勇者の引退ライフ   作:かりん2022

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しんそうかいてん!(こどもへん)

私の知らない間にスライムの繁殖方法は確立されていた。

水槽にスライムがポコポコ増えていく。面白い。

雫の家、いや雫の実家の家人と私達の一族は隙を見ては集まって商品の面倒を見ていた。一番人気はプチドラである。水晶なんて目をキラキラさせてプチドラを見ている。ミニドラがちょっと拗ね始めてるんでミニドラも構ってあげてね。

 

「瑠璃はこっちじゃなくて食べていいキャラ弁の方みようか」

「瑠璃は大人だから、大人の方手伝ってくれないかな」

「食べないよ! 輝羅泣かしてまで食べないって! 仲間はずれいくない!」

「あんなに愛らしい生き物を食べられたら私も泣きます」

「瑠璃様。美味しいアボガドが入ったので食べましょう。採れたてお野菜があるのでサラダはどうです?」

 

 くっ 仕方あるまい。アボガドに免じてやろう。アボガドサラダは正義だからね。

 結局、プチスラだけでなく、プチコカやプチゴラ、プチフルも雫の家で面倒を見る事になった。展示はプチコカとプチゴラとプチフルとプチスラの原種の綺麗なのになった。

 損してるって絶対! と荒ぶっていると、雫の家の契約農場とマジックファームからお弁当と大人コースのレストランの食材を向こう10年卸してくれる約束をしてくれた。もちろん、限度はあるけれど……。テナント内はガス水道無料なので、あとは人件費と容器代だけである。

 それだけでなく、十分に増えてペットとして売れるようになったら、その売り上げも折半してくれるらしい。契約書にも残してくれた。

 それなら、まぁ……。

 

 私の今持ってるファームは異世界産の農作物を作る予定だから、ゲームアイテム育てられないんだよね。ゲームアイテムの作物くれるなら大変に助かる。

 

 と言うことで、種とか薬草とか苗とか渡して育成を委託した。

 独占栽培しなくていいのか確認を取られたが、農場がないので……。

 あと、いくつも農場もつの大変なので、誰かに育ててもらえるのはありがたい。

 

 一定量まで、私の生きてる限り無料で契約農場とマジックファームの作物がもらえる事になった。健康にいいからかな? さすが雫。水晶の健康の為ならなんでもしおる……。でももう他家に入ったのにここまでよくしてくれていいの? 心配である。

 

 私からもらった種子など、特に絶滅したものに関しては、マイファーム持ちに配布されたそう。供給が足りてないので、独占よりもまず栽培らしい。

 

 一度国に提出して、1年ごと、10年間、国からマイファームに登録した人に配布する形。国からはもちろん謝礼がもらえたし、両家の名を売れたので利にはなってるみたい。10年間配布するのは、新しい世代の為である。もっと量が欲しければ雫へお願いすると私に必要量が書面となって降りてくる。交渉も雫がやってくれるならありがたい。

 他の人はマイエリアを訓練によってルームタイプにするか、シティタイプにするか、ファームタイプにするか選べたりするので、ファームが増えるかもねとのこと。

 

 輪廻として相続させたマイファームも二つともゲーム世界の作物用になっているとのこと。

 私のマイファーム以外にも農場向きのマイエリアはあるが、だいたいゲームアイテム専用。普通の作物は普通に買えばいいそうだ。そりゃそうだけどさ。普通の作物も食害とか盗難とかなく育てられるんだから凄くいいじゃん……。

 あっ 新しい作物と復活させた作物については報告済みである。

 異世界の作物も種は提出してあり、政府の保持してるマイファームを一つ、それ専用にしたそう。

 研究農場として、マイファーム増やして欲しいって要望はやっぱりあるらしい。

 いっぱいマイエリア持った子供産んでくださいとお願いされた。

 相手できたらね。

 

 ちょくちょく勇者の報酬として作物や魔導書が捧げられたりするので、ちまちま育てたり、解析したりしている。というのも、あの世界隷属魔法とかあるから、何も考えずホイヨッと技術を流せないのだ。

 

 とにかく、三つの世界の食材を合わせた、スペシャルなレストランが用意できることになった。素晴らしい。キャラ弁は異世界作物は勘弁してくださいと言われた。

 子供に何かあっては大変なので、長い年月をかけて安全性が確認されたら認可していくとのこと。大人コースだったらお好きにしてくださいだそう。やったぜ!

