TS転生特級術師 伏黒幸   作:莠給

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原作ブレイクのお時間です

 なんて事はない2級案件(・・・・・・・・・・・)に同級生が向かった同時刻、私は全国で何件か発生したという特級案件に向かわされていた。とはいえ跳ぶ、囲う、祓うの3行程でしかないそれにどれほど時間が掛かるかといえば大したことはなく。

 

 よって、事態の黒幕の所への繋がりを辿っていくのも別に大した事ではない。いや、急にそんなあからさまな誘導をされれば文句の1つも言うべきだろう。

 

「というわけなんだけどぉ♡ 土下座さんの事はなんて呼べば良いのかなぁ?」

「まいったね……夏油傑でお願いするよ、伏黒幸」

「おい夏油、なんだこの小娘は」

 

 コスプレにしても大分な袈裟は変わらずに、額に縫い目だけ増やした夏油傑の尊厳破壊姿と、瞬間湯沸かし器お歯黒火山のペアを見つけたのは市街地の中心から少し離れた公園。

 

 千里眼のような遠隔視のディスプレイは呪霊か結界術の応用か。これは宿儺の指を起点にしているのか? 領域となった少年院の中、何人かの人間が縊り殺されるスプラッタが放送中。

 

「うわぁ♡ 趣味わるぅ♡ こんなもの見せる為に呼んでるとかだったら最悪だよぉ?」

「誤解だとも。というか別に君を呼びつけたつもりは無かったんだけどね」

「あっちに行かないで欲しいってあからさまな事すればぁ♡ 来て欲しいのかなぁって思うよねぇ♡」

「おい! 儂を無視するな!」

 

 視界が炎に包まれる。別に温度が高かろうが酸素が無くなろうが何も問題は無いのだが、流石特級呪霊。適応するまでに服の裾が煤で汚れてしまった。

 

「痴呆老人の癇癪だと思って一回は見逃してあげるけど、別に今すぐ消しても良いんだよ?」

「! 馬鹿な、確かに燃やした筈……」

「漏瑚、今すぐに頭を下げた方が良い。これは助言だ」

「ちっ、やはり呪術師か。これだから人間は……」

 

 未だ血気盛んな、というか血煙沸き立ちそうな漏瑚だったが、ぼとり、と頭が物理的に位置を下げる。喜べよ、特に殺す気の無い一撃だぞ。

 

「そんなに下げてくれるならまぁ許してあげるねぇ♡ なぁんて。で、夏油傑の方は協力相手選んだ方が良いんじゃない? こんな燃え滓今のさとるくん相手だと5秒も持たずに祓われちゃうよ?」

「はは、そう言わないでくれ。これでも特級呪霊なんだ」

 

 極論真人だけ取り込めれば良い癖に、ついでに高専の襲撃や時間稼ぎの駒に便利だからと良い顔している縫い目。まぁ忙しすぎて猫の手も借りたいだろうしな。

 

 猫の手よりは物騒なサッカーボールにジョブチェンジしたゴミを取り込んでも、真人にバレて上手く成長を促して操れないから一旦は自由にさせておくのかな。案外可能性を見出しているのかもしれないけど。

 

「違う、我々こそが本物の人間だ! 嘘の無い感情から生まれた我々こそが真の人間に相応しい! 騙したなぁ夏油!」

「よくみてくれ漏瑚、私としても完全に誤算だよ。でなければ土下座してる筈無いだろう」

 

 ドゥーちゃんみたいな事言うじゃんね。ニュータイプでも人間でも勝手に思っていれば良いと思うが、人間を名乗るには浅いんだよなぁ。多面性を持ち他者との間に存在するものこそが人間だろうに。一面だけを持った純粋性を持ち出されても、はぁ、それで? としかならない。

 

「今回は単に宿儺の実力を彼に見せたかっただけなんだ。君が居たら出るまでも無いだろう? だから来ないよう多少小細工をしただけで本当に呼ぶ気も害意も無かったんだ」

「それって同い年の中から1人だけハブにして良い理由になる? ならなくない?」

 

