魔弾の王と召喚師   作:先導光

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今回はカル、セリアサイドです。


召喚師の行方

うう・・・ここはどこ?

清潔なベッドで寝かされていたセリアは頭の割れるような痛みで目を覚ました。

確か・・・カルやグラデンス様と一緒にあのバカを探しに来て・・・それからどうなったんだっけ?

そこまで考えて頭がはっきりした。

そうよ!ユニット!!あの男が急にユニットを呼び出して・・・!

セリアは急いで起き上がり周りを確認する。セリアが寝かされていたのは白を基調としたどことなく高貴さを感じさせる部屋でセリアが寝ているベッド以外に小さめの机がありそこに武器以外のセリアの荷物があった。

だが、カルやグラデンスはそこにいなかった。

一体二人ともどこに・・・?

そう思った時静かに扉をノックする音がなり初老で侍従の身なりをした男が入ってきた。

 

「お目覚めでございますか?」

 

侍従は丁寧な口調で尋ねる。

 

「え、ええ。・・・あの・・・ここは一体・・・?」

 

セリアがそう尋ねると男は丁寧に答えた。

 

「ここはレグニーツァの公宮でございます。ここのお庭にあなたが倒れていらしたのでこのお部屋までお運びして侍女の者にご看病させました。」

「公宮!?ここには偉い方がいるんですか?」

 

セリアがそう尋ねると侍従は一瞬怪訝な顔になったが丁寧さを失わずに答えた。

 

「ここにはレグニーツァ公国が主にて【七戦姫】が一人であらせられるアレクサンドラ・アルシャーヴィン様がいらっしゃいます。」

 

セリアは七戦姫と言う聞きなれない言葉に興味を持ったもののここが一国の主の邸宅であると知り驚きを隠せなかった。

 

「つまり、王様の屋敷ってこと?どうしよう・・・?」

「・・・?」

 

セリアがそう呟き侍従が怪訝そうな顔をした時再び扉がノックされて別の侍従が現れた。

 

「失礼致します。お客人、アレクサンドラ様がお会いになるそうですのでお迎えに上がりました。」

 

セリアは思った。

全部あのバカの所為よ!もう・・・どうしよう・・・。

 

「わ、分かったわ。」

 

セリアはそう言うと立ち上がり侍従の後に続いた。

 

 

 

 

ててて・・・ここはどこだ?

カルは鈍い痛みで目を覚ます。カルは目を覚ますとすぐに周囲を見渡し自分の状況を確認する。

カルが寝かされているのは宿屋の一室らしく部屋にはベッドの他に小さな机がありそこにカルのハルバードと荷物があった。そしてベッドのそばには一人の金髪の女性が付き添っていた。

 

「目が覚めましたか?」

 

女性はカルにそう尋ねる。

 

「ああ。ーあんたが助けてくれたのか?」

 

カルがそう尋ねる。女性は頷いた。

 

「はい。ジャンヌと申し上げます。」

「ああ。俺はカルだ。よろしく。」

 

カルは微笑みながらそう言う。

 

「ところで何だが・・・。ここは?」

 

カルがそう尋ねるとジャンヌは答えた。

 

「ブリューヌ王国南方の土地アニエスです。」

 

ブリューヌ?と言うか人がいてちゃんと文化や生活も整っているのか?

カルは内心疑問に思ったが言葉にはせず尋ねた。

 

「俺はどうしてここに?」

「・・・実は昨夜ここに宿をとった後、お嬢様が少し散歩をなされたいと申されましたので共に外に出たらあなたが倒れていました。」

「お嬢様ってのは?」

 

カルがそう尋ねるとジャンヌは僅かに顔をこわばらせ答えようとした時部屋の扉が開かれ一人の金髪の少女が駆け込んできた。

 

「ジャンヌ!!」

「お嬢様?どうなされました?」

 

そのただならぬ様子にジャンヌが身をこわばらせえ尋ねる。

 

「あの者達がここへー!」

 

そう言った時、下から男の怒鳴り声がした。

 

「見つけたぞ!殺れ!」

 

下から騒がしい音が近づいてくる。カルは素早く立ち上がるとハルバードを手にする。

 

「お待ち下さい!何をなさるおつもりですか?」

 

ジャンヌが尋ねる。カルは微笑みを浮かべると言った。

 

「あんたたちは俺を助けてくれたろ?そんでもって今あんたたちは危険な状況じゃないか。なら恩返しってことだ。」

「なりません!お早くお逃げください!」

「そうだ。早く逃げろ。」

 

カルはそう言う。その時、4人の男達が剣を持って姿を現す。

 

「へへ。観念しやがれ!」

 

男の一人、リーダー格の男がそう言う。

 

「今、大人しくすればムオジネルに引き渡してやるだけで終わってやるぜ。」

 

リーダー格の男の後ろにいる男がそう言う。カルは静かに告げた。

 

「表へ出ろ。」

「あぁん!?なんだって?」

 

後ろにいる男がそう言う。

 

「表へ出ろって言ってんだよ!」

 

カルがそう怒鳴った時部屋を冷気が支配した。

この時期のブリューヌは冬で確かに寒い。が、しっかりと暖のとられた部屋が寒くなると言う異常事態とカルの迫力に気圧されて男達はカルに従った。

 

 

宿の外、住人がいなくなった大通りでカルたち3人と宿に侵入してきた男達とその仲間11人が対峙する。

 

「いまここから立ち去れば命は助けてやるが?」

 

カルが静かに尋ねるとリーダー格の男は叫んだ。

 

「この人数差に勝てると思ってんのか?バカめ!」

 

外に出て仲間と合流したことにより男は勝利を信じ疑わなかった。だが次の瞬間、男は自分の間違いを悟った。

 

「じゃあ・・・行くぜ!」

 

カルはそう言うが早いがハルバードを振り4人の男を一文字になぎ倒した。そうかと思えばすぐにまた4人の男が倒れたちまちのうちに半数以上の男を倒していた。

過信ーそれが男の犯した間違いだった。




次回はイェーガーサイドに入ります。
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