世界を救え?できらぁ!   作:星5すり抜けとNTRは悪い文明

42 / 42
第42話 今は既に脆き白亜の城

ゾンビを蹴散らしながら辿り着いた先は白亜の城。遠くで見たときにはわからなかったが、いざ近くで見るとあからさまな違和感があることに気づいた。

 

(…っとに、趣味ワリィ…)

 

この白亜の城は要するにパンドラの箱だ。入った瞬間、サーヴァントが全員襲いかかるように設計してある。

 

「どうする、風香?ボク一人でもいけるよ」

 

「んなことするわけないだろうが。貴重な戦力をわざわざ無駄に死なせるのもバカらしい」

 

軽く弾丸を放ったが壊れる気配はない。結界として機能している城とは戦えるとは到底思えなかった。

 

「…一旦少し離れて作戦を立てるぞ。どうせマシュ・キリエライト専用の対策も立てなきゃいけない」

 

わざわざ城門の前で話して敵に情報を流すような間抜けではない。念のために宝具を使い切ってから近くの水場へと行くことにした。

 

 

 

 

 

水場につき、安全を確認してからメアリーへと話しかける。どうせ彼女が戦力としてどう使えるかをもう一度考えなければならない。

 

「…で、メアリー。やっぱりアンがいないと戦いにくいか?」

 

「……うん。やっぱり片方を任せちゃってたから思いっきり空いちゃうね」

 

「そうか。じゃあこの宝具じゃないほうがいいな」

 

適当に別の笛へと入れ替え、できる限り荒々しく音を吹こうとする。銃はしまっているし別に何も問題はない。

 

(…でも待てよ、今回のやつなら…)

 

繋げれば大した問題じゃあるまい。大量にあった宝具のうちから最も今の状況に合うものを展開していく。

 

「疑似宝具展開─死へ投じる極狼(ミッドナイト・ウルフ)」

 

爪が伸びる。狼に近い体つきは近接として英霊と殴り合うには充分だろう。

 

「…ねぇ、本当にそれ宝具なの?」

 

「さぁな。ジャックに渡したやつの片割れ以外は俺が持ってたものじゃないし、こういう肉体系の疑似宝具ってなると中に色々残るんだよな」

 

肩をすくめながら近くにあった湖を叩く。水面に波紋が広がるのを見てだいたいの力加減を理解する。

 

「で、魔力探知的にいるサーヴァントは七騎くらい。全員碌な思い出がないから殺していいと思う」

 

ルーラー─ジャンヌ・ダルク。

バーサーカー─ナイチンゲール。

ランサー─エレシュキガル。

アーチャー─カラミティ・ジェーン。

ライダー─プーディカ。

バーサーカー─清姫。

最後にシールダー─マシュ・キリエライト。

 

「ちなみにだけど聖杯を持ってるのはマシュ・キリエライトで間違いない。あのシールダーの盾の機能にしまい込むってのがあったはずだ」

 

そうでなくとも怪しい。

 

言葉にはしなかったけれど、デミサーヴァントであるマシュがこの場に聖杯を持たないで顕現できるのはおかしいのだ。

 

「なるほど。じゃあボクはどんな風に動くのを求められてるのかな?」

 

「メアリーは対マシュ・キリエライト用。…自分しか守るものがないシールダーなんて弱いけど」

 

どんな変化を経たかは知らないが、あの世界にいたマシュ・キリエライトはなぜか武器の使い方が上手い。

 

「そんなに強いかなぁ。正直風香のほうがよほど厄介だけど」

 

「まぁ身一つで生存しなきゃいけないってことも生前はあったからな。サーヴァントと戦うならよほどのことがなければ勝てる」

 

くぁ、と小さく喉を鳴らすアクビ。メアリーやジャックとの戦闘から若干昔のときと癖を変えた。

 

「あとワガママだけど殺し合い中に当てるかもしれない。銃ならともかく近接はどこにいるかわかりにくい」

 

「いいよ。ボクも当たるかもしれないし恨みっこなしだ」

 

「じゃあそういうことで。仮に死なれたら困るからある程度は生かすつもりでやるけど」

 

最も、あくまで形だけだ。わざわざ味方を傷つけるような真似なんてできるはずがない。

 

(ま、俺の勝手な復讐だからな)

 

チャラチャラと軽い爪の音が手のなかで鳴る。

 

「どうせさっさと行かないと俺も襲いそうになるし速く行こうぜ。あんな白亜の城、壊したくてたまらない」

 

「…うん。陽動はボクもやるから二人でかき回そうね」

 

笑ってくれたメアリーに、どんな顔をして返したのかはわからない。

 

「殺しに行くぞ」

 

どんな思いだとしても、きっと醜くて愚かな怒りに満ちた顔には違いない。

 

…立香には、見せたくないな。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

世界を救うとかダルすぎる(作者:ギリギリニート)(原作:Fate/)

▼なので原作主人公の幼馴染の後ろでサボっていようと思う▼主人公は混沌・悪でサボり魔▼※この小説には『Fate/Grand Order』のネタバレを多く含みます


総合評価:1071/評価:7.92/連載:3話/更新日時:2026年08月20日(木) 00:19 小説情報

冬木市新卒ガス社員(作者:菌糸類に脳を焼かれた海洋生物)(原作:Fate/)

▼クソボケ社員が色んな奴から感情を向けられる話


総合評価:1748/評価:7.81/連載:9話/更新日時:2026年10月10日(土) 19:00 小説情報

お前のミスでした―――。(作者:とっとこ馬鹿野郎ッ!!)(原作:ブルーアーカイブ)

散々生徒と先生、ついでに私の脳を焼いたくせに、このままフェードアウト出来ると思ったんですか?このクソボケが。▼現在、原作最終章後のストーリーとそれ以前のストーリーの両方を更新しています。▼この小説においては最終章後が本編、最終章前が前日譚のようなものです。▼どちらから読み進めても大丈夫です。


総合評価:1814/評価:7.05/連載:18話/更新日時:2026年09月01日(火) 23:37 小説情報

起きたら超絶美少女が嫁になっていた件(作者:理 想 な ん か ね ぇ よ)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

▼タイトルのまんまです▼深夜テンションで書いたから続くかは未定▼記憶喪失のオリ主が死ぬほどゼンゼロキャラを曇らせていた話▼追記、リメイクします


総合評価:1936/評価:7.97/未完:6話/更新日時:2026年08月31日(月) 22:22 小説情報

開拓者を開拓者した夜について(作者:ひまなめこ)(原作:崩壊:スターレイル)

前世崩壊スターレイルと言うソシャゲを遊んでいた主人公はある日原因不明の死を遂げて崩壊スターレイルの世界へと転生してしまう。▼崩壊スターレイルの世界はかなり過酷であるが、運が良いことに彼は親にも環境にも、そしてそこそこの才覚にも恵まれて順風満帆な人生を送る事が出来た。▼そんな彼の人生が大きく変わる転換点となるのは大学の入学式直後、憧れの折り紙大学に首席で入学出…


総合評価:3794/評価:8.04/連載:20話/更新日時:2026年09月26日(土) 14:41 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>