開かれた扉の方にイェーガーが目をやるとそこには青い髪をした少女がいた。いかにも育ちが良さそうな雰囲気を醸し出しておりその佇まいはか弱い少女の雰囲気は無く、凛とした雰囲気を醸し出していた。そして、イェーガーの目はその少女が持つ短槍に向く。
あれは・・・。どう考えても普通の武器とは違うな。そして、さっきの発言・・・なるほど、この娘が戦姫リュドミラ=ルリエか。
イェーガーはエレンのジャガイモみたいだと言う話からルジーナの女性版を想像していたのだが、考えが外れてホッとしていた。その時、ティグルに腕をつつかれた。
「イェーガー、呼ばれてるぞ。」
「ん?そうか、これは失礼。」
イェーガーは悪びれる様子も無くそう言うとリュドミラはゴミを見るような目でイェーガーを見て言った。
「ふん、所詮は旅人あがりかしら。エレオノーラの元で働くくらいだからとんだボンクラね。」
・・・これは恐れ入った。一言で俺を怒らせるとはな。
イェーガーはリュドミラを冷たい目で見る。イェーガーの雰囲気が変わったのを察したのだろう。部屋がかつて無い緊張に包まれる。
イェーガーは口を開いた。
「あーらら。礼儀を弁えない子供如きにボンクラと言われるとは俺も焼きが回ったかな?」
「な、なんですって!?」
リュドミラが顔を赤くして怒鳴る。イェーガーは冷たい目を向けたまま答える。
「今度はヒステリックに叫ぶ、か。俺も大概ガキだが、あれほどでは無いな。」
「お前、誰に向かって口を聞いてるのか分かってるの!?」
「目の前の、生意気な子供にだが何か?」
イェーガーがそう言った時、リュドミラが小さくラヴィアスと呟く。主の求めに応じて短槍は穂先に氷の刃を顕現する。刃が顕現するや否やリュドミラはイェーガーに槍を突き出した。
あくびが出るな。
イェーガーはそう思うと槍の柄を素手で掴んで自分の前で槍を止めた。
リュドミラの表情が驚愕に彩られる。イェーガーは冷たい視線に本気の殺気を込めて言った。
「ガキが、俺を見くびるな。」
リュドミラの表情が青くなる。それほどまでにイェーガーの殺気は強烈だったのだ。だがその時、イェーガーが予想にもしない声がした。
「おーおー、怖い顔だねー。思わず、助けを呼びたくなっちまうぜ。なーイェーガーさんよー!」
その瞬間、今度はイェーガーの表情が驚愕そのものに包まれる。イェーガーは入り口に目をやるとそこには緑色の短髪で、小物臭漂う男がいた。
「おいおい、まさかてめー。俺様の事を忘れたんじゃ無いんだろうなー。この超絶最強召喚師のルジーナ様の事をよ!」