The flower which has died   作:ミスターK

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どうでも良い話ですが、感想が来ていますという表示を見ると
嬉しくなるのは私だけですかね?
すごい嬉しくて執筆がめちゃくちゃはかどるんですよ。
という訳で少しばかり短いですが11話投稿です。

感想お待ちしています。


11話

彼の目は体がすくんでしまうほど冷酷で、そしてとても怖かった。

学校でも指折りの、番長とすら言われた3年生がたった1発のパンチで顎を打ち抜かれて骨を砕かれてそのまま気絶してしまった。

あまりにも信じられ無い光景に言葉を失うほかない。

喧嘩では負け無しと、無敵の番長と言われていたから、言葉通りの瞬殺されたのが現実だと理解するのには時間が必要だった。

顎を正確無慈悲に狙ったそのパンチは、素人である私から見ても凄まじいものだと本能的に理解せざるを得無いほどものにしか見えなくて。

そして、その番長を眺める彼の目は、あの冷酷な目をしていた。

屋上であった時の、穏やかでも優しそうではなかったけれど、決して悪い人そうではなかった雰囲気とは真逆で。

その姿はまさに暴君と言われた噂通り。

ほぼ毎日のように喧嘩を繰り返し相手を病院送りに、下手したら殺しかね無いくらいまで叩きのめす非人道な悪魔。

挙句織斑千冬さんの優勝を邪魔した上に、未だに謝罪の一言もないという噂通りでしかなくて。

ただ、助けてくれたのには間違いはなかったのだけれども。

それはどこか噂との微かな、普通だったら気づか無いほどの矛盾を感じ取るのには充分だった。

でも。

彼はどうしてここまで変わってしまったのだろうかということも心の奥底でそんな事を思う。

あの日あの時。

あの場所で出会った時は同じスタートラインに立っていた。

同じように泣き虫でどうしようもなく弱かった。

なのに、いつの間にか大きな差が私たちを隔てていて。

彼はいつの間にかとても強くなっていたというのに、私は相変わらず弱くて泣き虫なまま。

8年の間に彼には何があったのか私は知らない。

子供の頃の1年間は途方もないほど大き過ぎて。

喉まで出かかった言葉を私は飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

かちゃり。

 

「なんでこんなものつけるんだよ」

 

「勿論逃げられないようにだからだけど?まぁ、これをどうにかして外したってここは3階だからね。飛び降りたらまず無事じゃ済まないだろうけど

 

「...............そうかよ」

 

そう言うそいつは俺の手と椅子の手すりを、どこから調達したんだと言いたくなるほど本格的な、寧ろ警察が使っている手錠でつながれてしまった。

部屋の鍵は閉められているとはいえ、回すだけなので別に問題はない。

だが、俺の場所がドアから一番遠い場所、つまり上座なわけで。

こいつの守りを抜けない限り出る事はできないのだ。

というか、そもそもこの手錠を外す事ができないから無駄な心配でしかないのだけども。

 

「お、お姉ちゃん。それは流石にやり過ぎじゃ...............」

 

「それは甘いわよかんちゃん?一夏くんには全科があるから万全を期さないとね」

 

「大丈夫だ。多分殺されやしないだろうから」

 

「...............そう言う問題なの?」

 

委員長の疑問も虚しく俺の拘束が解かれる事はなかった。

元から期待してなかったが。

 

「で、だね御崎一夏くん?よくも愛しのかんちゃんを巻き込んでくれたなてめーっ!」

 

「巻き込みたくてしたわけじゃねぇ!」

 

いきなりずれた事を言い出すので思わず俺も声を荒げてしまった。

ここまで拘束されたのだから説教とかそう言うのを考えていたが、予想とは全く逆の事であり。

心なしか呆れを感じた。

愛しのかんちゃんとかいつあたりこいつはシスコンか。

ぜってぇ関わりたくないと思う分類の奴。

こんな奴を姉に持つとか、案外苦労しているのかもしれない。

 

「...............て言うか、委員長はかんちゃって言うのか」

 

「軽々しく名前を呼ぶんじゃないっ!穢れる!」

 

「ひへぇほ(いてぇよ)」

 

ふと思った疑問を口にしただけだというのに、帰ってきたのは明らかな怒りとマウスキラーと言う理不尽な暴力。

ここまで理不尽な奴久々に見たと思う。

ベキベキと音がするくらいの力を込められてるので、当然めちゃくちゃ痛い。

ようやく離してもらった時にはくっきりと手跡が残っていた。

どんだけ力込めやがったんだこいつは...............。

 

「つか、勝手に冤罪にするなよ。巻き込むなんざ、狙ってできるもんじゃないだろ?」

 

「そんな事わかってるけど何か?」

 

「なら言うな」

 

