超エッジランナー!/cyberpunk princess kaguya! 作:徳明
前回、さんざん悩んだ末に、正直かなりの地雷要素だと思いながらも「Lucy in the ROKA」の展開でいくことにしました。
そもそも、この小説を書こうと思ったきっかけは「CがサイバーパンクのCPK!が見つからないなら、自分で作ってしまおう」
それが、この作品を投稿した理由です。
そして、もう一つ。
設定集に載っていた芦花の武装を見て、
「これ、無線じゃなくてジ〇ングみたいな有線にしたらエグそうだな」
↓
「……実質モノワイヤーやんけ!」
となったこと。
そこから、この作品の構想が固まりました。
だから、芦花=ルーシーという展開についても、最後まで悩みましたが……ここは変えないことにしました。
というわけで、ACT2-1です。
ACT1-2が詰まった時に同時並行で書いていたので、今話は同日中に出せました。
ACT2-1
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◆2030/7/12
俺の隣の席には、留学生が座っている。
デイビッド・マルティネス。
アメリカのカリフォルニア近郊生まれらしい。
この一週間で分かったことがある。
奴はアメリカン酒寄ではない。
むしろ、酒寄がジャパニーズデイビッドなのだ。
……何を言っているのか分からないと思うが、最後まで聞いてほしい。
この高校伝統というか風習として、短期留学生が科目別に班に入って、会話しながら学期末テストレベルの問題を解くレクリエーションというものがある。
当然、俺達ジャパニーズ高校生が6月末に受けたものとは違う内容なので、俺達も解きながらやらされるわけだが……。
現代文 91点
古典(古文・漢文) 67点
数学Ⅱ 98点
数学B/C 96点
英語コミュニケーションⅡ 100点
地理総合 88点
歴史総合 73点
物理 99点
化学 96点
生物 89点
合計897点/1000点、平均89.7点。
……ちなみに、我が校最終兵器の酒寄は全教科100点だ。
待って!まだ帰らないで!
そもそも物理・化学・生物は選択科目だし、そのせいでクラスの大半は役に立たない。
履修していない科目とはいえ、実際あの酒寄でさえ間違えた問題を、デイビッドは日本語で解説しながら正解している。
……なぜうちの高校では、短期留学生が授業をやっているんだ?
比較的点数が低い古典と歴史総合も、これは仕方がないと思う。
俺達基準で考えるなら、シェイクスピア文学だったり『オデュッセイア』だったりをやらされるのに近い。
……問題文も全部英語で。
それだけじゃない。
俺達が当たり前のように知っている日本史の細かい知識も、こいつにとっては外国の歴史だ。
もちろん、アメリカの世界史でも明治以降の日本については習うらしい。
ただ、それ以前の出来事や人物名は、俺達が当たり前のように知っているほど細かくはない。
俄かには信じがたいが、こいつは日本語で書かれた問題を、日本語で会話しながら、この点数を取りやがったのだ。
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今日は待ち合わせの約束がある。
ツクヨミにログインして、屋台で適当に寿司を摘まむ
醤油も刺身もにおいがしないが、鮮やかな赤のネタに軒先につるされた提灯の淡い光によって、白く輝くシャリ
……合わせて出された醤油につけてみると、寿司が醤油を吸って黒くなっていく
「凄いだろそのギミック、モデリングに1週間かかったんだ」
「凄いクオリティだ……変態だな」
「だろ?よく言われるぜ」
そう言って板前風の恰好をしたタコみたいな店主は、変態というワードに喜んで体をくねくねして喜んでいる。
ここら辺には、こういった3Dモデリングやツクヨミでの対戦ゲームに使われるような武器を作っている連中が集まっている。
今日の相手も、そういった類の人だ。
「デイビッド…今は日本に留学中だったか?」
声をかけられて振り向く、待ち合わせ時間より2分早く相手が到着した。
「久しぶりだな、ウパ山先生……日本でもアメリカでも、夏は暑くて外に出たくないねエアコンの効いた部屋でここに来る方がいい」
見た目は小学生ぐらいのクソガキに、メキシコサンショウウオの髭が6本生えており、頭の上のユーザー名には、阿保老頭児と書かれている。
うかつに「アホロートル」と呼ぶとBANされるときがあるらしく、そのせいで「ウパ山先生」と呼ぶやつが多い。
この見た目で声は中低音のイケボなのだから、違和感しかない。
「それはそうだな……俺の店に来い」
屋台を後にウパ山先生の後を追って、彼の店に入る。
「お前に頼まれていた品物だ……確認しろ」
