「只今、戻りました。大臣。」
「おぉ、待っていましたよ。何か進展はありましたか?」
「ナイトレイドのアジトを発見しました。が、途中で気づかれましたのでアジトの場所は恐らく変更されてしまいましたね。」
「おや?交戦はしなかったのですか?」
「流石にプロの暗殺集団を一度に相手にするのは僕でも無理です。」
「………そうですか、わかりました。一応、そのアジトに部隊を向かわせますね。場所を後で書類にして持ってきておいてください。」
「わかりました。では失礼します。」
…全く、相変わらず何を考えているかわかりませんねぇ。
これはこれで扱いづらい。
「大臣?ちょっといいかしらん?」
「おぉ、Dr.スタイリッシュ。何か用ですか?」
「ケイの定期検査の結果が出たましたのでご報告を。」
「ほぉ、どれどれ。ふむ、2年前と比べてトエテシュレーガに収納できる武器も増えて来ましたね。」
暗器の帝具、無限殺法トエテシュレーガ。空間操作を可能とする超級危険種の生き血を飲むことでその能力を得る事が出来る。エスデスのデモンズエキスと同じ、形を持たない帝具。しかし、あくまで武器を収納する帝具。攻撃力がある訳ではない。
しかし、ケイの異常なまでの殺人衝動と組み合わさることで、その能力は最凶なものとなる。帝国の切り札の一人です。ヌフフ。
まぁ一つ彼自身に問題があるのですが…それはこのDr.スタイリッシュに矯正してもらうとしましょう。
「ところで大臣?彼の妹はどうしているのかしら?」
「あぁ、それなら大切に保護させて貰ってますよ。大切にね。ヌフフ。彼女は彼女で素晴らしい才能の持ち主ですからね。丁重に扱わないといけません。」
「………相変わらずいい趣味をお持ちで。彼の両親は殺したのかしら?暗殺者育成にはよく使われる手段でしょ?」
「いえ?言いませんでしたか?彼の両親は何をするまでも無く亡くなっていましたよ。」
「あら、てっきり帝国が殺したのかと思ってたのだけど。」
「むしろ、彼の両親が死んでいたからこそ彼は暗殺部隊に入団出来たのですよ。」
「と、いうと?」
「彼の両親はすでに殺されていたんですよ。彼自身によってね。」
「!!」
「しかも彼にが5歳の時にです。動機は『人は殺したら死ぬのか試したくなったなら』…こんな逸材を暗殺部隊に推挙しない訳にはいかないでしょう?」
「確かに筋金入りの異常(アブノーマル)ね……」
「そして彼を暗殺部隊に入団させ…と言ってもほとんど個別指導でしたが。彼は生まれながらにして殺しの天才ですよ。殺すテクニック、殺されないテクニックにおいては右に出る者がいない。そしてトエテシュレーガへの適合。実質、暗殺部隊の中では最強ですよ。彼は。」
「それにあたしが作った最新兵器も腐るほど持ってるわけですし。ナイトレイド殺害も彼ならあっという間ね。」
「いえ、どうでしょう。彼には問題もありますからね。その治療はなんとかなりそうですか?」
「なんともいえないわねぇ。彼は別に病気ではありませんから。むしろ、このままの方がある意味正常でしょう。」
「正常じゃ困るんですよ。もっともっと異常(アブノーマル)になってもらわないと。」
「えげつないわねぇ。まぁ嫌いじゃないけど。まぁ私は実験さえ出来れば文句ないわ。それじゃあね、大臣。また、検査結果が出たら持ってくるわ」
「はい、ありがとうございます。」
Dr.スタイリッシュが退室する。ふふ、楽しみですね。彼が真の殺人鬼になるのが待ち遠しいです。
「あぁ、そういえばもう一人の彼はどうしましたかね。早く捕まってくれるとありがたいんですが。」
そう呟くと私は陛下のところへと戻るのでした。
