枯れた樹海と殺し屋たち   作:リンゴ丸12

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他の人の作品と何が違うのか……地の文の少なさだ…
今回も異様に少ないです。地の文がね。
まったり回。とみせかけて最後はやや鬱。


楽しい女子会

ナイトレイドに新たなメンバー、スーさんことスサノオとチェルシーが入って一ヶ月がたった。

スーさんは感情をあまり表に出さないけれど、料理長としてメンバーに美味しいご飯を作ってくれているのでみんな懐いている。戦闘能力もアカメとはるくらいの実力者。まぁ帝具だしね。

チェルシーは化粧の帝具、『変幻自在ガイアファンデーション』の使い手。戦闘能力こそ低いが誰にでも変身出来る能力を生かし隠密行動、並びに暗殺に適している。仕事をこなして来た数ではアカメを越すだろう。本人もとても明るい性格だしラバと並んでチームのムードメーカーとしても機能してくれる。特にマインと仲がいい。

今日はそのチェルシーと一緒に帝都でショッピン……市場調査に出かけている。さぁて何から見よっかな〜

 

「レオーネ、レオーネ。あそこ入らない?」

チェルシーが指差した先にはケーキバイキングの文字が。ほほう、いいですねぇ。最近は酒とつまみばっかだったからね。たまには女子力を磨かなくては。

 

「いいね。服とか見る前に腹ごしらえだ!」

「さっすが、レオーネ分かってるー♪」

 

カランコロン、扉を開けて中に入る。おー色んなケーキがあるねー。

 

「お客様。何名様ですか?」

 

「二人でーす」

 

「少々お待ちください」

 

 

 

「女子しかいないね」

 

「そりゃねぇ、この店に男だけでくるやつはいないでしょ」

 

店の内装は基本ピンクの壁にデフォルメされた動物や草花で彩られていて、所々風船も見られる。言うなればとても女子女子してる、って感じだ。

 

「てゆーかチェルシー、お前いつまで飴なめてんだよ。ケーキ食えないぞ?」

 

「あぁ、そういえば…えいっ」

 

チェルシーは飴を噛み砕く。ボリボリと音が聞こえる。うーむ、なんかこういう飴の食べ方ってテンション下がるんだよな。私だけ?飴のアイデンティティーを壊してる感じがするんだが…

そんなことを考えているうちに店員さんが帰ってきた。

 

「……すみません、お客様。現在、空いているテーブルがない状態でして…相席でもよろしいでしょうか?」

 

なぬ?まぁしょうがないか。

 

「構いまいませんよ?いいよな、チェルシー?」

 

「うん、先に座っている人がいいならねー」

 

「ありがとうございます。ではこちらへどうぞ」

 

 

 

 

 

案内させられた席には男女のカップルがいた。歳は……タツミやマインと同じくらいか?……邪魔だったかな?馬に蹴られたくはないんだけど…

 

「あー…お邪魔かな?」

 

「いえいえ、気にしないでください。この店すごい人気みたいですからね。しょうがないですよ。ねぇカルマちゃん?」

 

「そだな」

 

ちゃんずけ…最近のカップルはよくわからんな。カルマちゃんと呼ばれた子はすでにケーキをモリモリ食べている。重ねられた皿を見るに、20個はいってるな。

 

「私はレオーネ、こっちはチェルシーだ」

 

「よろしくねー」

 

「はい、私はムカエって言います。この子はカルマちゃん」

 

「ども」

 

桃色の髪の子はムカエちゃんか。ムカエちゃんはあんまり食べてないな。

 

「じゃあ私取ってくるねー」

 

チェルシーがケーキを取りに行く。あー……これだと私がすごい邪魔者みたいだな…何か話題を…

 

「レオーネさん?どうかしましたか?」

 

「あぁ、いや二人のラブラブデートを邪魔したみたいで悪いなぁと思って」

 

「あはは、カルマちゃんは女の子ですよ?」

 

「!?」

 

胸全然ないじゃん!?言葉遣いも荒いし、髪も短い……でも確かによく見ると顔は整ってるな。ボスみたいな感じってことか…

 

「もう失礼ですよ?ねぇカルマちゃん?」

 

「別に気にしないけど……てゆーかムカエ、お前も初対面のとき勘違いしてたろ」

 

「し、してないよ……」

 

「こっちを向けよ」

 

「イヤー、ビックリしたーまぁよく見ると女の子って分かるね。顔とかベッピンさんじゃない。羨ましいなーこのこのー」

 

「や、止めろよ」

 

「あ、カルマちゃん照れてるー」

 

「うるさい!」

 

ふむ、話していて気持ちの良い二人組だな。お、チェルシーが帰ってきた。

 

 

「お待たせ〜、盛り上がってるねー私も混ぜてよ」

 

