愛しのシロちゃんを舐め回す   作:宇田川りんたろー

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シロさんのアニメでのご活躍にドキドキしながら就寝し、起きたらお気に入りと高評価がめちゃくちゃ増えていました。
皆様ありがとうございます…!!


ちなみにですが、この話は蛇足なので、読まなくても大丈夫です。
(だから文字数めちゃくちゃ少ない)


水滸伝…だと…!?

 

 

 私は尸魂界に帰ってきてからも、もはや毎日の日課となっている水滸伝との対話をするために、自室で一人座禅を組み、膝の上に斬魄刀をのせ目を瞑る。

 

 

 いつもなら自分の身体が深く沈んでいく感覚に陥り、無音のまま落ちるところまで落ちていく。そうして辺りは一変、鳥のさえずりや花の匂いがするようになる……はずなのだが、目を開けても、自室の風景が目に入るのみ。

 

 今回は対話すら出来なかったか。私はそうそうに諦め、少しぼーっとしてから仕事に戻ろうと心に決めたその時

 

 

「おい」

 

 後ろから声がしたと思い振り返ると、水滸伝が無表情のままこちらに声をかけていた。

 

 

「……まさか、現実で逢えるとは思わなかったよ」

 

「なんだよ、おれに会いたくねぇのか?」

 

「いや、会いたかった会いたかった!!」

 

 私は誤魔化すように手をブンブンと振る。

 

 

「まぁ、久方ぶりに話でもしようや」

 

 そう言うと水滸伝は指を縦に振る。と同時に、その場には茶菓子とお茶が2人分現れ、彼女はその場に座る。

 

「ちなみにこれ、おれの体液」

 

「エキドナじゃん……」

 

 その光景に疑問を抱かなかった訳ではないが、とりあえず私もその場に座り、彼女に倣ってお茶をすする。

 

 

「そういや、あんた目的だった日番谷冬獅郎捕まえたんだろ? 良かったな」

 

「そう! そうなの! やっとシロちゃんに会えたの! ふふん、中々順調に手中に収められたと思わない? いやー、今の私は最高に幸せだよ」

 

「良かったな、あんたの物になって」

 

「ねー、ほんとに良かった……って、私の物?」

 

「だってそうだろ? あれだけ心理学だの思わせぶりだのして、やっと支配出来たんだ。嬉しいなァ、良かったなァって」

 

「ちょっと待って、私が気になったのはそこじゃない。シロちゃんは物じゃないよ!」

 

「本当にそうか?」

 

 

 水滸伝はこれまでの談笑中のニコニコとした顔から一変、表情がこそげ落ちて無表情になる。

 

 

「う、うん。シロちゃんは大切な人だよ」

 

「おれはあんたの心の半身だからな、あんたの事がよーく分かるぜ。あんたはな、相変わらずこの世界の住人をキャラクターとしか認識していない。日番谷もキャラ、藍染も愛川も矢動丸も砕蜂も鳳橋もみーーーーんな、劇のキャラクターなんだよ」

 

「そんなことないよ、みんな友達で、上司で、尊敬する人達なんだよ!」

 

「違う、あんたのその感情は、肥大化した支配欲が恋慕や親愛の皮被ってるだけに過ぎない。あんたはその人達が死んだ時、本当に涙を流せるのか? 本当は「いなくても別に良いが、人生に彩りをくれるキャラクター達」としか思ってないんじゃねぇの?」

 

「……」

 

 

 言い返そうと思えば言い返せたかもしれない。だが、それらの言葉はあまりにも私の心を形容しすぎていて、口が開くことはなかった。

 

「あんたの行動原理は全て、あんた自身の歪んだ支配欲に過ぎない。その強すぎる支配欲のお陰で、鬼道や人間関係が上手く行き過ぎているから勘違いしているだけだ。あんたが人の感情に愉悦を覚えるのも、欲深くて何でも欲しがるあんたの性質のおかげだよ」

 

 そう話し切ると水滸伝はズズズとお茶をすする。

 

 

 私は何も言えなかった。

 

 違う、と言いたい。シロちゃんも、矢動丸ちゃんも、砕蜂も、藍染も、みーんな私にとっては確かに大切な人達だ。彼らの言葉一つで喜びもするし、傷つきもする。

 

 けれど、彼らが私の思い通りに動いた時、堪らなく愉しいのも事実だ。

 

 親愛も恋慕も友情も、全部嘘ではない。ただ、その全部の根底に「私の世界を面白くしてほしい」という欲望がある。

 

 

 でも、それだからこそ。

 

「……あぁ」

 

 なんだ。そういうことか。

 

「気づいちゃったかもしれない」

 

 

 不思議なくらい、頭の中が澄んでいく。これまで目を背けてきた感情に、やっと整理がついたような気がした。

 

 

 私は善人じゃない。彼らを一人の人間として愛しながら、同時に物語の登場人物として消費している。

 

 

 ——だったら、それでいいじゃないか。

 

 

「はは、そうだよ。この世界はどの道、私という不純物が入り込んだ分岐点なんだ」

 

 ならば、私は最後まで観客でいよう。いや、観客席に座っているだけなんて勿体ないね。

 

「私は、王途川リサという存在が入り込んだ鰤作品を死ぬまで鑑賞し続ける。彼らが私を楽しませてくれるなら、私だって舞台に上がって好き勝手やってやる——全部、私の為だけに存在して貰おう」

 

 

 そんな私を見て、水滸伝は暫く私を眺めていたが、そうかよ、と一言呟くと、やがて小さく鼻で笑った。

 

 

「結局、最後までそんな感じなんだな、あんたは」

 

「?」

 

「やめだ、やめやめ。これからは好きにしろ。おれの全部を明け渡してやる」

 

 

 水滸伝は呆れたような表情をしつつも、降参のポーズを取る。

 

 

「……というと?」

 

「あんたに卍解を教えてやる」

 

「……え、これさ、水滸伝的にはこの論戦が、私を認めるか否かのジャッジポイントだった訳? 君の話とか結構心にグサッときてるんだけど……酷くないですか?」

 

「あんたも今まで、心の何処かで同じような事思ってたろ、それに決着が着いたんだ。良かったと思え」

 

「えぇ……」

 

「ともかく、卍解だ卍解。あんたの能力不足で、使い切れないとかはやめてくれよな?」

 

 

 水滸伝は私の持った斬魄刀に手を翳すと、溶けるようにいなくなってく。と同時に、私の脳内には卍解の能力や名前、使用方法が流れるように入ってきた。

 

 

「……これが、卍解」

 

 私はその日、疲れのせいで、斬魄刀をいつもの位置に置くことも出来ず倒れるように眠ってしまった。翌朝の目覚めはいつもより良く、この世界が鮮明に見えた気がした。

 

 

 





狂った倫理観と価値観だから推しであるはずの日番谷も陥れるし、この先どんな展開があっても、友達だろうと見捨てるであろう主人公の心情回でした。

そりゃ斬魄刀は自分の半身なんだから、いつまでも目を背けていちゃあ卍解なんて出来ないよね、という。


めちゃくちゃ蛇足だし、原作キャラとは1ミリも触れてないので投稿するか迷ってたら1日過ぎてしまいました。
なので本来の投稿時間より少し早いです。

予約投稿の時間は何時がいいですか?

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