俺救2   作:ネネネノノ

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5章『みんなへの恐怖』
50話『戦いを始めよーぜ』


最強の王編開幕

「——始まったか。ついに、世界のすべてがここで交錯する」神原司先輩の通信が、味方本部の管制室から全員の脳内へ直接響き渡る。かつてない規模の動乱が、渋谷にそびえ立つ『K』の巨大な円柱状のアジトを舞台に、ついに巻き起こった。【呪術師本部】、世界征服を目論む【ブラックナンバー】、謎の組織【K】、そして最凶の純愛を貫く一将の殺し屋【ルカ&クロエ】。四つの勢力が、東京ドーム3つ分の広さを誇る巨大な要塞の内部で、完全に互いの首を狙い合う未曾有の大乱戦へと突入したのだ。アジトの内部は果てしなく広大で、かつ複雑に入り組んだ迷宮となっている。そのため、司先輩の指示によって、呪術師たちは大阪の時と同じグループに分かれて行動(バラけて行動)していた。特級の伊織と三将の上位である一級リーダーの鈴の兄妹ペア。リントと麗華、ようまとけい、真白とアキラの特級ペア。優斗とアヴィの遊撃ペア。そして二人一組の一級術師たち。「まいちゃん、たくまくん、離れないで! 司さんの指示に集中して!」私たちのグループを率いる二級のあかり先輩が、武器を構えて叫ぶ。四級の太一とほのかも、周囲の壁が呪力の激突で爆散するたびに身をすくませながら、必死に私たちについてきていた。私の隣に浮かぶ、漆黒の天秤の姿となったたくま。前髪のない彼の顔は、二級呪術師としての誇りと、かつての親友・きいとの決着をつけるという強い意志で、鋭い瞳を暗闇にぎらつかせている。遠くからは、特級や一将たちが放つ空間を削り取るような戦闘の轟音が地鳴りとなって響いてくる。どこで誰が誰とぶつかっているのか、司先輩の視野共有をもってしても完全に把握しきれないほどの混沌。「——まい、たくま。君たちの目の前の扉だ。そこを開けてくれ。……あらかじめ話してあった『手札』が、そこで待っている」脳内に直接響く司先輩の指示通り、私は巨大な鉄の扉を強く押し開けた。「やあ、待っていたよ。二級に上がったボクたちの可愛いファン」部屋の中で待っていたのは、中性的な美貌に妖しい笑みを浮かべたハツカ。そして、その隣で古い書物を静かに閉じ、強さへの固執を秘めた鋭い瞳で私たちを見つめる奏(かなで)の二人だった。「ハツカさん、奏さん……!」「完全な『味方』として、ボクたちの力が必要な時だろ? 三将上位の実力、存分に貸してあげるよ」ハツカが「ボク」という一人称と共に独自の呪力を解放すると、奏も「行きましょう。世界の均衡を正す強者たちの戦いへ」と丁寧な敬語で頷いた。まいたち4人(あかり、太一、ほのか)+たくまのグループに、二将下位〜三将上位の実力を持つハツカと奏の二人が合流した。ゴミ虫と呼ばれた最底辺から、二級へと駆け上がったまいとたくま。世界の頂点である『一将』たちが血の雨を降らせるこの巨大な迷宮で、私たちは自らの天秤を『将』の領域へと傾けるため、混沌の最深部へと足を踏み入れた。

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