトーっと見ていると挙動不審になっていくのをみるに、本心から出てる言葉ではあるまい。
(アテシに散々尊いとかなんだのと言ってたのに掌返しするってマジー?)
普通を渇望して世界を救った少年がそこを諦めることが理解できなかった。
「感覚が麻痺して人を殺しかけたんだよ。『人理修復の為』ならまだしも、現代じゃ普通にアウトだ。法律に反するってのはどうしても納得いかないからな」
「確かにね。アテシら英霊なんて手加減したら死んじゃうから必死だったもんね」
なるほど、とリリスは納得したフリをする。存外誤魔化し方が下手なのはずっと変わってないみたいだ。
(立香ちゃんに聞いてた感じ、恐らくもっと別のことで悩まされてたってのは想像につくんだよなぁ…)
聞いた話によるとずっと元気にいたそうだし、力加減で悩まされるなんてことはあり得ない。
もっと別の原因があるんだろうな、と思っても口にはできない。そうしたら恐らく自分ごと
「…どうした、リリス」
「ううん?そんなアテシ達と過ごしてたほうが日常になってたんだなーって思ってるだけだよ?」
「わかった。わかったからそのニマニマ顔でハサミを弄らないでくれ」
「えー、いいでしょ別に。どうせオケアノスぐらいでしかあんなのできないしー♪」
「そりゃそうなんだけどなぁ…」
リリスとやった行動。場所と記憶も含めてそれなりに見立てが揃っていたからだ、と彼は分析していた。
昔でさえできたことだし、今ならなおさらできるだろう。
そう判断して勝手にやろうとする─そのまえに、風香は何をするかをはっきりさせた。
「とりあえず立香に話すぞ。そもそも今の俺はマスターじゃないから契約するならあいつにしろ」
「あー言ってたもんね。でもアテシこれでも義理深いからマスター以外と契約するつもりはないよ」
手をブンブンと振りながら否定し、笑顔で更に付け加えていく。
「だからアテシの真名はマスターにしか言わないよん。バラす理由も必要もないっしょ?」
「そらそうなんだけど…まあいいか」
真名に関して伏せる意味を風香は特に感じなかったが、戦略的には間違っていないから許可をする。存外自由な行動をするのはリリスの昔からの癖であり─また、それで自分が被害を被ることが一度もなかったからである。
(まぁマスターが勘違いする前にきっちりやりたいことやっときますか。わかってるよ、アテシ)
リリスはもう知っている。
鼻歌交じりに片付けを終えた彼が、立香のところへと行くのを見送る。この部屋から離れる必要はない。
─だってもう、風香は日常に戻れないのだから。
「うん、わかってるよ。マスターが日常に戻りたかったこと。アテシはちゃんと返したって思ってる」
「でもさ、そんなわけないじゃん。あんだけ戦い続けて、壊れない人間なんていないよ。ましてや英霊とだよ?」
「注がれる水が器によって姿形を変えるように。嵐によって削られた岩が元の形に戻らないように─あなたは、変わったの」
「今のマスターの日常って殺し合う環境だったの。呼んだ人間に裏切られて傷ついて苦しんで─それでも進むのが日常になってしまった」
「マスターが望んでいたのはもう遠い遠い昔の思い出なんだって気づかなかったのかな。もう戻れないからこそ願ってたって思えないくらいに歪んだのかな」
「あーあ、アテシ以外のサーヴァントが来てたら真っ先に指摘すると思うよ。だって、『日常に戻したい』はずだもん。あり得ないくらい傷つかない偽りの楽園─もう、血の味を覚えたせいで戻れないのにさ」
「でも日常に戻ったらアテシのことを忘れちゃったんでしょ?立香ちゃんと結婚して、愛し合うんでしょ?」
「認めない。許さない。アテシのマスターなんだからずっと近くにいないとダメ。マスターがアテシのいない日常に戻るなんてこと、絶対にヤダ」
「だからさマスター。アテシ達が出会って別れた旅路─何度でも、繰り返す準備はできてるの」
「散々な人生─何回も歩き直そ?皆寄り添うし、アテシ以外も付き合ってくれるからさ?」
「覚悟してね、マスター?アテシ達は─アテシは、そういうサーヴァントだよ?」
今日の作者は水着リリスを引くために周回をしていたため非常に雑な文章となっています。
要するに誤字脱字修正をお願いします。