枯れた樹海と殺し屋たち   作:リンゴ丸12

9 / 54
はい、ケイとミソギの出会いの回ですね。


仲良くしようぜ

とはいえ……この広い帝都で名前だけで人を探すとか…結構無理難題だね。あっという間にもう夜だよ。

 

まぁ、大臣に捜索の依頼がくる時点で只者ではないはずなのでおそらく夜のほうが見つけやすいだろう。

 

あぁ今日はいい月夜だなぁ。こんな夜は殺意が湧き上がってしょうがない。困ったもんだよ、本当に。

 

などとくだらないことを考えていると、誰かの話し声が。あれは……帝都警備隊か?とっさに身をひそめる。こんな夜中に出歩いていたら、職質は免れない。一般市民なら軽く注意を受けてそれでおしまいだが。僕はそうはいかない。下手すれば僕の正体を見破られる。でも有力な情報を持ってるもしれないな…こっそり尾行するか。

 

 

「う〜寒っ。まだ夜は冷え込むなぁ。さっさと交代時間きてくんないかなぁ。」

 

「そうだなー。なぁお前知ってるか?この前、同僚達が記憶喪失になった事件あったろ?路地裏で襲われて。あれ、ケイの仕業らしいぜ。」

 

「マジかよ!」

 

いや、嘘だ。なんだそれ。

 

「なんでも実は、ケイは実は生きててここにきてまた活動を始めたらしいぜ。」

 

「じゃあ、あいつらスゲぇ危なかったんじゃねえか。」

 

「そうだな。次は殺しになるな、絶対。」

 

「や、やべぇじゃねえか。その標的が俺たちになるかも……」

 

「そうだな…ん?……ギャアアア!!」

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

「なんてな、冗談だよ。ビビりだなぁお前。ケイは死んでるつうの。」

 

「お前…ぶっ殺すぞ!」

 

いや、本当にぶっ殺すぞ。人を勝手に話のネタにするなよ。

しかし、そんな事件があったのか。昼はあまり動けなかったからな。十中八九その真犯人が『ミソギ』だろう。

 

 

「いや、しかし本当に不思議な事件だよなぁ。誰も覚えてないなんて……。」

 

「まぁ、怪我はなかったんだからそこまでの危険は……ん?なんだあれ?」

 

そこには、僕ですら目を疑うような、信じられない光景が広がっていた。

 

帝都警備隊の人間が何かに突き刺されて地面や床に張り付けにされているのだ。中には頭を貫通させられている者もいる。あれは生きてはいないだろう。

 

「な…なんだこれ。おい!急いで応援を呼べ!」

 

「わ…わかった…」

 

 

 

『手伝いましょうか?』

 

「「!!」」

 

そこには血まみれの男が立っていた。右手には……螺子か?あれ。倒れている人達に突き刺さっていたのもどうやら螺子のようだ。

 

「お前が犯人か!両手を上げろ!」

 

『えぇ!僕はここを通りかかっただけの一般市民ですよ!やだなぁ。銃を下ろしてくださいよ。』

 

「同行願おうか。抵抗すれば殺す。」

 

ガガガガガ!!

 

「な…!」

 

「に…!」

 

『もういいよ。そういうのは。お前らみたいなモブに付き合ってる暇はない。』

 

瞬間、警備隊達は張り付けられた。まるで

 

 

 

 

 

 

ーー時間がなかったことになったかのように。

 

 

 

 

『ま、暇はない、とか言って!この後何もやる事ないんだけどねー。』

 

「ちょっと、いいかな?」

 

『!!』

 

姿を見せるならここしかないだろう。僕は彼の前に立ち塞がる。

 

「君、ミソギ君かい?」

 

『いや?違う。』

 

「え?」

 

『僕は彼の双子の弟、ソソギだ。』

 

「………」

 

『なーんてね嘘嘘っ!引っかかったあ?だいじょーぶ正解正解っ!あってるよ大正解!そーです、僕がミソギでーっす!いやんっ!』

 

