無事にメロンパン入れが敗北しておそらく素材になってからしばらく。未だ昏睡状態のつみきちゃんをよそに、恵くんと私は無事に高専へと入学を果たしていた。
東京都内にありながらも結界術の活用やその他色々によりいい感じに村レベルで広く完成しているそこに住む事になり、寮で住むが故にあの3人で過ごした家は誰も居なくなり。まぁつみきちゃんの件で何もまともに答えなかったせいで恵くんとの仲は最悪レベルに落ち込んでいたわけだが。
「はーい、入学おめでとー! とりあえず他に1人入学する予定だけど、とりあえずしばらくは2人だから頑張ってね。あ、恵はとりあえず早速だけど3年の進藤と任務に行ってもらうから」
特に空気を読まないさとるくんの手で早速教室で2人きりの状況が作られる。じゃねーじゃねぇんだよな原作で見た事もない感じのパッとしないやつが困ってたじゃんね。死相でてたっぽいけどまぁええか。
「くすくす♡ 2人っきり、ですねぇ♡」
「まぁ人数少ないからねー。僕も後進の為に心を鬼にして任務に行ってもらってるから」
サボりの口実にしか聞こえないタイプの戯言だが、まぁついこの間レベルで元親友をメロンパン入れにしてやったわけで、多少なりと初心に戻った感じはある。あるのだが。
「もー♡ さとるくんったらじーっと見てばっかりでえっちなんだぁ♡」
「い、いや別にそんな目では見てないけど!?」
グラサン越しでも別に視線感知位なら出来るわけで。まぁ制服姿というよりはかなり改造した白黒基調の汎用地雷系デザインアドシスターの胸部強調スタイルなので、やっと思春期のさとるくんには刺激が強かった可能性はある。
「あっ♡ そういえばぁ♡ さとるくんって呼ぶのと、せんせって呼ぶの、どっちがいいかなぁ♡」
「別にどっちだっていいんじゃない? ごじょせん〜とかみんな言ってたりするし」
「ふぅん♡ でもぉ♡ いたいけな生徒と2人っきりでぇ♡ こうやって教室でせんせっ♡ って呼ばれるのぉ♡ なんだかインモラルだと思わないかなぁ♡ それともやっぱりぃ♡ さとるくんってこういう風に呼ばれる方がぁ♡ 好きだったりするぅ?」
「ぐっ」
ッドルッキングガイを自称する割に色仕掛け耐性が低すぎるの、あまりにも哀れな存在だと思わんかね? いやまぁ側から見れば未成年の教え子に欲情するアラサー教師なので完全にアウトだと思うのだが。
「まぁほら、幸ももうすぐ五条になるからごじょせんっていうのはちょっと変かもね」
「ならないが?」
普通に声出た。こいつの中ではハッピーバラ色ライフでも見えているのだろうか? いやまぁ役所に届け出る用の書類をまだ勝手に出されていないので辛うじてセーフかもしれないが、それはそれとして普通に半分以上記載された婚姻届渡されるのきっしょってなるよな。
「ほらぁ、私より弱いガキっぽい人って受け入れられないのでぇ……」
「じゃあ良いじゃん。断然大人な上にもう僕の方が強いし」
「うわぁ♡ 根拠のない自信♡ 現実の見えてなさがまだまだお子様♡」
「いいよ、手合わせしよっか。僕が勝ったら結婚してもらうからね」
「勝てたなら別に良いですよぉ♡」
「っしゃ言質! はい縛り! ほら、じゃあ表でなよ」
びっくりした。一瞬自分の中からの声かと思った。なんだろう、特級クラスで愛云々言うやつはそうなる呪いでもあるのか? 今はもう
結界で隠された高さ50mの柱の上に広がるフィールド(勝手に建てた。日照とかは阻害しないので許された)にお互いすぐに移動して。愛ほど歪んだ云々という話であれば、開始前からだいぶ呪われている気もするが、まぁ気にせずに存分に呪い合おう。
「「『『反転領域』』」」
小手調べ、などお互いにする必要もない。どうせ手加減なぞしようがしまいが大差は無いだろう。アリにとってゾウが大きいか小さいかなど大差なく、極論怪獣だろうが差は無いのだから。
「へぇ♡ すごぉい♡ ちゃんと動けるんだぁ♡」
「ぐっ、こうなるんだ……まぁ僕が勝つけど」
お互いに、術理は異なるままに世界から外れて。時間軸が意味を成さず、静止しながらに動いている五条悟と静止した時間軸で動く私の会話は成立する。
「僕の無下限は知っているだろうけど、今の僕は自分自身の中の無限を自己と同一化させてる。重さ、速さ、硬さ……あらゆる全てが無限になり、1つ上の次元に立つが故に大抵の術式はそもそも効果がない……んだけどな」
