世界を救え?できらぁ! 作:星5すり抜けとNTRは悪い文明
本来ならいないはずのものが溢れている特異点へと立香たちは降り立った。降り立った瞬間から襲われるのは
「…無機物が多いね」
「機械は産業革命で最も有名だからね、しょうがないよね」
「そーそー。あと時計塔とかなんかそこらへんの凄いのもあるんだよね」
軽口を叩きながらエネミーを壊していく。霧の中とはいえ不意討ちされるようなことがないのが一番の安心だった。
『そういえば霧の映像。アレってなんだったんだろうね?』
「わかんないけど聖杯を持ってるサーヴァントじゃない?あんな少女みたいな偉人がいるかってのは疑問だけど」
適当に口を出しながら話す風香。しかしおかしい発言だということに気づかなかった─というより、失念していた。
『え?
「あー…うん…そういやそうだったかも…」
情報抹消。別にアサシンとしてなら持っていてもおかしくはないスキルだった。
(持ってなかった気がしたんだけどなぁ…?)
いかんせん中途半端に覚えているということ。
恐らくアサシンが消したのだろうと結論づけて風香は霧の中での戦闘を終わらせた。
『…なんとなくだけど気をつけなさいよ。特異点から干渉してくる以上、レフが聖杯以外にも仕込んでいるものがあるかもしれないわ』
「はいはい…さて、どうやって行動しましょうかね?この霧の中だし、どこを目指すかだけでも決めといたほうがいいかと」
慣れた手つきで短剣をしまい、風香は立香に尋ねる。
「そうだね…所長、どこ行けばいいですか?」
『そうね。今のところ特に目標がないのなら時計塔に向かうほうが安全でしょう。途中でサーヴァントと会うと思うけど、気をつけて接触して』
霧の中でも見える目印。上まで覆っているはずの濃霧でそこだけ見えるのは異様のひと言に尽き、何かが待ち受けているのは容易に想像がつく。
不安になった立香へと安心するように風香が声をかける。
「立香、手を繋いで。流石にはぐれるとどうなるかわかんないし…っ!?」
汗一つかいてないはずなのにコートには異常なくらいの水滴がついている。ソレが一瞬だけ立香が手を出すのを躊躇して─直後、悲鳴を響き渡らせる。
ザシュ、と血飛沫が舞う音。妙に白いコートに包まれた物体が落ちるまでの時間がスローモーションに見える。彼が崩れ落ちて痛みを堪える顔をした。
「人を斬りやがって…!」
霧から現れたのは鎧だった。人を嘲るような悪魔の形をした鎧。その真名をモードレッド─そこまで回転してから、破れてない方の手から大剣を取り出す。
(間違いなく戦闘だろうな…ッ…)
痛みを抱えつつ、風香は目の前の相手を睨む。本来ならあり得ない戦闘を含めた上で立香を守らなければならない。
されど相手は待ってくれない。沈黙の騎士の踊りかかる中、一つの小さな影が見えたことに二人はついぞ気づかなかった。