お家復興作戦会議!
どんどんぱふぱふ!
「一緒に家を盛り立てようって約束した人が裏切るって酷くないかい?」
「それな」
水晶(輝羅)のいうことも最もだ。確かに琥珀はそんな風に口説いてた。
「向こうもわかってて、一般出の男とは会話すら許さない感じなんだよ」
「ちょっと道聞いたら目の前で何も知らない学生が威嚇されて申し訳なかった」
片方だけならまだ許せるけど、まさかの総取りしようとしてくるとは。
「琥珀が、どうしても当主したいなら、1人目はうちで2人目は琥珀のとこで、とにかく子供作らない? って言ってるんだけど」
「おんなじこと玉英が言われてるんよな。で、子供が出来たらそれを口実に襲撃してきて関係ない珊瑚まで攫われてるんよな」
「流石に2回同じ手に掛かったら馬鹿だろ……。琥珀、私のこと馬鹿だと思ってるのかな……思ってそう。輪廻とセットで思ってそう」
「否定できない」
馬鹿だったのもあるし、思考放棄して琥珀や翡翠さんや桜さんに任せ切ってたのもあるし……。これは侮られていても仕方ない。
でもさ。馬鹿だって痛い目みれば必死に考えるんだよ。
「私たちみたいな両性具有は、こんなことにならないよう当主にしないんだって。腹で育てた方が力の遺伝率高いし、両性具有は遺伝率やマイエリアの発現率高いので、ひたすら子作りさせてマイエリアの持ち主増やすのが鉄板らしい……。瞳導師家はそれでも輪廻の直系の腹で育てた子供が必ず強い力を持つから、それで伝統を壊さなかったんだって。あと、ノウハウは各家秘匿してたし」
「なるほど。それで、その直系の出来のいいのを奪われまくって今に至ると……」
でもでもやっぱり、馬鹿の考えは休むに似たるなのかもしれない。
他の策謀上等の家に比べると、やっぱり私と水晶じゃねぇ。
私と水晶はため息を吐いた。
「あと、今、ダンジョンコアはみんな国が持ってて、増やせるなら買い取りたいって。今、魔物が欲しければ国の施設まで行って申請してから狩りしないといけないからって」
「その事については国に相談しよう。そもそも国しかコア持てない法律撤廃したのって私たちが原因だろうし、悪用しようと思えばできちゃうから国が管理するのは悪い事じゃない」
「そうだね、ついでに国に相談してみるのもありかもしれない」
「この前来た国の役人の名刺に電話番号が書かれてるんだ。早速電話しよう」
そんなわけで、国に相談に行った。
応接間に案内し、お役人様はにこやかにお茶とお菓子と書類を持ってきた。
「いやー相談してくれてありがとうございます!」
コアについての話し合いはスムーズに進んだ。
コアを持つには退魔師資格と申請が必要という事になった。
その法案が通ってから、国に申請をしたあとなら他家に売るのは問題ないとのこと。
でもお嫁さんとお婿さんについては、下手に一般から募ったら相手が暗殺される可能性を伝えられた。
というか。水晶と私のお父さんがその疑惑があるらしい。
何がそこまで退魔師を駆り立てるのか……。
マイエリアってそんなチート? チートか……。
「広いマイエリアを得たらそれも登録をしていただけるとありがたいです。災害救助とか、国際会議場とか、使わせてくれるなら家賃をお支払いします」
「そんな制度が……」
「私の場合はマイルーム二つだからね。貸し出して家賃がもらえるの、ハウスクラスからなんだよね。一つは家の財産、一つは私の部屋として使ってるから空きもないし。もちろん登録はしてるよ」
「広いのだと、集落がすっぽり入る面積のマイエリアもありますからね。かつて輪廻様が持っていたという、不思議な作物を育てているマジックファームや、国際的な異能者が集まる異能街なんかは観光客も受け入れてて面白いですよ。あとは日本の退魔師の街もあるそうですけど、こっちは教えてもらえないんですよね。外国と繋げるのでなければ、存在だけ登録すればいい事になってるので。退魔師だけの秘密の場所って事です。あ、異能街は退魔師協会と国、両方への申請と許可が必要ですけどね。流石に国際的に自由に出入りできちゃうと困るんで。パスポートが必要で、出入りは管理されてます」
「へぇ……」
「瑠璃も、登録するなら今のうちだよ。広いマイエリアは問題も起きやすいし、犯罪に巻き込まれても申請を先にあげてれば国が助けてくれるし罪にも問われにくいんだ」
おお、そんな救済処置が。
「個人情報が漏れちゃう可能性や、継承の斡旋もあるので嫌がられはするんですけど、お願いしたいです。広いマイエリアを持ってる場合は、長距離転移や密入国がしたい放題なんで、国の治安に直結するんです。ルームクラスでも、誘拐とかしたい放題ですし……なるべく管理して、悪い人にマイエリアがいかないようにもしたいんです。夕闇家の血統で退魔師としての才能はない人もいるんですけど、そういう人は国で雇って、退魔師さんから広いマイエリアを預かって管理してもらったりもしてます。生きてるのがお仕事なので、危険な仕事もないし、健康に気遣ってもらえますよ」
「へぇ。力の弱い子供が生まれても安心なのはいいですね。当主である水晶様が言うなら、もちろん申請します」
「こちら用紙です」
5枚必要なんだけど、ちゃんと役人は一枚なんてケチくさいこと言わず、10枚くらいの束をくれた。
どのみち、マイルームとマイファーム以外は個人では使わないんだよね。
住む場所に困ってるわけでもないし、持ってても使い切れないので、国に管理してもらって家賃をもらうのも全然ありだ。他家に売ってもいい。