「えぇ?だってねぇ?まさか、あの時馬鹿にされて逃げられた事に対して根に持ってなんていないもの。そんな事でちょっとばかり仕返ししてやろうなんてそんな事思ってないったら思ってない」

 

「...............絶対根に持ってやがる」

 

あの時というのはつい先日ここの生徒と問題を起こした時の事。

たまたまこっちの方に用があって来ていたのだが、その時にまぁ運悪く絡まれて乱闘をする羽目になったという訳。

別に数で群れるだけの雑魚だったから苦労する事はなかったが場所が場所なだけに問題だった。

ただ単に俺がサボっただけだったのだが、その日は普通に平日であり勿論ここも例外なく学校がある。

そう、ここの目の前で乱闘を起こしたためにこいつがすっ飛んできたという訳だ。

その時も今のように帰さないよ?という雰囲気だったのだが、流石に拘束されたりとかそういうのはない。

すでに乱闘をしているために言えないのだが、その時の俺はあまりおおごとにはしたくないという考えが強かった。

教師たちの姿も遠めに見えたので、こいつをどうにか巻いて逃げおおせたのだが、多分その逃げ方がまずかったのだろう。

 

あ!あんなところにUFOが!

 

と嘘こいてそれにまんまと(馬鹿馬鹿しい話だが)ひっかった隙にトンズラしたのだが、バーカと書いた紙を残したのもまずかったのかもしれない。

石油コンビナートが大火災で炎上しているところにニトログリセリンをぶちまけるくらいやばいことだったと今更後悔している。

反省はしていないけれども。

蒔いた種はもう元に戻らない訳であり。

 

「まぁ、私は心が広いからあの時のことは許してあげるけどもね?ほら、私って優しいじゃない?」

 

「...............あ、あんな所にUFOが(棒)」

 

「ッ!?どこっ!?」

 

「...............ぶっ」

 

「お姉ちゃん。言ったそばから...............」

 

「...............」

 

「...............」

 

「...............」

 

「死ねっ!馬に蹴られて死ねぇぇぇっ!あんたなんか死んでしまえっ!」

 

「痛ぇ!やめろ馬鹿野郎!」

 

試しにカマかけてみたら、長い沈黙の後のこの暴力である。

自分で言っといてまったく優しくないし、未だに根に持っているとしか思えないほどの怒りよう。

呆れを通り越し一回りして憧れすら抱いてしまいそうだ。

こいつの攻撃は女にしては重い方なのだが、怒りて単純になっているおかげで攻撃を見切りやすく、左手が自由にきかなくても十分にいなすことが出来た。

ただ、ペン類を投げるのはやめてほしい。

壁に根元近くまで突き刺さるとか正気の沙汰とは思えない。

跡を消すの大変だなとか言う前に殺す気かこいつ。

 

「流石にそれはやめてくれ。当たったら冗談じゃすまないだろ」

 

「じゃあこっちなら良い?」

 

俺にそう言って取り出したのはメリケンサック。

 

「いやそういう問題じゃねぇからな?」

 

「煩いわねぇ。かんちゃんを巻き込んだんだからこれくらいの罰は重んじて受けるべきじゃない?下手すればかんちゃんが大怪我をしていた可能性だってあったんだから」

 

「あー、それは悪かった。そこまで考え回んなかったよ」

 

言われてみればそうだったのかもしれない。

あの時はあの行動が一番確実だと思ったのだが、下手をすればいう通り惨事になっていたのかもしれない。

怯えてたゆえに振らないだろうと、むしろ触れないとタカをくくっていたが、よくよく考えれば素人が持つナイフが一番怖いという言葉を思い出した。

なんの心得もない素人だからこそ、何をしでかすかわからないという意味だが、まさしくそれだろう。

それに怖がらせてしまったのもまぎれもない事実であり。

 

「まぁ、あなたがどれだけかんちゃんのこと好いても私が絶対に許さないけどね」

 

...............だが、こいつの一言で全部を台無しにされてしまったのだが。

 

「いや、別に狙ってるとかそんなの悪いけどねぇよ。恋人とか、そんなつながりなんて必要ない」

 

「愛しのかんちゃんが可愛くないとでもいうのか!お前の目ん玉は節穴とでもいう訳!?」

 

「誰もそんなこと言ってねぇ!!」

 

「私が止めなかったらきっとかんちゃんは」

 

「お姉ちゃん!彼が私を助けてくれたの!だから、悪くないよ」

 

「...............え?」

 

はぁ?とでも言いたげな委員長の姉。

蔑んだ目線が痛いほど俺のことを貫いた。

 

...............良い加減胸ぐら掴む手をはなしてほしいんですけどねぇ?

息しづらくて苦しいんだけど。

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