枯れた樹海と殺し屋たち   作:リンゴ丸12

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今回少し読みにくいかもしれません。地の文がコロコロ変わるので。最初はマイン、中盤はパンプキン、で最後またマインです。


仰せのままに

「さてと。マインちゃん、君にやらなきゃいけないことが二つある。まずは一つ目、君の記憶を復活させることだ」

 

カボチャ頭のローブを纏った男は喋り出す。カボチャには目と口がくり抜かれたような穴があり、滑稽さと怖ろしさが合わさったようなイメージがある。喋ってるときにも口や目はうごくことはないが、その奥に光源でもあるのか怪しく光っている。

ローブに至ってはよく材質がよくわからない。黒色のボロボロのローブのようだがさっきからそこ一部が手になったり、不気味に動いたりする。まるでそのローブが体の一部のようだ。そしてその足元には足が生えておらず、地面から少し浮いている。

 

「聞いてるかい?マインちゃん」

 

「ひっ!」

 

「あー……怖がられちゃってるなぁ。このデザイン結構気に入ってるんだけどなぁ」

 

……趣味悪……!

 

「ま、害は与えないよ。怖いって言うならここから近づかないからさ。まずは話を聞いておくれよ」

 

「………わかっ……た」

 

「うんうん、流石俺っちの主様。なんだかんだいっても肝が据わってるねぇ」

 

なんか……やり辛い…。

 

「じゃあまずは君の記憶を復活させよう」

 

「どうやって…」

 

というか記憶を失ってる気すら無いんだけど。

 

「………君の記憶喪失はトラウマが原因だ。だからそれを克服する」

 

「だから……どうやって…?」

 

「君は昔酷い目にあってきただろう?それはもう壮絶なね。でもそれを変える転機となる日があったはずだ。それを思い出してごらん?」

 

「…………転機」

 

「僕も手伝うからさ」

 

そう言うとカボチャはローブの一部を手に変えて私の頭に置いた。そうすると何か頭の中から昔の記憶が勝手に湧き出してくる。これは……?

 

 

 

 

 

 

 

 

《お前、異民族の子供か?》

 

《ひっ!ご、ごめんなさい》

 

《何を謝る必要がある?お前は何か悪いことをしたのか?》

 

《私は……存在自体が罪だって……みんな…言う》

 

《………だってさ、ナジェンダさん。この子使えるのかな?とても暗殺者には……》

 

《こいつには才能がある。占いの帝具もそう言ってるしな。何よりパンプキンがこいつに使いたがられてる》

 

《へぇー…元持ち主には分かるんですねぇ》

 

 

 

 

 

 

これは何?昔の私と……あの殺し屋達?

 

 

 

 

 

 

 

《お前こんな差別的な社会を変えたくないか?》

 

《え……?》

 

《私たちは革命軍だ。今この国は腐っている。オネスト大臣が国を牛耳り、やりたい放題だ。お前が迫害を受けているのもそういった風潮を奴が作り出しているからだ》

 

《そんな………》

 

 

 

 

 

 

……ぐ………頭がいたい………

 

 

 

 

 

 

《どうだ?とりあえずウチへ来い。戦力にならないにしても事務として仕事ができるからな。食うには困らないぞ?》

 

 

 

 

 

ナジェンダ………?………ボス?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くぅぅ!!」

 

「………?」

 

おかしい………俺っちがここまで記憶を思い出させているのに反応が鈍すぎる……。ここまできたら自分が何者か思い出しても良さそうなものだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

《ここが今日からお前の家だ》

 

《……ありがと……ござます》

 

《何か困ったらこの緑色の髪の男に頼め。今日からこいつはお前の召使だ》

 

《ナジェンダさん!?》

 

《わかり……ました》

 

《いや!わかっちゃダメだよ!》

 

《じゃあ……早速……》

 

《え……マジで……》

 

《…私……マインです。えーと……》

 

《…あぁ、ラバックだ。ラバって呼んでくれ》

 

《…ラバ……わ…わた、私と………おとおとと…お友達に……なってください……》

 

