『うちの信徒達が大変申し訳ありません』
女神様が謝ったー!?
めちゃくちゃ大事件である。
届くのは声だけであるが、頭を下げたのがわかるめちゃくちゃ申し訳なさそうな声だった。神様に何やらせてんだ異世界人。
「事情をお聞かせいただいてもいいでしょうか? なぜ生贄を……」
『はい。実は、それは単に戦争や襲撃逃げ場がなくて緊急避難しただけです』
「はぁ。生贄ですらないと」
『そうです。そして、彼らは召喚できなければ送り込めばいいと気付いてしまったのです。流石に侵略行為は許さないので送還呪文は許可しなかったのですが、報酬を捧げる、という処理なら判別は貴方が行う上、転生中は反応できないのを気付かれてしまって……。時折消える魔物は勇者様が貰っているらしい。ならば勇者に贈れるのではと……』
「なんならいいことしてあげてるつもりだ、と」
『はい……。私の事も邪神として無視しはじめています……』
うーん終わっている。
「召喚魔法を使う際に、ことの経緯はわかるんですよね?」
『はい。求める報酬とそのリストと召喚可能になるまでの量も読める書面にして用意できるようになってます……。本当は止めたかったのですが、貴方に無断でシステムを帰るわけにはいかず……』
「とりあえず、魔物と人間は受け取り拒否です。あと、毒物とかゴミとかも」
『設定できるシステムを授けます』
「仕返ししたい。そりゃ素材も利用はするけど、こっちは好意で魔物退治続行してるんやぞ……ことの経緯と私からのメッセージを大画面で上映って出来ます? あと、魔物の処分はするんでダンジョンコアの空間の強度を戦闘に耐えれるくらいあげるのと、すでに送られた魔物の慰謝料を報酬の残高に追加でお願いします」
『次に魔王が現れた時に払いきれない金額になってしまいますが……』
「流石に滅ぶ前には手助けできるよう、手回ししてください。でも、痛い目見たほうがいいです。散々追い詰められて、最後の最後、女神様に謝って縋ってようやく全滅は免れる程度の手助けくらいでいいです。流石に自業自得です」
『しかし……』
「しかし?」
『今際の際に謝るでしょうか……』
「今もほんのり女神教ありますけど、私がガッツリ女神教を起こすので、いかがですか?」
『それでも、私は信徒達を信じたいのです……』
「はぁ。彼らの感想だけ気になるので送ってください。また何かあればいつでも連絡欲しいです。とりあえず、魔物の処分と女神教を……実際に加護のある女神様の教団今起こしたらめっちゃ収穫されるじゃん……。すみません女神様、自衛できるくらいになるまで女神教団待っててください……」
『いいのですよ。本来はあちらの世界に勇者の血筋をばら撒きたかったのですが……』
「あんな精神性の人間に力を与えるのは怖いですよ。あっちの嫁は欲しくないです。こっちでも大変なのに」
『はぁ……。反論できないのが悲しいですね。では、一年後に連絡いたしましょう』
「了解です」
『そうだ。状況が状況ですので、貴方を転生させる前、貴方の兄に記憶の加護を与えておきました。水晶は前世の凄腕退魔師の記憶を持っています』
「おお! それで幼いのにしっかりしてたんですね! ありがとうございます、女神様!! それでは早速今後について相談します!」
うーんお排泄物ですわー。
嫁を押し付けられてたから生贄って女の子達かと思ってたけど、違ったんじゃん……。えっまって薬草一本すらお礼によこさないってやばすぎない?
まあいい。あっちが不誠実なら不誠実なほど、その負債は女神様が補填してくれるのだ。私に損はない。
今は水晶の事が大事である。前世の記憶があるならかなり頼れるな。
早速お話ししよう。
私は一日ガッツリ水晶に時間をとってもらった。
「何かな、瑠璃」
「水晶様は、異界の女神様をご存知ですか?」
なお、当主なので兄といえど様付である。
「幻惑魔法を与えてくれてる女神様だよね」
「そうです。その女神様と昨夜話しました」
「どんな話をしたのかな?」
戸惑った末に、そう問う。頭ごなしに否定しないだけでも嬉しい。
「水晶様の前世の記憶を蘇らせておいたと」
「!! まさか、君も前世の記憶を?」
「はい。私の前世は輪廻。前前世は勇者です」
「輪廻だというならば、いくつか質問しようか。一番好きなものは?」
「ええ? 色々あるなぁ。とりあえず、今食べたいのは茹でスライムの刺身かな。ツルツルして、ぷにぷにして喉越しが良くて濃厚で……。意外に、輝羅のスライムの方が食事制限してて美味しかったよね。ゴールデンスライムが最高だった」
「ジュエルくん、逃げたんじゃなくて君が食べたのかい? 私のスライムと琥珀のスライムとの間にできためちゃくちゃ可愛いジュエルくんを?」
「えっ 名前つけてたの」
私は水晶(輝羅)にめっちゃお尻ぺんぺんされた。時効! もう時効だってばぁ!!!
「まあでも輪廻がいてくれてよかったよ。いないよりはマシだよね」
「ひどい言い草!」
「私も君も政治はダメダメで全部琥珀にやってもらってたじゃないか。両方一般人育ちだろう?」
「まあそうね」
「そうなると、当主は君の方がいいね。霊力が操れなくなったってのもブラフ?」
「もちろん。マイエリアも揃ってるし、アイテムも復活してるよ」
「アイテムも!?」
「そういう契約を女神様と結んでるんだよ。ダンジョンで魔物退治しなきゃだけど」
「手伝うよ。君が大人になるまで風除けもする。2人で頑張ろう。もちろん私も、霊力は秘匿してるよ」
「流石。頑張ろう!!」
「その代わり、次期当主は君が産んでよね。私は琥珀以外にされたくないんだよ。するのはいいけどね」
「りょうかーい。お嫁さん娶ってくれるだけでも嬉しい。私も琥珀みたいな人と出会えるかわからないけど、お家復興のためだし、頑張るよ。というか上澄だとお嫁さんとして攫われちゃうから、霊力さえあれば最悪一般出でもいいかな。私たちより立場弱い人を狙っていこう」
「君がそれでいいならそうしよう」
お家復興大作戦、開始である。
まずは人との交流を始めるところから!
今まで、身の安全のために交流の場に出てないし、単体依頼しか受けてないからね。武者震いしてきたぁ!
マシュマロ
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