家族で住まうには、継承前に死ぬとなくなる空間なので、いまいち使い勝手が悪いのだ。というか国がやってるように、安全に暮らすマイエリア担当がいたほうが効率がいい。
実際、輪廻だった時はマイルーム一つとマイファーム二つ以外は使い切れてなくて空っぽだったから、凄く興味がある。
他の人の方が活用するというのなら任せてもいい。人の役に立てるなら尚更だ。
用紙を見ると、国に管理を任せる、協力して家賃をもらう、完全に売るなどいろいろな道があるようだった。他家に任せようと思ったが、自分で何かイベントを起こすのも楽しそうだ。国ががっつり手伝ってくれるみたいだし、補助カードだってある。
そうだ、補助カードは喜ばれるしお金になるだろう。
「異能街とか見たいけど、危ないかな? お店開いてみたいかも」
「マイエリアを使った施設はたくさんあって、安心して使えるように協定も結んであるんです。威信をかけた物になってるので、そこは安心していいかと。ただし! 異能街に観光に来てる一般人の中に危ない人が混じってる事は普通にあるので、それは気をつけてください。マイエリア持ちは護衛を連れて行くのが慣例です。退魔師協会で斡旋もしてます。護衛の契約が続いている間は大丈夫ですよ。道案内もお願いできますし、国が知っている範囲でオススメの護衛兼案内人のリストも出せます。まずは見学からいかがですか? お店を開く為のマニュアルはこちらです」
冊子を持ってきてくれる。サービスが手厚くて嬉しい。
「へぇ。実は私も憧れてたんだ。でも、遊びに行く前に玉英がさらわれたからね」
「なら、お言葉に甘えない? 国オススメの退魔師協会の護衛兼道案内をつけて、2人で行けばなんとかなるよ。最近頑張ってたし、ご褒美ほしい」
「そうだね」
「こちらのリストの中の田中さんって人が、愛妻家で堅実な仕事ぶりで安心できると人気ですよ。しかも、これからお祭りの時期なので、国が予定を抑えてるんです。今回みたいな要人案内の為にキープされた最高の人材です。いかがですか?」
「いいんですか!?」
「とても助かります」
「いえいえ。仲良くさせてもらえるなら何よりです。お困りごとはなんでも相談してください。全部解決できるとは言えませんが、仲介はしますので」
いいひとだ……!!
私と水晶は喜んで計画を立てた。異能街とか世界各国の異能者がお店開く街とか絶対楽しいやつじゃん。でかした子孫。
私はどうしようかなー。マイルームとマイアカウントハウスはキープ。自室はもちろん、家族で避難できる先はあると助かる。あと、当然ファームも使う。報酬がポツポツくるようになったので、異世界で美味しかったものを育てたい。
マイギルドハウスはお礼も兼ねて国に委託して家賃をもらう事とする。
マイシティは他の人はどうしてるかよく聞いて、何か考えよう。サポートや集客はやってもらえるらしいので、私も何かしてみたい。軌道に乗ったら政府に所属する血族に譲ってもいい。きっと私よりよっぽど活用してくれるだろう。
なんだかとても楽しくなってきた。
ダンジョンコアを国に売った為、資金面に余裕はあるのだ。
他家にもこれからダンジョンコアを売るのでこれからもお金には困らない。
それでも退魔師の仕事はするけどね。
依頼なら信じていいなら、報酬として押し付けられた魔王の退治の為に退魔師協会に協力も依頼したい。ドリームチームできそう。
ワクワクしてきちゃった!
私達は、とてもウキウキして精一杯お洒落して退魔師協会の入管窓口に向かった。
「2人ともすげー可愛い。今日はよろしくな」
「とても似合っているよ〜。でも今日は僕にも服を選ばせてね〜」
「今日は田中は外せない要人案内が入ってな。俺達で依頼をフォローさせてもらう」
「護衛任務はちゃんとするから安心していいよー」
出たな女装四人衆! 悔しい事に、お祭りって感じで着こなしが凄い。
バリエーション豊かなのに統一感がある。正直格好いい。
「……依頼料を終えて帰るべきなのかな」
「帰んの? あーあ、残念だなー。今祭りの時期だから、ここでしか見れない異能を使ったイルミネーションとか色々見れるのになー」
「今の時期は屋台もいっぱい出てるよ〜。魔物料理も沢山あってオススメ〜」
「行き慣れてるから、希望に沿った店どこでも案内できるぞ。いまの服だと浮くから、まずは服屋からだな」
「お店出したいんだよね? 色々教えてあげるよー」
ぐっ 行きたい! 二泊三日で予定組んでてずっと楽しみにしてたんだ、行きたいに決まってるだろ! 宿泊先のホテルはマスコットキャラのスペシャルキャラクタールームで夜景がすごいって話なんやぞ! 予約が三年先まで入ってて、政府のコネでキープしてる部屋に泊めてもらえることになったんやぞ! 絶対泊まりたいだろそんなん! でも女装してまで夜這いしようとしてきた相手と泊まり旅行ってどうなんだ!?
心配……。でも行きたい行きたい行きたい!
「心配なら、契約書確認しろよ。ちゃんと契約は守るから。まだ時間あるし、不安なら契約に修正加える時間もある」
「そ、それなら見せてもらおうかな」
私達は契約書をしっかり確認して、エッチはダメだと契約に追加して、出かける事にした。だって憧れの異能街だもん……。
いやしかし、私のマイシティがこんな立派な街に……。でかした子孫。まじででかした。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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