「くすくす♡ 術式の開示までして勝ちたいんだぁ♡ せっかく開示したのに大してバフが掛からないし、どうして世界が止まったみたいに見えるままなのか分からなくてかわいそぉ♡」
いやまぁだいぶふざけた事をされているのだが。シュライバーだって静止するレベルの術理に、効きません無限なのでなどという暴論で入り込んで来るのはふざけている以外のセリフが出てこないだろう。クソ野郎がよぉ。
別に同じタイプのスタンドでもないくせに止まった時の中で動かれているが、別にコイツは自分の術式で時止めとか出来るわけではなくて私がそうしているが故に生まれた軸に乗っているだけ。そう理解はしても理不尽だという気持ちにはなる。適応も持っていまいに良く処理するよ。
「こうやって対等の
「さとるくんってばつまらない冗談なんだぁ♡ この程度で対等だなんておっかしぃ♡」
歩を進める。互いの距離が縮まり、手の届く距離へ。……いやまぁリーチの差で私の手は届かないうちにコイツの手が届くようになるのだが。しなるようなジャブはしかし、掠っただけで粉微塵となる脅威であり。
「えいっ♡」
「うおっ」
その衝撃を、そっくりそのまま伸びた肘へと流し込んでやる。流石にポッキリと折れる事は無かったものの、己の攻撃であれば当然効果はあり。逆にいえば現状どれほどの出力で呪力による強化をしても、私のパワーではダメージが入る事は無い。
「流石だね、……いや、簡単に流しそうになったけどおかしいよね? 何をどうすればそんな事になるのさ」
「人間の可能性というやつだよぉ♡ 修練さえすれば誰だって出来るはずだしぃ♡ 人間舐めたらダメだよぉ♡」
「いや、幸以外には不可能だと思うよ」
まぁ地球に流せば良くて東京が更地になりかねないので、本人に返すか自分で引き受けるしか無いのだが。その点投射呪法があれば再現可能なのでワイくんにも可能ではある。過大なエネルギーではち切れなければ。あとはミゲルとかに一生懸命頑張らせれば出来るんじゃ無いかなぁ。
一々『がこん』などと言わない転輪の回転は膨大なエネルギーの操作により心なしか速度を増し。それでも真正面から受け止めようと思ったら3〜4桁は殴られて適応しなければ無理だろう。誰だこんな化物を生んだのは。
「くすくす♡ さとるくんの得意な格闘では全部返されてぇ♡ 術式の撃ち合いでは前と大差はなくってぇ♡ 時間が有利なのは私だけだねぇ♡」
「くっ……」
私は損耗なく世界から外れ続ける事が可能であるが、さとるくんの方は今もガリガリと色々なものが削れていっている。無限と無限の争いであればもう一回無限を掛けれる方が強いって遊戯王のアニオリドーマ編で履修するべきだったなぁ?
「だったらその前に通せれば僕の勝ちでしょ!」
「くすくす♡ さとるくんに出来るかなぁ♡ ほらいっちにっ♡ いっちにっ♡」
ボクシング、サバット、カポエラ……なんだか知らんがよく分からないそれっぽい感じの格闘技から純粋なセンス任せの暴力までオンパレード。コイツまともに当てたらこっちがチリになるって理解してないんじゃ無いだろうな……仕方ない。
「よいっ……しょ♡」
「う"っ」
最も火力が高そうな踵落としのカウンターをゴールデンボールに全て叩き込む。胴体に逃す事も無しに伝わった感触は確実な破裂。うへぇ、痛そう。理解出来る痛みの究極系みたいなものだろうし、呼吸も止まって仕方ないんじゃないだろうか。
あまりのダメージに無限を維持出来ずに固まっていくさとるくんに対して、前と同じように跪いてもらってから。その頭にきちんと靴を脱いでから足を乗せて、どっちが勝者であるかを刻み込み。
「あーあ♡ さとるくんが勝ててたらお嫁さんだったのにねぇ♡ 半分位しか生きてない女の子に跪いてぇ♡ 頭まで踏まれて情けなぁい♡ ほぉら、ふみふみ〜♡ 床なめしちゃえ♡ 無様に屈服しろ♡」
「ぐぅ……へ、変になる……」
安心しろよ、教え子の少女に求婚してる時点で変態だから。ま、所詮こんなもんよな。現代最強でこれなら、完全不意打ちでクソゲー概念バトルでもされなければ大丈夫そうだ。
なお恵くんは裏で先輩の死に立ち会っていた模様。ひでぇ話ですね