The flower which has died   作:ミスターK

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書きたいこともかけないこんな世の中じゃ〜
こ、国語力がないだけ(震え声)←言い訳
感想待ってます。


5話

僕はやっていない。

いくら言っだとしてもこの先生たちは頑なに僕を悪者に仕立て上げようとする。

その一部始終を録画していた数馬君のビデオカメラを見せようとも意見は変えることはなく。

挙げ句の果てには偉そうに現れた相手の親でですら、自分の子供のことを棚に上げて批判してくる。

その結束の強さは組織的な結束を感じさせ、裏で賄賂でもあったのではないかと思えるほど。

大人は腐った自己利益にしか興味がない生き物だとは理解していたけど、改めてこうも目の前に存在するとなると呆れてくる。もちろん全員じゃないのは分かっているのだが。

とはいえ、僕一人がこんなことを言ったとしても何も変えられないのだから言う必要もない。

 

「黙ってないでなんかいいなさいよ!うちの子はお前のせいで怪我をしたのよ!?」

 

「訴えてやってもいいんだぞ!分かってんのか!?」

 

ずっと訴えてやる。

馬鹿の一つ覚えのようにそれしか言わない相手の親。それはなんだか壊れた機械のようにしか見えず、くだらないとしか思わない。

窓の外に広がる景色はとっくに日は暮れ、常闇が広がっている。

いつになったら終わるのだろうか。

弾君たちの親が心配しているはず。

そんなことくらいしか頭にはなく、とっくにくだらないことで喚く大人たちの話は入ってこなかった。

 

「ったくなんなのよこいつら...........」

 

リンさんも弾君も数馬君も。

未だ長く続いたこの集まりに疲労の色が見えていた。

この間もいたずらに無駄に流れていく時間の流れを止めたのは。

 

「ほぅ?訴えれるものなら訴えてみろよ貴様ら。一夏がやったという、はっきりとした証拠があるならだが、な」

 

「「「「「「ーーーーッ!!!??!???!?」」」」」」

 

織斑千冬さんだった。

普段からは考えられたいくらいきっちりとした身だしなみに、他者を問答無用で黙らせかねない覇気を纏って。

その顔には明らかな怒りの色が読み取れた。

 

 

 

 

敏則さんから一夏が暴力問題を起こしたと連絡があり、飛ぶようにして学校に来た。

電話越しで伝えられたことはただ一夏から手を出して友達と思わしき3人も加わり、無抵抗だった相手を怪我をさせた、と。

少なすぎると思ったのだが、敏則さん自体もそれだけしか伝えられず、早く来るようにと言われただけらしかった。

敏則さんの疑念を感じる物言い。そして伝えられた事実のあまりの少なさ。

そのことが明らかにおかしいと感じる。

一夏と知り合って暮らし始めてからまだ1ヶ月もたってはいない。

それでも暴力を、ましてや先に手を出すような子じゃないということくらい分かる。むしろ、逆にやられっぱなしになってしまうくらいな子だ。

だから、だったのだろうか。

 

「訴えやる!」

 

ドアを開けたとたん聞こえたそれのせいで、頭に血が上ってしまったのは。

 

「ほぅ?訴えれるものなら訴えてみろよ貴様ら。一夏がやったという、はっきりとした証拠があるならだが、な」

 

考えるのでもなく口からこんな言葉が溢れ出た。

どうやら私が来るとは思ってなかったらしく、この部屋にいる者全員が口を開閉するだけで言葉を失っていた。

電話に出たのが私じゃなかったのが一番なのだろう。なにせ、仕事の関係上直ぐ駆けつけられるとは限らないため、緊急連絡先は敏則さんのところにしていたからな。

まぁ、この状況では好都合だ。

 

「“私の弟”が先に手を出したみたいだな?証拠はあるのか?言ってみろ」

 

「...............あ、いや、その」

 

