俺救2   作:ネネネノノ

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第12話『よくやった』

「……お前ら、あのブラックナンバー相手によく生き残ったな」数日後。神代の治療がひと段落した訓練場で、特級上位の二人——リントと優斗が、私とたくまの前に立っていた。私たちは、自分たちの無力さを痛感していた。神代を巻き込み、特級上位の二人が来なければ確実に死んでいた。だからこそ、私は二人に頭を下げた。強くなりたい、と。「いいぜ、4級コンビ。お前らの根性は気に入った。神代の代わりに、俺たちが少しだけ『特級の戦い方』ってやつを叩き込んでやる」リントがニカッと笑い、優斗は相変わらず気だるそうに壁に寄りかかりながら、私たちの術式を観察し始めた。優斗のアドバイス:『主導権』の逆転「まいは、自分の術式を『たくまを人形で操る能力』だと思い込んでるだろ。だからお前の呪力操作にムラがあると、たくまの動きも鈍くなる」優斗が、前髪のないたくまの顔をじっと見つめながら言った。「たくまは喋れないし、体も動かせない。だけど『意識』はある。呪力を通すのはまいだが、『技のイメージ』はたくまの意識に主導権を渡してみろ。まいが動かすんじゃない。たくまが『こう動きたい』と思った瞬間に、まいの呪力が勝手にその通りに追従して肉体を爆発させるんだ。二人で一つのブレイン(脳)になれ」その言葉に、たくまの瞳がハッとしたように見開かれた。今まで、私はたくまを「傷つけないように、私が守って動かさなきゃ」と気負いすぎていた。それが逆に、たくまの自由な意識を縛っていたのだ。リントのアドバイス:『天秤』の隠された特性「あとさ、たくまのその身体、『天秤』の形をしてるんだろ? なんで天秤なのか、ちゃんと考えたか?」リントがたくまの漆黒の質量を軽く叩く。「術式ってのは、その見た目や形に必ず意味がある。ただの鈍器として突っ込ませたり、顔を分裂させて飛ばすだけじゃ、形が天秤である必要がねえんだよ。天秤ってのは、二つのものの『均衡』を測る道具だ。例えば、『片方の皿が受けた衝撃を、もう片方の皿(顔の射出など)の威力に変換して倍返しする』とかさ。そういう術式の『解釈』を広げてみろ」天秤の特性。ただの盾、ただのハンマーじゃない。受けた重さを、そのまま相手に傾ける。それが、たくまの本来の能力の核なのかもしれない。修行の始まり「よし、理屈はここまでだ。いくぞ!」リントが強烈な呪力を身にまとい、一瞬で距離を詰めてくる。「たくま、いくよ……! 合わせて!」私は優斗のアドバイス通り、自分の意志でたくまを動かすのをやめた。たくまの「リントの攻撃を防ぎたい」という強い意識を、私の呪力の糸で感じ取る。たくまがそう望んだ瞬間、私の呪力がオートマチックに彼の天秤の身体を動かし、リントの拳を受け止めた。ズガガガガッ!!!凄まじい衝撃。だが、今度はリントの言う『天秤の解釈』を意識する。受け止めた衝撃の質量が、天秤のもう片方に溜まっていく感覚。「いっけえええ!!」私の叫びと同時に、たくまの意思が弾けた。衝撃をすべて上乗せされたたくまの顔が、これまでにない超音速のスピードで分裂し、リントの顔面へ向けてまっすぐに射出された——。「ほう、いい筋だ!」リントがそれを嬉しそうに叩き落とす。特級上位の二人の指導によって、まいとたくまのコンビネーションは、ただの「人形使いと人形」から、「完全な一心同体」へと進化を始めていた。

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