愛しのシロちゃんを舐め回す   作:宇田川りんたろー

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注意:日番谷、雛森が好きな方はここから先、読まない事を推奨します。


そして本日は2話に分けて投稿になります。



俺自身が日番谷冬獅郎になる事だ…

 

 

 18××年、横浜。

 海軍士官の男は、現地妻として15歳の芸者の女と結婚する。彼にとっては一時の関係だったが、没落武家の娘であったその女は人生を懸け、キリスト教に改宗までして彼を愛した。

 

 披露宴では改宗に激怒した伯父と共に親族一同から縁を切られるも、二人は愛を誓い合う。

 

 しかし、男は帰国したまま音信不通となる。

 

 女は女中の反対を押し切り、銀髪に緑の瞳を持つ息子と共に約三年間、彼の帰りを信じ続けた。

 

 

 やがて軍艦の入港を知り港へ向かうが、彼は新しい妻を連れていた。捨てられたことを悟った女は、息子の未来のため身を引くことを決意し、男に別れを告げた後、父の形見の短刀で自害した。

 

 しかし新しい妻の腹には既に子が宿っており、日本で再び暮らすつもりもなかった彼は女中に毎月の送金を約束し再び祖国へ帰ってしまう。

 

 息子は女中と2人残されたまま、丘の上の家で暮らしていた。

 

 銀髪に緑の瞳を持つ息子——日番谷冬獅郎はそんな不運の元に生まれた子であった。

 

 

 

 

 ————————

 

 

 

 

 

「する事ねーなー」

 

 日番谷冬獅郎、8歳、2年生、幽霊が見える人より霊感のある男の子。太陽が散々と照り映える7月の暑い夏、在学中の尋常小学校は夏休みであるため、彼は縁側で1人暇を持て余していた。

 

 かと言って学校を楽しみに待っている訳ではない。開校地ともあり比較的裕福な地区ではあるものの、彼の髪色や瞳の色から近づく物はおらず、また、彼の出自からも同級生や教師から疎まれていた。

 

 

 彼の家は住宅街から少し離れており、近所にも家がある訳ではない。その為友達らしい人間もおらず、日番谷は女中であり、自らの親代わりの鈴木と2人静かに暮らしていた。

 

 一眠りしようと考えた彼は、目を瞑り、手を頭にやり横になる。

 

 その時、彼の顔に何かが飛んできた。

 

「痛っ!!」

 

 日番谷は起き上がり顔を擦りながら、飛んできたものを見ると、そこにはよく出来た竹とんぼがあった。

 

 

 嫌がらせの類か、と思った。

 

 自分とは、距離を取る事を選ぶ人の方が多いが、直接的な危害を加えてこようとする人間もいないことはない。

 

 せめて一言言い返してやろうと竹とんぼを掴み塀の方を見ると、そこには塀をよじ登り身体の半分をこちらに見せている女の子がいた。

 

 

「わわ! ごめんね〜、つい飛ばしすぎちゃったの」

 

 女の子は照れたように笑い、頭を掻きながら軽い身のこなしでひょいとこちらの敷地に入ってくる。

 

「っお、お前誰だよ! ていうか勝手に入ってくんな!!」

 

 日番谷はその女の子を敵として認識し、吠えるように言い放つ。

 

「私? 私は三津田リサって名前だよ。つい最近三津田家に養子に入ったんだけどね、女学校も今夏休みだから転入してもやる事なくて。暇だからこの辺で遊んでたの」

 

「……………ふん」

 

 日番谷はとりあえず悪意がなかったことに安心し、改めてリサを見る。

 

 

 整った顔立ちでニコニコと笑い、自分より少し大きな背丈に、絢爛な髪飾りと共に後ろで1つに三つ編みがなされた黒髪。藍緑色の瞳は自分と同じ異色の瞳という点で少しだけ好感を持った。ほんの少しだけであったが。

 

 

「私よく飛ぶ竹とんぼ作るの上手いんだ〜っ、ね、君はなんて名前なの? 何が得意なの?」

 

「………日番谷冬獅郎。コマ回し」

 

「冬獅郎くんって言うんだね! ね、私それやった事ない、教えてよ、どういう遊びなの?」

 

「………………見せてやる」

 

「わーい! ありがとっ! 冬獅郎くん!」

 

 

 日番谷は初めて会う自分に友好的な女の子という存在にたじろいでいた。おまけに彼女は端正な顔立ちで、美人に類されるものである。丁度思春期に突入した日番谷が照れるのも無理はなく、口はぶっきらぼうであったが耳は真っ赤であった。

 

 日番谷はリサに背を向け、縁側から家の中に消えてゆく。リサはそんな彼の様子を見て思い切り破顔しニヤつきが抑えられなかったが、足音が戻ってくると可愛らしい美少女顔へと戻した。

 

 

「…………これだ。コマ回しやった事ないやつなんて、いるんだな」

 

「あはは、あんまり遊びに触れさせて貰えなかったからね〜」

 

「……ふーん」

 

 

 日番谷は早速コマを回し始める。自分が得意なことについて褒められるのが嬉しいというのは彼も例外ではなく、リサの怒涛の褒め言葉に顔を赤くし照れていた。

 

「その、三津田の竹とんぼはなんでよく飛ぶんだ? 普通はあんなに飛ばないだろ」

 

「リサ、名前呼びでいいよ。これはね、うーん、秘密! 私と友達になってくれたら教えてあげる!」

 

「…友達? 俺と?」

 

「君だからこそだよ! 一緒にいて楽しいし、また話したい! ね、いいでしょ?」

 

「……う、うん。よ、よろしく………………リサ」

 

 

 そっぽを向き、返事を答えた最後の一言は消え入るような声であったが、リサの耳にはしっかりと入ったようであった。

 

「うん! 冬獅郎くん、よろしくっ!!」

 

 こうしてリサの思惑通り日番谷との親愛関係を結べた訳だが、日番谷はそんな事も露知らず。初めて出来た友達の存在に心をホワホワさせていた。

 

 

 2人は再開の約束をし、リサは再び塀から帰っていく。

 

「坊ちゃん、お友達ですか」

 

「そ、そんなんじゃ……う、うん。ともだち、だ」

 

「ふふ、それは良かったですねぇ、次からは門を開けますから、そこから入って頂くようにお願いしますね」

 

「なっ! あいつが勝手に入ってきたんだ!!」

 

「ふふふ」

 

 

 日番谷は知らない。

 

 彼女との出会いが自分の人生を大きく変えることを。

 

 彼女の毒牙にかかった獲物として逃れる事など出来ない事を。

 

 





日「初めて友達出来た…(ドキドキ)」
藍「王途川どこ行った…」
王「ハァハァ…シロちゃんいいよ、可愛いよ…ハァハァ」

この作品での日番谷の出で立ちは、全く覚える必要ありません。あくまで私の妄想であり、原作とは1ミリも関係ないので…。
ちなみに、出で立ちのモデルはオペラの蝶々夫人です。面白いので時間がありましたら皆さんも是非。


次話は23時投稿予定です。


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