「さてと・・・。」
オージェとの面会の後、イェーガーは幕舎へと戻っていた。
というのも、ティグルとリムアリーシャはそれぞれ用事でおらず、外に出ればルーリックに出くわす可能性があるからだ。
うーん・・・。嫌いじゃないんだがなぁ。なんというか・・・苦手だ。
イェーガーは苦笑交じりにそう思った。
しかし…暇だな…。仕方が無い。少し外に出るか。
イェーガーがそう思って立ち上がり入り口に立った時、そばに置いてあった荷物が入った袋にぶつかってしまった。
「あらら…。」
イェーガーはため息混じりにそう言うとぶつかった拍子に中身が少し外に出た袋へと歩み寄る。
・・・?これは熊のぬいぐるみ・・・?誰がこんな物を・・・?
イェーガーは怪訝に思いながらぬいぐるみを袋に戻して-驚いた。
これは・・・!リーちゃんの荷物!?えっ!ま、まさか・・・!リーちゃんに意外な趣味が!?
驚いた後イェーガーは少しだけバツが悪くなった。
でもまあ…。趣味は人それぞれだよなー。俺も神話とか伝説の探求が趣味だし。
イェーガーのいるエルガイアでは神々との戦いの所為か人々の間で神話を探求するということはあまり無くあるとしてもやはり、イェーガーのような一部の召喚師だけであった。
イェーガーは袋を元の位置に戻して外に出た。
「ふーっ。」
予想外の発見にしばし呆然としたイェーガーだったがすぐに我に戻り外に出てため息を一つ吐く。
「イェーガー殿。ここにいましたか。」
そのイェーガーにいつのまにか帰って来ていたリムアリーシャが声をかける。
イェーガーはさっきの荷物の一件を思い出し少しバツが悪いように思ったがなんとか平静さを保ったままリムアリーシャを見る。
「どうした?」
「エレオノーラ様がキキーモラの館にて待つとのことです。出発しますよ。」
「ん?俺もか?」
イェーガーは意外そうに尋ねる。
ティグルは伯爵でリムアリーシャは副官だからともかく、一旅人でもある自分も呼ばれるとは予想外だったからだ。
するとリムアリーシャはいつもの無表情を崩さずに答えた。
「エレオノーラ様はあなたにお礼を申し上げたいようです。」
「え?」
イェーガーはますます話がわからなくなった。
お礼を言われるような事をした覚えが無いんだが・・・?
「よくわからないけど・・・わかった。すぐに準備を始めよう。」
イェーガーはそう言うと幕舎へと戻った。
うーん・・・お礼・・・ねぇ。
《ま、あの剣について聞いてみるチャンスじゃねぇの?》
ヴァルガスがそう言う。
・・・まあ、そうなんだが。
イェーガーは首をひねりながら準備をした。