いや、奥に行くとカップルくっっっっっそ多いな?
カップルどものイチャイチャハートで埋まっておる……。
それはともかく、初日と二日目は退魔師関係の挨拶回りに勤めた。
屋上エリアで各国の異能者が協力して行われる夜の超人気イルミネーションはスルーした。
興味はあるが、あからさまに恋人とのラブラブ空間なことは明らかである。
時間が近くなると、カップルらしき人の大移動が行われていて大変わかりやすい。
顔を真っ赤にしている女の子が非常に多い。すでに出来上がっておられる……。
「お兄ちゃん、今晩祭の本番だよね。屋上行くの楽しみ」
「ダメに決まってるだろ。お前はまだ早い。それに周辺カップルばっかりだぞ。後、独りで行くと誰でもいいから子作りしてって合図になるから、会場では絶対護衛や恋人と離れるなよ。慣れている俺も一人は無理。それと、屋上での屋台の食べ物はほぼほぼアルコールや催淫剤や妊娠しやすくなる薬が入ってる。絶対妊娠するイベント会場としていい意味でも悪い意味でも名高いから、未婚の時は絶対行くな。女友達と連れ立ってなんて自殺行為だからな。というか、異能街では将来を共にする相手以外と食事するな。やばい率高いから。美味しくて珍しいものがたくさんあるのは本当だがな。成り立ち自体が恋人とラブラブショッピングしたいってので作られた場所なんだよ。ここは」
そんな会話を聞いてしまって、急遽食事を辞めたぐらいである。
アイテムボックスにお弁当入れててよかった。
雫が美味しそうに食べてた。納得いかない。
そんなわけで、淡々と挨拶周りや確認などの仕事をした。
「イルミネーションすごく綺麗なんだよ〜」
「ちょっとだけでも見ない? 撮影禁止だし、本当にここでしか見れないよ」
「好奇心は猫を殺すから……。流石にえっちしたいと思ってる人しかいないところに突撃するほど馬鹿じゃないから……」
「そうだな。来年は二人で来ようぜ」
「君、めげないね?」
それでも、ウィンドウショッピングは楽しめた。
魔女さんの作ったお守りとか、色々売ってて面白い。
恋占いもした。水晶は逃げきれませんと出た。
私はいい人に捕まるって。そこは出会えるじゃないんだ……?
瞳導師の所有するテナントが大人コースに一店舗見つかり、申請をして鍵のセットももらえた。国にも申請を出して、最短一月後にもお店が開ける。
家人に調理師免許を持つ者もいるので、レストランとお店、両方やっちゃおう。
テナントは空間拡張で結構広いスペースがもらえるのだ。
そんなこんなで、私たちは無事処女のまま、異能街から生還した。
後、祭の翌朝、シャワー屋とマタニティ用品やベビー用品のショップがめちゃくちゃ混んでいた。その周辺のブライダル用品店やカップル向けのお土産店も人気。屋上から降りてきた人たちみんなそこに吸い込まれた感があって圧巻である。
ごくわずかに行かないのは護衛を連れた一般人ぽい人くらい。
でも一般人らしき人も大抵はマタニティ店へ向かってる。
「これで子供が生まれるのね……!」
「ああ、ここでの不妊治療は成功率100%って話だ。絶対できているさ!」
不妊治療。逆にいえばあのイベントに行って妊娠しない率0%ってこと……?
あれ、女の子の集団がマタニティ店へ。
「能力者の子供できるといいなぁー」
「ねー。高かったもん、このツアー」
「でも本当にすごい能力者は一般人は相手してくれないって」
「流石にマイエリアとか持ってる人はねー。でも夢見るのは自由じゃん」
「あーあー蘭子ちゃんお持ち帰りされて羨ましいなー」
「えーでも、外国人だったよ? 国際結婚大変じゃない?」
「いいじゃん、魔法使い。いいなー」
な、なるほど……。そういう需要も。本当にそういう会場なんだ。
どうやら祭りで子作りしてマタニティグッズやベビーグッズ買ってカップルの記念品買って帰るのが異能街の絶対正義らしい。
気が早すぎない?
男の子と女の子どっちがいい? どころの話ではない。
男が責任を全力で取る所存なところはいい事だけど。ここでは望まれない子は確実に0%だろう。だってみんな妊娠を目的に来るんだから。生まれないのが詐欺まである。
あっ でも、このイベントで種だけもらうのもアリなのか……?
と、そこへ男性が女性をブライダル品店に抱き上げて連れて行くのが見えた。
「や、種だけもらえればいいって、結婚はいいよ……!」
「逃さねーよ。ちゃんと責任とって結婚してもらう。絶対大事にする」
うーん、考えることはみんなおなじだ……。
初めて行った異能街は、カップルの笑顔とハートで満ち溢れたところだった。
三日目に行った子供向けコースはめちゃくちゃ楽しめた。
観光客向けを兼ねてるだけあって安心安全なお土産や食事が盛りだくさんである。
子供向けのイルミネーションなども豊富で、私にはこれで十分。ここに住みたい。
お子様と舐められてしまうから長居はできないとのことだが、子供連れなら来れるよね。実際、赤ちゃんを連れて楽しそうな人はたくさんいた。
キャラ弁とかめちゃくちゃ売ってた。スライムもいた。
また来たい。頼むぞ、まだ見ぬいい人よ……。
「水晶、瑠璃。俺、子供コースのテナント持ってるからさ。共同経営させてあげてもいいぜ。それならまた来れるだろ。瑠璃はキャラ弁とか作って売るの好きだろ? 水晶、俺のとこスライムも売ってるぜ。輝羅が好きだったジェエルくんの血統のキラキラスライムは一族で保持してんの。プレゼントするよ」
「雫……琥珀。なんで。ジュエルくんに子供はいなかったはず」
「隠して百目にやったんだよ。俺もジュエルくんは可愛かったけど、輝羅がジュエルくんばっか可愛がってて嫉妬してたからさ。本当にごめんな」
水晶が呆然として、ポロリと涙を流した。雫が水晶を優しく抱き寄せて涙を拭う。
えっ 輝羅、ジュエルくんをそこまで!? やめて、私がペット食った極悪人になる! いつもスライムに対してそっけなかったじゃん!? あっでも水槽はめちゃくちゃ綺麗だったかも!
「二人で輪廻のキャラ弁食べたよな。アニメ再放送させて、コラボ契約して売っちゃおうぜ」
それは私にも水晶にも刺さる。なんという名家ムーブ。
こんなの好きにならないの無理だろ。悔しいほどに欲しいものを知っている男である。でもいくら貢いでくれても君の欲しいものはやれんぞ。瞳導師家が途絶えちゃう。
後日、田中さんにはとても謝られた。なんか超スペシャルVIPが何故か田中さんを指名して観光に来たらしい。もちろん雫達の工作である。
お詫びとして異能街の田中さんの知ってることを書いた地図を貰えた。
ありがたい。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
返信不要の場合は返信不要と書いておいてください。
https://odaibako.net/u/karin2022v
リクエスト、返信不要の匿名感想はこちらにお願いします。