「あ、いやじゃわからないだろうが。貴様らその場に立ち会った訳じゃないんだろう?」

 

「は、はい...............」

 

「ほぅ?ならどいつが一夏から先に手を出したと言ったんだ?貴様らが見てないとなるなら証人が居るはずだ。ここにいる餓鬼どもか?」

 

親もが隣にいる餓鬼どもを指差す。

 

「...............」

 

ばつが悪そうにあからさまに私から目を背けて言い淀んだ。

こいつらは一夏を陥れる気だったんだろう。一夏を見る目がこの部屋に入ったときからずっとおかしいと思ったのだ。

見下すような、人を人と思っていない目。

その行動が感じていた疑念が確信へと変わった。

 

「どうなんだ。貴様が話さないというな力ずくで聞き出してやるがどうする」

 

「は、話しますので、暴力だけはどうにか」

 

「何が暴力だけは、だ?一夏には暴力を振るっておいて何を言う?ふざけたことを抜かすのも大概にしろ!」

 

ビビって動けない校長の顔面に拳を叩き込んだ。

ゴキャリという音と、骨が折れた感覚が直に伝わる。

鼻血をだらだらと流す校長はたったそれだけで、恐怖に震えなにもしなくなるが目をくれずに餓鬼どもに向き直る。

 

「一夏が先に手を出したみたいだな。どうなんだ本当のこと言ってみろ。もし、やってなかったなら、貴様らただでは済まさんぞ」

 

「っ!うちの子供に何を言うの!それでも大人!?」

 

「貴様に発言は許可していない。黙れ」

 

「ッ!?」

 

顔面蒼白になるのを見届けると手短にいた餓鬼を掴み上げた。

目尻には涙が溜まっていたが構わず言い放つ。

 

「ひぃ!?」

 

「どうなんだ。言ってみろ。貴様みたいな餓鬼などすぐにぶちのめせるがどうする?」

 

「ご、ごめんなさい.....」

 

「何がだ?謝ってるだけじゃわからないだろうが」

 

「俺らが先に、やったんだ。ゴメンなさい...........」

 

「証拠は?」

 

震えながらこの子供が指差した先には一代のビデオカメラがあった。

一夏の味方の子の誰かが使ったのだろうが、よくもまぁこんなものをもっていたな、と感心する。

おかげで助かるのだが。

子供を捕まえていた手を離すと、ビデオカメラの再生ボタンを押す。

 

「..............................」

 

 

 

ーー-ふざけんなテメェら!!俺のダチに手ェ出しやがって!覚悟しやがれ!!

 

 

再生した途端聞こえてくる怒声。

そして止めに入る子とうずくまる一夏。

教師や、餓鬼どもに説明させるよりも簡単に理解できる嘘偽りない事実が写っていた。

 

「...............ははっ」

 

思わず苦笑が漏れた。

呆れすら通り越した感情から溢れたもの。

それと同じくしてふつふつと抑えてきた怒りが溢れる。

落ち着かせようと大きく深呼吸をするもの、逆効果でしかなく大きくさせるだけ。

こいつらはここまではっきりとした証拠がありながら一夏を。

冷静でいられたのはそこまでだった。

 

「貴様らァ!それでも教師か!!!」

 

 

 

 

気が付いた時には顔面の骨が折れた教師と校長。そして倒れたままぴくりとも動かない大人とそのすすり泣く餓鬼ども。

部屋の中は来た時の綺麗さがなかっかのように無惨だった。

やりすぎたかもしれないが、すぎたことを悔やんでも仕方ない。

 

「一夏、帰ろうか」

 

「う、うん」

 

見ていて痛ましく感じるほどにひどい怪我をした一夏に手を貸す。

その時、小さな子犬を大事に抱えていたのに気づいたか、なにも言わないでおいた。

 

「ほら、お前たちも行くぞ?いつまでもくだらん場所にいる必要もないからな」

 