《…え?》

 

《あぁ!すみません!迷惑ですよね!……ごめんなさい……でも私……友達……いたこと無くて…》

 

《ふ………ふふふ……だとさラバック?》

 

《……なんだ!そんなことか!あぁ!いいぜ?俺もさ同年代の友達いなかったんだよ。よろしくな!マインちゃん!》

 

《……うん!!》

 

 

 

 

 

 

 

そうだ!私はラバと……友達になって……。ナイトレイドに………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は……ナイトレイド……に……」

 

「もう少しだよ、マインちゃん。頑張って」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ラバ〜早く来なさいよ》

 

《待ってよ!早いよ!》

 

《たく男のくせに情けないわね〜》

 

《……そんなこと言われたって……てかマインちゃん。パンプキンもう使いこなせるの?》

 

《当たり前でしょ?もう一年になるのよ?》

 

《………俺は3年かかったけどな》

 

《ま、あんたのは難しいらしいしね。ほら、ターゲットが来るわよ》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだ。私はナイトレイド……でラバと一緒に仕事を続けてきたんだ。

……で、その後…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

《…お帰り。ラバ、マイン、すっかり殺し屋が板についてきたな》

 

《当たり前でしょ?私はこの国を変えて差別をなくすの!そのためにはぐんぐん成長するわよ?》

 

《……昔の方が可愛かったのに……》

 

《何か言った?》

 

《べっつにー?》

 

《それよりお前たち、ナイトレイドに新メンバーが来たぞ?》

 

《そうなの?》

 

《可愛い子?》

 

《あぁ、美人だぞ?入れ》

 

《はい》

 

 

 

 

 

………………………。

 

 

 

 

 

 

 

《………初めまして。皆さん。シェーレと言います。これからよろしくお願いします》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あぁあぁああ!!!」

 

「ッ!」

 

「シェ、シェーレ!う……あ…………ごめん……なさい!!……いやぁ……あ…許して……許してぇ!!」

 

「これは………!」

 

 

そうか………この子がここまで心にダメージを負ったのは子供の頃の記憶だけではないのか……これはつまり………

 

 

 

 

「マインちゃん。ちょっと嫌なこと思い出させるよ?我慢してね」

 

「……う……ぅ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《握り潰せぇ!!》

 

《あっ!あぁぁぁぁ!!》

 

《マイン!!》

 

ズバっ!

 

《ありがとう……シェーレ……!》

 

《間に合ってよかったです》

 

 

 

ズキュン!

 

 

 

《え……》

 

《あ…………》

 

《正義執行………!》

 

《シェーレ!!あの犬が!》

 

《…体が……動かな…………》

 

 

 

グシャ!!

 

 

《…………シェ…………シェーレェ!!》

 

《………はは!どうだ!悪は滅ぶ運命なんだ!お前も死ね。ナイトレイド!》

 

《…何よ……腕が……折れたくらいでぇ…………!!》

 

《…おいあそこだ!》

《交戦中だぞ!》

《セリュー!無事か!》

 

 

《警備隊…!クソッ!》

 

 

カッ!

 

 

《!!なんだ!》

《ま、眩しい……!》

 

《…これは……!金属の発光!まさか……!》

 

《…シェ……!》

 

《…エクス…タス………!!》

 

《シェーレェ!》

 

《…今の内に逃げてください……マイン………!》

 

《…でも!!》

 

《早く!!》

 

《…ッ!》

 

ダッ!

 

《コロ!早くそいつを!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《はぁ……はぁ………!》

 

 

グシャ!

 

《!!シェー……!》

 

ゴリゴリ!バキ!ボキャ!

