魔弾の王と召喚師   作:先導光

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大変ながらくお待たせいたしました!
再開します!


戦姫二人

・・・国益を第一に、か・・・。また厄介な一言だな。

イェーガーが眉をしかめてそう思った時、ティグルが尋ねた。

 

「それがどう問題なんだ?普通のことじゃないのか?」

 

すると、エレンが苦笑した。

 

「お前には少し難しかったか。」

「ティグル、今回問題になるのは国益を第一にというところだ。」

 

イェーガーがティグルにそう言う。ティグルが首を捻り考えているとリムアリーシャがイェーガーに尋ねた。

 

「その様子ではイェーガー殿は理解してらっしゃるようですね?ティグルヴルムド卿にご説明お願いします。」

 

イェーガーはチラリとリムアリーシャを一瞥すると答えた。

 

「例えばジスタート国内でテナルディエと交流のあるジスタートの貴族がティグルに敵対する行動をとってもその貴族が国益になると考えたとでも言えば無罪放免って事だ。」

「・・・かなりの拡大解釈ですが、概ね間違いありません。」

 

イェーガーの一言をリムアリーシャが肯定するとティグルは顔をしかめた。

まあ、無理もないか。

そんなティグルを見てイェーガーはそう思った。

魔神やテナルディエのみならずジスタートの貴族まで相手だもんな。そりゃあ不安にもなるか。

 

「そのうち、すでに一人は敵だと断言できる。」

 

エレンがそう言うとリムアリーシャは思い当たったようで少し顔をしかめた。と、ほとんど同時に呼び鈴が鳴った。

 

「私が見て参ります。」

 

リムアリーシャがそう言って席を離れた。

 

「えーと・・・。エレンさん、敵ってのはどんな奴なんですか?」

 

イェーガーがそう聞くとエレンは心底嫌そうな顔をした。

その表情をみてイェーガーはふとルジーナと共にいる時のセリアの顔を思い出した。

アクラス召喚院第23魔神討伐部隊【スカイガーデン】リーダー。それがルジーナだ。見た目は小者臭が漂う若い男だが、実力は折り紙つきで性格さえ問題無ければ召喚院の中でもかなりの実力者と言えるだろう。そう、性格さえ良ければ・・・。セリアはこのルジーナが嫌いでもし鉢合わせすることになれば今のエレンと同じ表情をするだろう。

 

「我がライトメリッツ公国から南方に位置する国、オルミュッツ公国の主にして戦姫の一人だ。」

「・・・別の戦姫か。」

「そういえば・・・エレンさん。こいつを見てくれないか?」

 

イェーガーはそういうと袋の中身を取り出した。

それは野盗たちが着けていた鎧だった。

エレンはそれを繁々と観察すると苦々しげ呟いた。

 

「オルミュッツ製の甲冑だな。なぜこんなものが?」

 

エレンの疑問にティグルが答えた。

 

「実は俺達が倒した野盗が身に着けていたものなんだ。」

「・・・フン。やはりあいつは余程私たちの邪魔をしたいらしい。」

「あいつというのは戦姫か?」

 

ティグルが尋ねるとエレンが答えた。

 

「リュドミラ=ルリエという私と比べればどうということのない奴だがな。」

 

強い嫌悪感をあらわにしてエレンは答える。

 

「口を開けばやれ礼儀だの品性だのとやかましいくせに自分がジャムを持ち歩くのは嗜みだというジャガイモのような女だ。」

 

・・・どんな奴だ?

イェーガーが取り敢えずエレンがそのリュドミラなる人物を罵倒しているのだと理解した時扉が勢いよく開いた。

 

「誰がジャガイモですって!?」




次回はセリアパートです
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