深夜の帝都、俺たち帝都警備隊はこんな時間も休んではられない。最近まで首斬りザンクという殺人鬼が彷徨いていたがそいつも殺されて、深夜の見廻りも随分安全になったものである。首斬りザンクには警備隊も殺されていたからな…。本当に良かった。
そんなわけでいくらか平和になった深夜の帝都の見廻りは俺みたいな新人でも出来るって訳だ。まぁ先輩も一緒だが。
うん、今日も何の異常もないな。平和なことはいいことだ。今日もすぐに上がれそうだ。
と、思っていたら先輩から緊迫した一声が。
「おい、新入り!ちょっとこっちにこい!」
なんだろ、チンピラの喧嘩かな?と適当な考えを巡らしつつ、俺は先輩のいるところへ急ぐ。
「何すか、先輩?何か問題でも……ッ!」
先輩がいたのは奥が行き止まりになっている路地裏。そこにはいたのは血まみれになった同僚たちだ。
「なん…じゃこりゃ…」
先輩と一緒に奥へと進む。よく見ると同僚達には何かが突き刺さっている。最初は刀か何かだと思っていたが、にしては太すぎる。これは…釘?いや……螺子か?中には螺子で張り付けにされている者もいる。
「誰がこんなことを…」
「わからん、最近噂のナイトレイドかもしれねぇ、とにかく息がある者の確認を急げ!」
「はい!」
無残な姿になった仲間達に近づく。ちくしょう、誰がこんなことを…
そこまで考えると俺たちが入ってきた方角から足音が聞こえてきた。
「「!!、誰だ!」」
俺と先輩が同時に銃を構えて叫ぶ。そこには返り血を浴びた黒ずくめの男が立っていた。その右手には……、大きな螺子!
「お前が犯人か……それを置いて手を挙げろ!」
先輩の怒号が響きます。そうすると男は喋りだした。
『やだなぁ、僕はたまたまここを通りかかっただけですよ。この螺子もここで拾っただけですし。何かあったんですか?うわ!帝都警備隊の皆さんが螺子で貫かれてる!誰がこんなことを!帝都の治安を守って下さってる警備隊の皆さんに何てことを!酷いことする奴もいたもんだ…。誰がやったのか僕には皆目見当もつかないけど。』
と男はペラペラと、或いは飄々と喋りだす。
「ご同行願おうか。さもないと撃ち殺すぞ。」
『だから僕がやったんじゃないんですって。心外だなぁ、でもまぁ疑われるのも無理ないか。はい、ホールドアップ。あなた達も銃を下ろしてくださいよ。』
先輩が俺に銃を下ろすように指示をだす。一応先輩はかまえたままにする様だ。その指示を受けて俺たちの目が男から離れたその時、
ガガガガガッ!!
俺たちは仲間達同様に壁に打ち付けられた。
「ぐ…あ…」
俺はまだ辛うじて意識が残っている。先輩は…ダメだ…下手すれば死んでる…
『ホールドアップくらいで、油断するなよ。甘ちゃんが。が、その甘さ、嫌いじゃあないぜ』
「お前…何者だ…」
『さぁ?何者だろうね。僕にも分かんないや』
そこまで言って俺の意識は途絶えた。
『あれ、もしもーし。……なんだよ、質問しといて意識を失うとか。全く失礼な奴だよ。あ、もうこんな時間!明日は大好きな漫画の発売日だ!早く帰って寝なくっちゃ!』
ーー翌日、帝都の路地裏で9名の帝都警備隊が気を失った状態で発見された。幸い彼らには怪我はなく、死者も出ていない。
だが、何があったか覚えている者はいなかった。まるで昨日の夜の事がなかったことになったかのように……
めだかボックスのキャラは序盤はあまり出さない、みたいな記述をした記憶がありますが、嘘でした(おい)
めだかボックスを知らない人にも分かるよう書きますので何卒ご容赦下さいm(_ _)m
めだかボックスを知ってる人はわかりますよね?そう、あの人です^ ^