 しゅっしゅとエアーでジャブの真似をする。若人の青春を何人も邪魔してはいけないらしいので、逆説的に今許されない事してるけど。

 

「OK、全面的に私が悪かったよ。仕方ないから漏瑚はそこの桜の木の下に埋めてもらって構わない」

「しょうがないにゃぁ♡」

「おいっ! 貴様らっ!」

 

 未だ消失していない首から下を逆さまに地面に突き刺して、それっぽい光景が出来たので2人で笑っておく。即座に売り飛ばしてネタにするの、まぁ普通に面白いな。

 

「さて漏瑚、後で話す予定だったんだけど、君達の目的が人類に成り変わる……あるいは君の言う偽物の人間を駆逐する事だとして、解決しなきゃいけない問題が2つ、解決できるかわからないけど出来なきゃ全滅するだけの問題が一つある」

 

 はーやれやれと膝を払って頭を拾う縫い目。

 

「前者は五条悟の封印と虎杖悠仁、宿儺をこちら側に引き込む事。後者は今ここに居る伏黒幸をどうにかする事だよ」

「ふぅん? どうにかするつもりなんだぁ♡」

「言葉狩りだよ。どうにもならないからなんとか見逃して貰うってだけというか、五条悟よりはこちら側に近いから笑って見過ごして貰うって感じかな」

「……確かに、何をしたのか分からんが儂をして勝てぬ相手か……」

 

 戦績悪いだけで上位陣のボールが納得している。今のさとるくんならバリアの方じゃ無くても私と同じで無傷になると思うぞ? 領域展開されて必中で喰らっても無傷。すっくんも勝てないだろアレ。

 

「で、説得力を出す為にまずは宿儺を……おっと、どうやら来たようだ」

 

 ディスプレイの中で見える人影が3つ。邪魔な犬の排除をしている間に1番か弱い存在は他の呪霊が持っていったが、残りの2人は視界に捉えて。

 

「上手く出て来てくれると嬉し……あれ、もう変わったのか?」

 

 そういえばすっくん、指集めに協力するって言ってたな……隣に恵くんが居るのに全然こっちに向かって来てて笑う。いや、割とホラーの視点か? スプラッタしてた視点人物が強大な呪いに襲われるって考えると一旦ホラーか。

 

「はは、指2本の時点で特級相当の呪霊がぼこぼこだよ。笑っちゃうよねー!」

 

 まぁ単純に指1本分と2本分でバトルしたらそうなるでしょ。元になった呪霊? 今小数点以下の話してないから。

 

 挙句領域展開まで見せた上でさっさと引っ込むすっくん。あれぇ……? 記憶が確かならここで普通に恵くん襲って死亡(死んで無い)するんじゃ無かった……?

 

「ふむ……確かに宿儺の実力も、貴様が我々と手を結ぼうとしていたのも分かった……が、時と場所を改め、他の者も呼び話をするにしても、そこの小娘は抜きだぞ!」

「だから別に呼ぶ気は無かったってば。でもまぁこうして遭遇してみて、どうしようも無いのは理解出来ただろう? なんなら今から君含めて見逃して貰う為の命乞いする必要があるんだぞぉ?」

「……は?」

「くすくす♡ 呼びつけた分といきなり服を汚された分はさっき頭下げて貰ったけどぉ♡ 別に明日を迎えたいならそれ相応の態度っていうのがあるよねぇ♡」

 

 とりあえず唐傘で漏瑚ヘッドが面白い声上げながら一生縦回転していたのが面白かったので今回は及第点をあげよう。精進しろよな。




漏瑚さんの五条悟襲撃がオミットされました。これにより高専側が特級呪霊に気がつくのが遅くなります。
虎杖悠仁が普通に生存している上にすっくんへの認識が悪化していません。なんだかんだ口が悪いだけでツンデレなのかとか思っています。
恵くん、のばらちゃんの強さへの渇望がダウンしました。でも先輩のしごきは大して変わらないので元々のイカれ具合に応じて普通に強くなります。恵くんさぁ……
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