 

《…う……ぅ…………ゔゔぅゔうぅぅぅ!!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめて!パンプキン!もうやめてぇ!」

 

「……なるほどね」

 

これが原因か。この子は記憶を思い出せないんじゃない。無意識に思い出さないようにしてたんだ。自分のミスで仲間を殺してしまった記憶と、自分は罪深い存在だと思っていた過去の記憶を同時に抉られたんだな……。そりゃ記憶くらい吹っ飛ぶわ。

 

 

 

 

「あぅ……うぅ……ひっく………ごめんなさい…シェーレ……私なんか……生きてちゃダメなんだ……血が……穢れてるから……だから……シェーレも……ぅ……ゔぅ!」

 

 

……全く酷いことをするもんだ。成人してもない少女にこの仕打ちをするなんて。…ま、マインちゃんじゃなかったら廃人になってたか。そういう意味では流石、と言うべきかな?

 

……はぁ、この手は使いたくなかったんだけど。

 

「マインちゃん」

 

「………?」

 

「……こんなこと言うのはなんだけどさ。君の血は穢れているさ。殺し屋なんだから。だから君が『自分の血が穢れている』ということに否定はしない」

 

「……………」

 

「ひどい迫害を受けていた頃の方がまだ人間らしかった。あの時ナジェンダさんに拾われたのが運の尽きだね。君はいじめられているかわいそうな少女から、人を殺す殺人鬼になったんだ」

 

「……………」

 

「あの眼鏡の女も死んで当然だろ?殺し屋なんだから。罪には罰を。人を殺した人間が望んだ死に方をできると思うな、って話だ」

 

「…………っ」

 

「君が罪の意識に目覚めたならちょうどいい。今まで使ってくれたお礼に反省してる内に俺っちが殺してあげるよ。痛くないようにするから眠るように死ねる。よかったね。これで無駄死にした眼鏡の女に謝れるじゃないか」

 

「………………」

 

「………だんまりか。それは肯定ってことだよね?分かったよ。残念だけど、ここでサヨナラだ」

 

「………………」

 

「最期に言い残したことはあるかい?」

 

「………けせ」

 

「ん?」

 

 

 

 

 

「取り消せ!」

 

「………」

 

「ボスに拾われた事が運の尽き、と言ったのを取り消せ!シェーレが死んで当然、と言ったのを取り消せ!!」

 

「………」

 

「ナイトレイドは殺し屋だけど!ナイトレイドは!私達は!この世界に必要な存在だ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー私は死なない!この世界を変えるまでは!シェーレの死を意味のあるものにするまでは!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………お帰りなさい。我が主」

 

「………え?」

 

「記憶も…精神も……完全に回復しておられますよ」

 

「え?……あ!」

 

「結局、怒りによって回復するなんて……我が主らしい」

 

「わざと……ね?」

 

「えぇ。こうする他ありませんでしたので」

 

「…………」

 

「……では最後にお聞きします。あなたはどうしたいですか?」

 

「………急に丁寧な口使いになるのをやめなさい。白々しい。始めの喋り方がしっくりくるわ」

 

「答えていただければ、すぐにでも」

 

「…………早くもう一つの用というのを片付けましょ?ここから出て乙女の唇を勝手に奪ったタツミをぶん殴るわ」

 

「了解です。我が主。これからはあなたが求めるならさらなる力を貸すことを誓います」

 

「革命が成功するまで私の力となりなさい。…パンプキン」

 

「仰せのままに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで?私がやらなきゃいけない、もう一つのことって?」

 

「うん、それはね俺っちとマインちゃんの絆を深めるための儀式だよ。安心院さんがやれってさ」

 

…喋り方…直したら直したでムカつくわね。

 

「ま、儀式なんていい方は堅苦しいね。要は君に俺っちのことをもっと知ってもらおうってことさ」

 

「具体的には?」

 

「マインちゃん。君、ナイトレイドなんだから勉強もそれなりにしてるよね」

 

「まぁ……一般人よりは頭はいい自信があるわ」

 

書庫に入り浸ってた時期もあるし。今のタツミみたいに。

 

「そう。じゃあ簡単かな?その儀式はクイズだから」

 

「クイズ?」

 

「そう。じゃあいくよ?…問題です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー俺っちことパンプキンの素材になった危険種の名前はなんでしょうか?

 

 

 

 




皆さんも考えてみてね。原作中にも出てますよ?超級かどうかは知りませんが。正解者には豪華景品が!?
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