リムアリーシャとティグルは戦慄していた。唐突に目の前に現れた『
「これが・・・魔神!なんて力だ!対峙しているだけなのにプレッシャーがびしびし伝わってくる!」
ティグルはそう言うと弓を構える。
「これは・・・我々の手に負える相手では無さそうです。しかし、すんなり逃してくれるとも思えない。・・・くっ、やるしかないようです。」
リムアリーシャも覚悟を決めて剣を構える。
「行くぞ!人間よ!」
クロフォードはそう言うと右手の斧を振り下ろす。
ティグルとリムアリーシャは左右に分かれその一撃を避ける。ティグルは弓を引き絞り狙いを定めて放った。
矢はクロフォードの目へと向かう。
当たれ・・・!
その願いむなしく、矢はクロフォードに到達する前に消滅した。
「無駄よ。無駄!」
クロフォードが叫ぶ。
く!このままではマズイ!
ティグルがそう思った時クロフォードが槍を横薙ぎに振った。
反射的にリムアリーシャがその一撃を剣で止めようとする。だが、剣が槍に当たった瞬間剣はあっさりと折れ槍はリムアリーシャを襲った。
「リム!」
ティグルが懸念の叫びをあげる。
だが、リムアリーシャは至って冷静であった。彼女の狙いは初めから槍を防ぐ事では無かったのだ。リムアリーシャは体を反らし槍を避けると隠し持っていた短剣をクロフォードに突き立てる。短剣はクロフォードの胸ーー人で言うならば心臓がある位置を貫いた。
やった!
ティグルがそう思った時、クロフォードは邪悪に嗤った。
「何かしたのかな?人間よ。」
リムアリーシャが驚きに目を見開く。と、同時に短剣を素早く手放し距離をとった。その刹那、クロフォードから衝撃波が放たれる。リムアリーシャはその衝撃波を避けきれずーー吹き飛ばされた。
「リム!!」
ティグルは叫ぶと吹き飛ばされたリムアリーシャを受け止めた。リムアリーシャの体のあちこちから出血が見られ骨は何本か折れているようであった。だが、距離をとったおかげか致命傷では無いようだ。
クロフォードの胸に突き刺さった短剣がクロフォードの体に飲み込まれていく。
「哀れな人間よ。所詮、我の敵では無いという事か。」
クロフォードが哀れむようにそう言う。ティグルはクロフォードを睨みつける。
だが、睨むだけで何もしなかった。いや、思いつかなかったのだ。この絶望的状況を覆す策を、状況を好転させれるような一手を。
これが・・・魔神の力。俺たちでどうこうできる敵じゃ無い・・・!これまでか・・・。せめて、リムだけでも逃がしたいところだが。
そこまで考えたところでクロフォードが斧を振り上げる。
「消えよ!愚かな人間よ!」
ティグルが覚悟を決めた時、辺りを冷気が支配した。
そして、静かなーーしかし、凛とした声が聞こえた。
「『
そして、空から迫ってくる強大な力の気配。
これは・・・一体!?
「『
すると巨大な氷塊が空から落下しクロフォードを襲った。
「何!?」
さすがのクロフォードも慌てた声を出し斧を振り下ろし氷塊を打ち砕く。
「『
それと同時にティグルの耳に聞き覚えのある声が聞こえた。
あれは!
ティグルが空を見上げる。すると丁度クロフォードを破壊の意思を帯びた風の塊が襲うところであった。
「フン!小賢しい真似を!」
クロフォードはそう叫び槍を振るい風の塊を消す。
「ハッ!これが本命だよ!『
聞き覚えのある声がし、クロフォードを無数の岩が襲う。
岩を避けきれずクロフォードは岩の下敷きとなった。
ティグルとリムアリーシャの前に三人の人間ーーエレン、リュドミラ、ルジーナが降り立つ。
「へっ!てめえみたいな魔神はこの超絶最強召喚師、ルジーナ様の敵じゃねえんだよ!」
イェーガー「出番まだかなあ。」