 

 なお、お土産候補だった魔石のアクセサリーは魔石が高いのと周辺にエネルギーを与える性質があるので止めるように言われた。

 スライムしか出せないプチダンジョンコアもダメ出しされた。

 コアそのものを売るんじゃなくて、スライム退治させてドロップアイテムをお持ち帰りにするんだっていったけど、プチスラをペットとして売ってる横でスライムを殺させるなとのこと。それはそう。

 

 なんかキーホルダー的な、後に残るちびっ子たちにいい異能街のアイテムをあげたいんだ……。キーホルダー作ればいいじゃんって? 異能街っぽさがないとやだ。

 

 私は勇者だぞ。

 何か、何か方法があるはず……!

 むむむ……!

 

「瑠璃様、見てください」

 

 そこで魚河さんが商品サンプルを出してくれた。

 

「異能街キャラ弁制作キット……?」

「レシピと型枠をセットにしたものです。簡単に作れるよう工夫してます」

「いいかも!」

「異能街モチーフのチャームです。いろんな異能者のシンボルを使ったものです。霊力はこもってないですけど、変に危険なものよりも、こういうのでいいんですよ、こういうので」

「そう、かな……。うーん。確かに手軽でお洒落……」

「これ、異能街のいろんなお店を模したミニチュアケースです。思い出になりますよ。あっ 許可は取ってますよ」

「あっ 可愛い……。1000円安い……」

「そりゃまあ子供向けのサービス価格ですから。こういうのは異能者にいいイメージを持ってもらうためのものですし」

「じゃあそれで進めていいかな? どれがいい?」

「全部」

 

 水晶の言葉に私は頷き、資料を見せてもらう。とりあえずサンプル全部ちょうだい。みんな可愛い。

 

「まあいいか。じゃあそれで進めて」

 

 そこに、ヨタヨタした感じで家人が来た。

 雫と水晶が報告を聞く。

 

「なんか竜守家、最後の聖竜が弱ってて厳戒態勢で話にならないらしい。いっそのこと、このまま展示しちゃうか? 下手に刺激するとやばい感じだし、展示しとけば命知らずがここのこと伝えて、そのうち迎えに来るだろ」

「竜守家ってかなり強硬派らしいけど、大丈夫なのかい? それに凄く高価なんだろ」

「一応、手紙とかは送ってるし、全頭竜守家引き取り予定、交渉は竜守家へって展示に書いておけばいいだろ。水槽は壁に埋め込んで客席からは触らせないようにするし。そもそも、一番怖いのは竜守家だし、護衛はつけるし子供コースは争いごと厳禁だし、勇者いるし」

「ん、私? 任せて!」

「まあ勇者がいるんなら大丈夫か……」

 

 ということで、スライムショップ改め、スライムハウス、新装開店です!

 全員スライムを模った帽子を被って、いざ!!!

 

 

 

 ギャー!? 潰れる! 潰れる!!

 なんでこんなに人が!?

 ダンジョンコアはありません! ありません!!

 子供コースでそんな危険物売るはずないでしょ!!

 本当だって!! 店内で使うぐらいでしか考えてなかったし、中止になったし!!

 あー困りますお客様ー!!

 

「わードラゴンだ! ちっちゃい!」

「聖竜!??」

「嘘、聖竜が売ってるの!?」

「どこどこ、聖竜どこ!?」

 

 きゃーお客様ー!!! 困ります!!お客様ー!!

 潰れちゃう! 潰れちゃうーー!!




マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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