俺救2   作:ネネネノノ

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第10話『来たよ』

「おい、まい、たくま。……すぐにここから離れろ」訓練場の結界を破り、正面から歩いてくる二つの影——クラウンとミラー、そして彼らの後ろから歪んだ笑みを浮かべて現れたきいの姿を見た瞬間、神代弦の顔から余裕が完全に消え失せた。「あはは! 見ぃつけた、まい! たくま!」きいが歓声を上げる。その傍らでは、クラウンが不気味に首を鳴らし、ミラーが鏡の破片のような呪力を周囲に漂わせていた。「神代さん……?」私は神代の背中を見て息を呑んだ。あの絶対的な強者である特級呪術師の背中が、微かに、しかし確実に強張っている。「ちっ……ブラックナンバー。上層部の奴ら、実力評価を見くびりやがったな……!」神代が呪力を爆発させ、構えをとる。だが、クラウンとミラーが同時に動いた瞬間、空気が一変した。ドォン!!と鼓膜を破るような衝撃波が走り、神代の強固な呪力の防御が、一瞬で紙切れのように引き裂かれる。「が、はっ……!?」神代の巨体が地面をバウンドしながら吹き飛んだ。特級であるはずの神代が、クラウンとミラーの二人の猛攻の前に、文字通り圧倒されている。「お前たちが追っているブラックナンバー……。奴らの実力は、下から数えた方が早いこの3人ですら、呪術界の基準で言えば『特級の中』くらいの実力があるんだよ……!」血を吐きながら神代が叫ぶ。その言葉に、私の頭は真っ白になった。特級の中。それは、特級の中で「中の下」である神代一人が、二人がかりで勝てる相手では決してないということ。「ねえねえ、まい。勘違いしないでよね?」きいが、倒れ伏す神代を冷酷に見下ろしながら、クスリと笑った。「前の戦い、このおじさんが乱入してきたから私が引いたと思ってた? 違うよ。あの時、私が最初から本気を出していれば、このおじさんなんて簡単に殺せてたんだから。ちょっと組織の用事があったから、遊ぶのをやめて帰っただけ」それが、きいの、そしてブラックナンバーの真の実力だった。あの時の絶望的な敗北すら、きいにとっては「本気すら出していない暇つぶし」に過ぎなかったのだ。「さあ、始めようか。神代弦。まずは君を殺して、その後にまいとたくまをゆっくり料理するよ」クラウンが狂気的な呪力を膨らませ、ミラーの鏡の世界が訓練場を侵食していく。私と、動けないたくまの前に、再び「本物の絶望」が牙を剥いた。

 

たたらたらたわたわあらたらたるたははまらまらあ、あやはたははたたらたはたは

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