……俺は大臣から教えてもらっていたもう一つの情報を思い出す。

 

 

 

ーーー あぁ、それと。役立つかはわかりませんが最後にもう一つ情報を。彼は君と同じような雰囲気を醸し出してます。ある意味ね。

 

 

 

 

僕はこんなのと同類なのか。……普通にショックだ。

 

 

 

 

『で、何の用?サインならあげてやってもいいぜ。』

 

「いや、一緒についてきてくれればそれでいい。」

 

『えぇ…君もこいつらと同じなの?見た所警備隊には見えないけど。』

 

「いや、僕は君を捕まえに来たわけではないんだよ。むしろ栄転かもだぜ?大臣直々の呼び出しだ。」

 

『あぁ…そっち関係の人か。懲りないなぁ、大臣も。断ったらどうなるの?』

 

「別に、何もしないよ。僕は嫌がってる人間を無理に連れて行こうとは思わないからね。」

 

『そっか、じゃあ断るよ。あの豚の下で働くのはごめんだからね。』

 

そう言って彼は振り返ってその場を去ろうとする。

 

 

そして僕は彼に後ろから斬りかかる。

 

『ぐ…あ…!』

 

 

「断っても構わない。だから殺す。」

 

しかし…あまりに弱すぎる。こんな奴なんで大臣は欲しがったんだろう。まあ、いいや。大臣には見つからなかったと報告しよう。

 

 

 

 

 

 

 

『やれやれ、いきなり後ろからから斬りつけるなんて、帝都には物騒な奴ばっかりだねぇ。』

 

「!!」

 

こいつ、致命傷を避けていたのか。だとしても何故こんなにも平然としてられる。背中には切り傷が……ない…!

 

「…それが君の帝具の性能かい?回復系の帝具か。」

 

『回復なんて前向きな帝具、僕に使えるわけないだろう?僕は過負荷(マイナス)だぜ?

でも君は僕と同じ匂いがするね。だから大臣は君を僕に寄越したのかな?』

 

「だったらどうなんだい?僕と一線交えるかい?」

 

『いや、いつの間にか帝都は途轍もなく面白い場所になったみたいだねぇ。いいよ、ついてってあげる。案内してよ。大臣の所にさ。』

 

「急になんだい?僕は君と同一視されることはいささか心外なんだが。」

 

『まぁそういうなよ。仲良くしようぜ。君は大臣直属の部下か何かだろう?僕も多分そうなるからさ。』

 

こいつが?まぁ確かに回復に関しては確かに目を見張るものがあるが……

 

「まぁいいや。ついてきてくれるなら別に僕も殺しはしない。じゃあ行こうか。」

 

僕は振り返り来た道を戻り宮殿を目指す。

 

『はーい。あ、ちょっと待って。警備隊の人達の後始末をしなきゃ。』

 

「おいおい、もう死んでるだろ。あまりいじると証拠が残る……ッ!」

 

ほとんどの警備隊は確かに螺子で貫かれて死んでいた。がしかし僕が数秒目を離したすきに全て元どおり。倒れてはいるが、気絶しているだけだろう。

 

「…君の帝具は死者蘇生もできるのかい?」

 

『まさか、人は死んだら生き返らない。君もよく知ってるだろう。殺人鬼のケイ君。』

 

「知ってたのか」

 

『有名だからねぇ。手配書もあるし。でも実物は手配書よりイケメンさんだ。描き直してもらったら?』

 

「帝都を歩きづらくなるだけだよ。じゃあ今度こそ行こうか。」

 

『はいはーい、久しぶりだなぁ、宮殿に入るの。』

 

 

 

 

これが僕とミソギ、殺人鬼と負完全の初めての邂逅だった。

 

 

 

 




戦闘シーンはなかったですねぇ。でもいずれ書きますんで。原作の2人の戦闘シーンはめだかボックスの中で一番の戦いだと思ってます(°_°)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。