「なぁチェルシー、このカルマちゃん、なんと女の子なんだってさ」

 

「?見ればわかるじゃない」

 

「!!」

 

え、マジで?一撃で見抜いてたの?チェルシーさん?流石変身出来る帝具の使い手…人間観察はお手の物って訳か。

 

「ほらー、レオーネさんだけですよ?カルマちゃんが男の子だって思ってたのー」

 

「いや、お前もだから」

「ボーイッシュガールは需要ありまくりだよー?カルマちゃんの場合、喋り方も萌え要素になるしねー」

 

「え?こんな乱暴な喋り方で?」

 

「今はそういう女の子も流行ってるの」

 

「ふーん」

 

「じゃあ、この出会いを祝してガールズトークでもしよー!あ、レオーネの分のケーキは取ってきてあげたから」

 

「お、サンキュー」

 

「いいですねぇ!嫌いな人間のタイプて上げていきますか?」

 

「いや、確かに女子っぽいけど…なんでそんなマイナス的な話題から…」

 

「えへ☆」

 

「普通に恋バナでいいんじゃ?」

 

「そうそう、レオーネいいこと言った。二人は彼氏とかいないの?」

 

生き生きしてんなー、チェルシー。こういう話題アジトじゃあんまできないからなー。アカメは恋より食べ物だし、ボスはイケメンだし(?)私はタツミをからかってるだけだし。まぁ強いて言うならマインかな?あいつ最近、タツミを男として見始めたからな。

 

「うーん、私は少し前まではいたんですけどねぇ」

 

「え?いたの!?」

 

「マジで!?」

 

「おい、私も初耳だぞ!?」

 

みんな立派に女子だった。食いつく食いつく。

 

「うん、でもねぇー彼、私のこと好きって言ってくれたのに私から告白したら、逃げられちゃって……」

 

「うわ、何そいつ、チャラ男?サイテー。ムカエちゃんの体目当てだったってこと?新しい女ができてムカエちゃんを捨てたんだ。あーやだやだ汚らわしい汚らわしい」

 

「私の上司もそんな奴にもう騙されるな、って言ってくれてようやく目が覚めたんですよ、それまでは彼に振り向いてもらおうと必死で必死で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くしゅっ!」

 

「ウェイブ殿?風邪でありますか?」

 

「……かな?なんか悪寒が…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ、旦那もいいところあんだな」

 

「その人はあんたらの働き口の上司か?」

 

「えぇ、私たちの上司で尊敬出来るとってもいい人なんですよ。ね?カルマちゃん?」

 

「そうだな、仲間想いのいい人だよ」

 

随分、人望の厚い人らしい。ボスも男だったらなぁ。私も惚れてたかもなのに。

 

「へえー、じゃあ今二人でその人を狙ってるんだ〜ヒューヒュー!」

 

「「それはない(です)」」

 

「おぉふ……」

 

「なんで?いい人なんだろ?ブサイクなのか?」

 

「いえ、イケメン…とも取れますけど、童顔なんでどっちかというと可愛いって感じですかね?」

 

「そうだな、あの顔で年上とは思えねぇからなぁ」

 

「……じゃあなんで?」

 

「……まぁなんとなくです。彼に彼女はできませんよ」

 

「勝ち組になっちまうからな。アイデンティティーの崩壊だぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『くしゅっ!』

 

「風邪かい?」

 

『いや…何処かで僕の噂をしてるな?人気者はつらいぜ』

 

「……よかったね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お二人はどうなんです?レオーネさんは大人って感じですけど…」

 

「内の職場、男少ないからなぁ。一人は変態だし、一人は恋愛感情無しの助だし。まぁもう一人は可愛くていっつもちょっかいだしてるけどなー」

 

「れ、レオーネ?あんた、まさか……!」

 

「ん〜なんだ?チェルシー?まさかあいつの事好きなのか?」

 

流石だねぇ、タツミ。年上キラーは健在か。

 

「お、墓穴を掘ったな?チェルシーさんよ?」

 

「赤くなってるチェルシーさん、かわいー」

 

「べ、別にそんなんじゃ……、ただ、私もあいつは可愛いと思ってるだけで…」

 

「うれうれ〜素直になれ〜」

 

脇をくすぐる。えいえい。

 

「ちょっ、やめっ、アハハッ、やめって……アハハハッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くしゅっ!」

 

「なに?タツミ、風邪?」

 

「いや、そんなことはないと思うけど…だぁ!ドミノが!」

 

「馬鹿野郎!タツミ!なぜストッパーを使わなかった!」

 

「ギャアアア!俺たちの努力の結晶がぁ!」

 

「…アホなことやってるわね、あなたたち」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、で?結局二人は好きな奴いないのか?」

 

チェルシーを散々くすぐった後話を戻す。チェルシーは過呼吸になってるが、知ったことか。

 

「うーん、どう?カルマちゃん?」

 

「私?んー……もう一人の上司は結構かっこいいと思うんだけど…」

 

「あぁ、確かに。イケメンだよねぇ」

 

「お?なになに?カルマちゃん好きな人が?」

 

チェルシー、リカバリはやっ!

