俺救2   作:ネネネノノ

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51話『乱戦』

混迷のモザイク、交錯する戦線「——各グループ、敵と接触! 乱戦が本格化している、周囲の壁からの不意打ちを警戒しろ!」本部の神原司先輩から、悲痛な叫びを孕んだ戦況報告がインカムを通じて脳内へ直接響く。東京ドーム3つ分の巨大な円柱要塞の各所で、最高峰の呪力が爆発し始めていた。【中層エリア】伊織・鈴 vs まつり「へえ、本部の特級と一級リーダーか。お前らの命、俺のお祭りの生贄にしてやるよ!」不気味なお面を被ったブラックナンバーの中位、まつりが立ちはだかる。対峙するのは、重度のヤニカス・パチカスである特級の中野 伊織(いおり)と、無口で無表情だが実は『三将レベル』の実力を持つ一級リーダーの中野 鈴(すず)の兄妹ペアだ。「チッ、うるせえガキだな。鈴、サクッと片付けて次のパチ屋行くぞ」「……お兄ちゃん、不謹慎。でも、排除する」伊織の空間を爆裂させる莫大な呪力と、鈴の特級上位(三将)に位置する冷徹な術式が、まつりの不気味な呪術と激突する。まつりも中位の実力者であり、そのトリッキーな攻撃は伊織たちの猛攻を巧みにいなしていく。空間が激しく軋み、火花が散る。戦況は、お互いに一歩も引かない互角の戦いとなっていた。【下層エリア】まいグループ vs きい・マビキ一方、私たちの進む地下通路の霧の向こうから、あの憎たらしい笑い声が響いた。「あはは! まい、たくま! また会えたね!」かつての親友であり因縁の相手、三将レベルの怪物きい。そしてその隣には、冷酷な眼光を放つブラックナンバーの中位、マビキが並んでいた。「きい……! 今度こそ、決着をつける!」私は呪力を爆発させ、あかり先輩、太一、ほのかと共に構える。隣に浮かぶ漆黒の天秤、その体から突き出た前髪のないたくまの顔が、宿敵を前に鋭い瞳をぎらつかせた。「マビキとか言ったかい? 悪いけど、君はボクたちが相手をするよ」「ええ。一将の上位を尊敬する僕として、ここで立ち止まるわけにはいきません」ハツカが「ボク」という一人称と共に艶やかな呪力を解放し、奏(かなで)が強さへの固執を秘めた鋭い瞳で地を蹴った。戦いは二つの局面に分かれる。ハツカと奏の二人がマビキを相手にし、私たち(まい、たくま、あかり、太一、ほのか)がきいの相手をする。「くっ、ハツカに奏……! なんでお前らが呪術師の味方をしてるんだ!?」マビキが冷や汗を流しながら術式を展開する。しかし、いくらブラックナンバーの中位とはいえ、二将下位〜三将上位の実力を持つ化け物二人を同時に相手にするのは、流石のマビキでも分が悪すぎた。「あはは、ボクたちの方が強いからに決まってるじゃん!」ハツカの中性的な呪力ビームと、奏の洗練された術式による猛攻の前に、マビキは防戦一方となり、確実に押され始めていた。「へえ、頼みの綱のマビキが押されてる。……でも、まい! お前ら雑魚4人が私に勝てると思ってるの!?」きいが一般人の顔が張り付いた『あかね剣』のレプリカを構え、凶悪な笑顔で私へと跳びかかってくる。「いくよ、たくま……! 新技で見せてやろう、ボクたちの努力の成果を!」【上層エリア】麗華・リント vs 春樹同じ頃、上層の吹き抜けエリアを進んでいた特級ペア、麗華とリントの前に、最悪の遮断者が現れた。「呪術師の特級か。……ここから先は、ボクたち『K』の聖域だ。通すわけにはいかないね」白衣をまとった冷徹な男、Kの幹部である春樹(はるき)。彼はハツカたちとは違い、完全に世界征服を狙う敵の立ち位置としてそこに立っていた。「チッ、睡眠時間を削ってまで修行したんだ。お前みたいな『K』の幹部ごときに、止められてたまるかよ!」リントが包帯を巻いた身体から凄まじい呪力を爆発させ、麗華も長い髪をなびかせて術式を展開、激しい戦闘が始まった。「——消し飛びなよ」春樹の手印が結ばれた瞬間、彼のまとう呪力が狂気的な熱量へと変換される。春樹の術式は、触れた空間そのものを連鎖的に大爆発させる爆発系の能力だった。ドゴォオオオオン!!!鼓膜を破るような大爆発が麗華たちの足元で炸裂し、巨大な要塞の壁が跡形もなく吹き飛ぶ。大阪での屈辱を糧に『二将』レベルの技を磨いてきた特級二人と、Kの誇る爆発の権化・春樹。上層エリアでもまた、建物を崩壊させかねない死闘の火蓋が切って落とされた。

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