「GYAOOOO!!」
炎を振り払ったダリマオンは突然現れたヴァルガスを見つけ睨みつけた。
「へっ。なかなかに楽しめそうだな。」
「ヴァルガス、甘く見るなよ。あいつはダンデルガの炎を吸収したんだぞ。忘れたのか?」
「へぇ。そいつはすごい。」
ヴァルガスがちっともすごいと思ってない声でそう言う。ダリマオンがゲヘナブレスを吹き襲いかかってくる。
「『
イェーガーが叫びながらトゥル・アンファンを振ると地面から闇と光が現れゲヘナブレスを包み込み消し去った。
それを見たヴァルガスは翼をはためかせ飛んだ。
「お前も忘れたか?」
ヴァルガスがダンデルガを振り上げながらイェーガーに言う。
「俺の炎はお前の炎より強いって事を。」
ヴァルガスはニヤリと笑いそう言うとダンデルガを振り下ろしながら叫んだ。
「
ダンデルガはダリマオンの右翼を切り裂き大地に下ろされた時、火柱が上がりダリマオンを襲った。
ダリマオンは再び、炎を吸収しようとして失敗し、炎に焼かれた。
「竜の翼が切れた・・・!」
リムアリーシャが絶句する。そのそばにイェーガーが戻ってくる。
「やばいだろ。あいつの力。」
「・・・イェーガー殿。あなたは一体何者ですか?」
リムアリーシャは人間離れした状況でもイェーガーにそれを問いただした。
「・・・そうだな。もう隠せないし話してもいいだろ。」
イェーガーはそう独りごちるとヴァルガスの戦いを見ながらリムアリーシャにこういった。
「リムアリーシャさん。あんたは異世界、てのを信じるか?」
「・・・あなたがそこから来たとでも?」
そう返すリムアリーシャの声はひどく冷たかった。だがイェーガーは意に介さず頷いた。
「そうだ。」
「・・・冗談や嘘の類ではなさそうですね。」
リムアリーシャがそう言う。
「この世界にはどこかにゲート、と言う世界と世界を繋ぐ扉があるんだ。」
「あなたはそれを通って来たと?」
「ん。平たく言えばそゆこと。」
イェーガーはなんでもないかのようにそう言う。
「ゲートが出てきたらそこにある世界が危険かどうか調査しなければならないんだ。危険ならこっち・・・つまり俺の世界に来れないように防衛措置を取らなきゃならないからな。そんで、そこを調査するのが召喚師だ。」
「召喚師とはあなたのような人をさすのですか?」
「まあ・・・そうだな。」
「・・・ひとつお聞きしたいのですが。」
リムアリーシャが尋ねる。
「どうして、初めからあの方を呼ばなかったのですか?」
あの方と言うのはヴァルガスだ。イェーガーは我が意を得たりと言う顔をした。おそらく、その質問が来ることを予想していたのだろう。
「ヴァルガスを呼び出した力は召喚術って言ってな。第三者から見たら援軍を呼び出せる便利な術に見える。けどな、やっぱデメリットはあるんだわ。」
「デメリット?」
イェーガーはニヤリと笑いこういった。
「呼び出している間は余り戦えないし、ヴァルガスには制限時間がある。」
「制限時間・・・ですか?」
「だいたい5分ってとこだ。」
そこまで言った時ヴァルガスが叫んだ。
「おい!イェーガー!時間がやべぇ!決めるぞ!」
「了解だ。」
イェーガーはそう言うとヴァルガスの隣に並び立った。
「『煌めく炎よ、絶望の闇よ、包み込む光よ、我らが敵を狙い穿ち逃れる術もないまま葬り去れ!』」
「食らえ!合成技!『
イェーガーとヴァルガスはほぼ同時に剣を振り下ろした。すると、闇と光が合わさり一つの大きな炎となり、ダリマオンに襲いかかった。
「GYAOOOO!」
ダリマオンが最後の抵抗と言わんばかりにゲヘナブレスを放ったが炎はそれを消しとばしダリマオンを焼いた。
周囲にダリマオンの壮絶な叫び声に包まれた。そして、炎が消えた時、ダリマオンの姿は無く周囲を覆っていた炎も消えていた。
兵士の歓声が響き渡ると同時に、イェーガーはその場に倒れた。
「イェーガー殿!」
リムアリーシャが駆け寄り抱きかかえる。イェーガーは意識を失っていたがその手にはトゥル・アルファンとダンデルガが握られていた。
モルザイム平原の戦いは戦姫エレオノーラ及びティグルが率いるジスタート軍の勝利に終わった。テナルディエ軍総指揮官ザイアン・テナルディエはティグル及びエレオノーラによって飛竜ごと落とされ戦死。テナルディエは跡継ぎと2頭の竜を失う大損害を被った。
イェーガーは意識を失い2日間眠り続けた。
こうしてモルザイム平原の戦いは終結したがこれは大きな戦いの一角にすぎなかった・・・。