店内に入って着席すると、メールボックスに通知が届いた。
メールの添付物を確認する。
ファイル名には「"Apogee" Sandevistan」と書かれている。
「注文通りだな、ありがとうドク」
確認が終わったので、ウパ山先生の口座にふじゅーを振り込む。
入金をしながらウパ山先生に声をかけたが、どこか上の空で、ため息がもれていた。
「どうしたウパ山先生?幸せが逃げるぞ」
「いいかデイビッド……スマコン経由で動作するIoT家電はたくさんあるし、まだ試験段階だが警視庁はスマコンのAR機能を連動させ、AI照合で職務質問を行ったりしている。」
「お前の国でも、非武装の犯人相手に警官が銃を打てなくする「スマートロック」っていうのがあるだろう……俺の言いたいことがわかるか?」
「スマコンの使用者に、直接の影響がないとか」
「そうだ、あくまでスマコンと外にある家電や銃器が接続する……ツクヨミの仮想空間だってそうさ」
言いたいことがなんとなく見えてきた。
俺とウパ山先生で作ったこれを使うと、スマコンからの発光によって神経回路を刺激し、前頭前野の活動を一時的に抑制、既存の知覚―運動回路を優先的に働かせる。
現実の世界では肉体が追い付かないが、ツクヨミでなら、専用ファームウェアで上限FPSの引き上げと、眼球のトラッキング機能を使ったショートカットキー登録でアバターを戦わせることができる。
スマコンの機能を使って使用者本人に作用を与えるような先行研究は……実験用マウスにつけるサイズのスマコンがないので、動物実験もまだない。
「デイビッド……一体何を食ったら、網膜から視覚系を経由して、前頭前野の活動を一時的に抑制するなんて発想ができる?」
「イナゴペパロニ、結構旨いぞ?今度会ったらごちそうしてやるよ」
「……結構だ」
ナイトシティでは、動物に感染する感染症や、核による放射性物質による汚染の影響もあって、
基本的には合成食糧か、昆虫食だった。
イナゴペパロニ自体、結構メジャーなピザだと思うが、この話をすると大抵引かれる。
俺としては鳥インフルエンザが猛威を振ったのもあって、鶏料理が普通に出てくる2030年の今の方が、若干引いている。
「事前にやり取りしていたが、もう一つのサンデヴィスタンは俺が預かっておく。お前に渡したそれですら覚醒剤並みにヤバい代物だからな」
「そうだな……それは今必要ない」
「まずはそのプロモーション用のサンデヴィスタンで派手に暴れろ、お前とこれなら
そう言われて、店内にある姿見鏡を見る。
「そのままの恰好じゃつまらない」とチュートリアルで言われ、ジャーマンシェパードの耳を生やすことになり、黒で統一した詰襟と裁付の上から蛍光色の羽織を着て、脚絆に草履を履いている。
ナイトシティでサイバーパンクをしていた時の恰好を、和風にアレンジしたつもりだったが、
10年くらい前に流行ったアニメの登場人物に似っているらしい。
「霹〇一閃ってか?あいつらと絡む時が来たら、考えとくよ」
そういって、俺はウパ山先生の店を出た。
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◆2030/7/15
隣席の留学生だが、この三連休を勢いとノリに任せてバイトに誘った結果、親父のラーメン店で働くことになった。
なったのだが……
「フリオ!あいつすげぇな!」
滅多に他人を褒めない親父が、べた惚れするくらいにハマった。
自慢じゃないが、親父のラーメン店は暖簾分けした系列店が多く、その元祖本元総本山として休日だと2000人は訪れる。
最初は清掃に皿洗い、レジ打ちなんかをやらせたわけだが、まぁ仕事が早い。
最終日には店じまいで行列を解散させることなく、それでいて売上は、なんと通常の1.5倍くらいになったらしい。
つまるところ、あいつ1人入っただけで普段取りこぼししたような客を売上にできたのだ。
「なぁ、あいつを正社員するにはどうしたらいい?直系店舗の店長連中がバイトしていた時より店を回すのが上手いぞ!」
「知らねぇよ、バイトできるの8月末言ってただろ」
「なら、いっそのことあいつにうちのスープと麺をわたして、アメリカでラーメン店任せたほうがいいだろ、そしたら本元のコッチまで客が来るかもしれない。」
親父が野望を抱いているようだが、あいつ自身進路としてはMITに行った後にシリコンバレーに行くつもりらしい。
俺らの高校に留学してきたのも意味不明だが、少なくともラーメン店よりシリコンバレーの方が年収は高いだろう。
まさかのかぐや誕生Skip
かぐやと彩葉の2人は狂言回しというか、舞台装置として話の展開を引っ張る役割になります。
そんなわけで、この小説はデイビッド・マルティネスと芦花(前世ルーシー)の2人が中心軸で話を回していく予定