世界を救え?できらぁ! 作:星5すり抜けとNTRは悪い文明
…結局、リリスに全てを押しつけたため詳しくはしれなかった。
「聖杯取れたよマスター。代わりに投げキッスで許してちょ」
ウインクしながら投げキッス。普通にしなくても許すつもりだったので別にいいけど、問題は立香だ。
「…私、怒ってるから。フーくんの女誑し」
むっすーとした表情のまましがみついている。耳元で囁かれて若干体が跳ねてしまう。いったいどこでこんな恥ずかしい行動を覚えてきたのか。
(かわいいからいいけど体の心配もしてほしかったなぁ)
体がくっつかないかと思うくらいには裂けていたから少しくらいは心配してほしかった。ヘクトールは伊達に大英雄やってない。
「とりあえず立香は一旦降りてほしいなあ…もう地上だから安全だと思うんだけど…」
「やだ。フーくんが押し倒されるまで抱きつくもん」
「怖いこと言わないでもらっていい?貞操狙われるのは嫌なんだよ?」
リリスはニマニマと見守るだけ。助けてほしいことがわかってるのに助けないのなんでなんだよ。
(あれか?この後からかってやろうとかそういうタイプなのか?)
にしたってどうも様子がおかしい。あとで聞けるタイミングがあれば聞いておこう。
そんなことを考えていればペタペタと立香が胸元を触ってくる。コレ幸いとばかりに離すと、むぅと残念がる声。
ただその後にぐいーっとリリスが引き剥がしたからまたコアラみたいになることはなさそう。よかったよかった。
「せっかく抱きついてたのに…というかフーくんちょっと柔らかくなった?斬られたから?」
「知らないよ…んな筋が斬られたからって柔らかくなるような構造じゃないだろ…」
というかいい加減カルデアに戻ったほうがいいんじゃないのか。そんなことを思っていると、ツツーと音が鳴る。
『やっと通信繋がったわね!?なんかワイバーンの穴倉みたいな画像とかか映ってて大変だったのよ…』
「なんというか…大変だったね…」
「…もしかしてそれ、別の特異点とかじゃね?」
リリスがこちらになんか目線を向けてきている。絶対なんかやらかした後にこっちに来たんだな、と理解した。アレはイタズラしたのがいつバレるのかを楽しんでいる愉快犯の顔だ。
(いやーでもワイバーンか…ありゃ恐らくオルレアンとかそこらへんかな?)
あの頃はまだ楽しかったなぁ、なんて記憶の残る特異点。実際その後から過酷だったからなんともいえないんだけど。
『あー待って…ちょっと皆が帰ってきてから確認してみるよ。精査すればわかるかもしれない』
「なるほど…じゃあなおさら速く帰らないといけなさそうだね」
しかしリリスの顔がまだバレてないのになーって残念そうな顔をしている。というか想定外の挙動が起きて困惑している顔だ。
(絶対にさっきまでの会話になにか含まれてんだろ…)
ロマニと所長の発言を踏まえると、少し変なことが思い浮かぶ。
「…てか『とかが』って言った…?」
『ええ。霧の中で白髪の少女が踊っていたり後ろから血飛沫を出たりね。…まさか実際にそんなこと起きてないわよね?』
「うんうん!アテシらのいたオケアノスだと起きてないよ!」
フードを目深に被る。明らかにどのサーヴァントが理解できた。
(なんなら片方は置いてきた気がするんだけどなぁ!?)
ワイバーンだけだからなんとも言えないけど、恐らく穴倉にいるのも血飛沫を出したのも誰なのか容易に想像がつく。
『風香?なんでそんな困惑してるの?』
「……いいや、後で話す。とりあえず一回戻ろう」
リリスから聖杯を受け取れば段々と特異点が崩壊していく。
(あいつら、何してんだ…?)
呆れながら意識が失われていく感覚。
もういいや、あとで考えよ。
どちらに行く?
-
霧と血飛沫のまう都(√L)
-
ワイバーンの穴倉(√R)