「あ、はい」

 

ずっと固まったままだった3人にも声を変えて学校の外へ。

空はいつの間にか黒く染まり星が輝いていた。夜の闇を照らす携帯の画面の時計は7時を少し過ぎた時間帯を表していた。

かなり時間を食ってしまったようだった。

 

「.........お前たち夜遅いから送っていこう。この時間帯は危ないからな」

 

「え!?マジっすか!」

 

最近は不審者の目撃も多いと聞くし、こんな時間に歩かせるわけにはいかない。

 

「あぁ、もちろんだ。一夏を助けてくれたお礼に、な」

 

「あざーす」

 

「悪いわね」

 

「サンキューおばちゃん!」

 

「..............................」

 

問答無用に赤髪の子供にゲンコツをかましておいた。

タメ口なこと自体は別に問題ではない。私自身が敬語を使うのが得意でないし、敬語で話されるのがあまり好きではないというのもある。

 

「いだっ!?」

 

「私はおばちゃんといわれるとじゃない...........!今年20歳になったばかりだッ!」

 

「あーあ、言わんこっちちゃない。そういうこと平気で言うからデリカシーが無いって言われんのよ」

 

「ザマァー!」

 

ちよっとやりすぎな気がしたが、おばちゃんといったのだからこれくらいは受け入れろと言い聞かせる。

女性に年齢関連の話はNGなのだ。

とはいえ成人したばかりの女が女性と言えるのかはよく分からないが、まぁ 気にしないでおこう。

 

 

 

 

「...........うわぁ」

 

「いい眺めだろう?ここは」

 

雑木林を抜けた先に見えた景色に一夏が感嘆の声を上げた。

あの後、五反田たちを送り届けると、夜遅くはあったが無理を言ってここまで連れて来させてもらった。

どうして連れてこようと思ったのはよく分からないが、取り敢えず連れてきて正解だったらしい。

 

「昔迷った時にたまたま見つけた場所なんだ。ここにいて人に会ったことはないから私以外知らないだろうな。それにまだ、誰にも教えたりもしていない」

 

「どうしてそんな所を僕に?」

 

「..........一夏の助けになれば。そう思ったからだ」

 

いまいち私のことが理解できていないようだった。

まぁ、いきなりこんな事を言われれば無理はない。

 

「ここを知ってから、何かあるといつもここに来てこの景色を眺めたものさ。ここで何もかも嫌なことを吐き出してた。私なりのやり方だから合わないかもしれないが、嫌なことがあればここで吐き出すといい。抱え込むよりよっぽどマシだ」

 

それ以上のことはなにも言わず、一夏も口を開くことはなかった。

いたずらに流れ行く時間を感じながら、目の前の景色をただ眺めた。

前見たのはいつのことだったか、こんな景色だったのだろうか。

そう思ってしまうほどにこの場所から足が離れ、記憶とは変わってしまったこの街を見たとき。

初めて知ったときからもう十数年間ものの月日が流れたのを理解してしまった。

林だったり山だった場所が切り開かれ、大型ショッピングセンターや総合病院が作られた。

次々と整備されていく高速道路の影響で様々な企業が進出してくることもあった。

月日とともに変わりゆく街をずっと見てきた。

それは自分の知っている街ではなくなっていくといく恐怖もあり、逆に便利になっていくという嬉しさも確かにあった。

たった十数年間でここまで変わってしまったなら、これから先この街はどうなってしまうのだろうか。

そんな疑問があった。

この街で産まれた訳では決してない。

だけれども確かにこの街で育ってきた。

ロクな思い出がなかった生まれ故郷とは違い、この街には沢山の思い出が詰まっている。

しかし、私個人の思いでどうこうできる問題ではないのはとっくに分かっていた。

この街は私だけのものではなく、この街にすむ皆んなのものだから。

これからのこの街のことを思うと、あの時感じたような複雑な想いが渦巻いていた。

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