 

「好きってわけではないけどなぁ。今あるカードの中で付き合うならその人かな?」

 

「おおー、そんなにイケメン?」

 

「あぁ。なぁムカエ?」

 

「そうだね、クールビューティーって感じ。でも……」

 

「でも?」

 

「迂闊に近づくと殺されちゃいそうで…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くしゅっ!」

 

『うつっちゃった?』

 

「自分で風邪じゃないって言ってたじゃないか。僕も噂されてるのかな?」

 

『おいおい、そんなにみんながケイ君のこと気にしてると思ってるのかい?自意識過剰だなぁ。アハハ!』

 

「………」チャキ……

 

『ゴメン、無言で刀を抜かないで』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむふむ、クールな外見に似合わず肉食系だと…」

 

そういうことなの?比喩なの今の?クレイジーな奴とかいうわけでなく?

 

「そういう子にはヤンデレな子がいいのよねーイニシアチブを取れるっていうかー」

 

いや、彼自身がすでにヤンデレじゃないの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へくちっ!」

 

「クロメ?風邪ですか?」

 

「いや、何かライバルの予感……」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、しばらくは仕事が優先か」

 

「そうだねー私も恋はしばらくいいや」

 

「私達もそんな感じだね」

 

「だな」

 

結局、しょっぱいオチだったな。まぁチェルシーがタツミに気があるって分かっただけでも収穫としよう。

 

「お、もうこんな時間か。早く帰んねぇと怒られちまう。レオーネ、チェルシー、じゃあ私達はこれで」

 

「あ、本当だヤバイ、今日も仕事入ってるのに。さようなら、レオーネさん、チェルシーさん」

 

「おぉ、またなー」

「バイバーイ」

 

二人はお勘定をして店を出て行く。んー、久しぶりに楽しい女子会って感じだったなー。満足満足。

 

 

 

 

 

「じゃあ私たちはもう少し食べるか」

 

「そだねー……ん?」

 

「どした?」

 

「ムカエちゃんの持ってたフォーク……なんか黒ずんでない?」

 

「ん〜?あぁ本当だ」

 

私はフォークを持ち上げる。すると…

 

「おぉ!?折れた!?」

 

「えぇ!?」

 

黒ずんでたところからポッキリ折れてしまった。なんで!?

 

「どうなさいました?お客様」

 

「いや…フォークが…」

 

「……?妙ですね。食器の手入れには念入りに気を使っているはずなんですが……」

 

錆びてたのか?だとしたらよくムカエちゃんそれで食ってたな……

 

「すぐにお取り換えいたしますね」

 

「あ、はい」

 

なんだ?胸騒ぎがするな……ライオネルがあるから私の胸騒ぎは結構バカにできないんだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽しかったねー」

また会いたいなー会えるかなー。今度会ったらチェルシーさんにさっきの男の人に告ったかどうか聞いてみよう。

 

「あぁ、でも……」

 

「でも…なに?」

 

「あいつら多分戦える人間だ」

 

「え?」

 

「二人とも筋肉のつき方が一流のアスリートみたいだった。武術家かそれに準ずる何かだな」

 

「何か…って?」

 

「そうだなぁ…例えば…あれとか」

 

カルマちゃんが指差した先には手配書。それもかなり有名な人たちの。

 

「ナイトレイド…まさかぁ」

 

「ま、それは流石に冗談にしても戦えるの人間なのは間違いない。もしかしたら大臣からの命令で消すことにもなるかもしれないぜ?」

 

「そっか……」

 

そしたらきっと泣きながら戦うんだろうなぁ。久しぶりに友達ができた感があったのに。泣きながら腐らせなきゃいけないんだろうなぁ。

 

でも大丈夫。その時はきっとその悲しみも、思い出も、恋バナも、記憶も。ぜーんぶミソギさんになかったことにしてもらおう。そうすれば私は傷つかなくていい。そうやって辛い事から逃げていこう。そうすればいつか幸せだけが残るはずだから。

 

「……?ムカエ?大丈夫か?」

 

「ん?大丈夫だよ。その時は容赦なく殺すよ。跡形もなく腐らせるよ。私達は腐っても殺し屋なんだから」

 

「……そうだな」

 

 

 

 

ーー私たちはそういう風に生きるしかないんだよ

 

 

 

 

 

その言葉にカルマちゃんは反応しなかった。




誰がどのセリフを言ったかわかりにくいかなぁ^_^;
まぁ多分わかると思うんですが……
わからなかったら感想に書いてください。補足します。
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