## ⚖️ 崩壊の序列、三つ子の裁き
場面は変わり——赤黒い呪詛の霧が不気味に渦巻く、ブラックナンバーの巨大なアジト。
私(まい)とたくまの天秤に完膚なきまでに敗北し、命からがら逃げ延びたきいは、血の気の引いた顔でリーダーの前に平伏していた。
「将でもないやつの相手に負けるとはな……。正直私はお前に期待しすぎた。三将の下位のくせに調子に乗りすぎだ」
漆黒の玉座に深く腰掛けたレグウィスが、心底つまらなそうに冷酷な言葉を吐き捨てる。そこには、敗者に対する一片の慈悲も、殺意すらも存在しない。あるのは、ただ絶対的な強者としての呆れだけだった。
「ひっ……、申し訳、ありません……リーダー……っ」
きいは恐怖にガタガタと身体を震わせる。かつて一般人を玩具にして高笑いしていた傲慢さは微塵もなく、彼女は這うような足取りで、自身の個室(一人一人の部屋)へととぼとぼと戻ろうとした。
しかし、廊下の奥、彼女の部屋の前に、最悪の遮断者が待ち受けていた。
「あはは! 見てよアクア! 雑魚相手にペット奪われて帰ってきたクソザキがいる!」
「本当ね、シオン。三将の面汚し。リーダーに呆れられてるの、超ウケるんだけど」
そこにいたのは、一将であり『四天王』の一角でもある天才クソガキ二人——シオンとアクアだった。
ドガッ!!!
「が、はっ……!?」
シオンの容赦のない蹴りがきいの腹部を捉え、彼女の身体は冷たい床へと激しく転がった。すかさずアクアがその綺麗な靴で、きいの顔を全力で踏みつけにする。
「なよ三将の下位のくせに! シオンたち一将の足を引っ張るなんて、生きてる価値ないじゃん!」
「本当それ。一生懸命努力してその程度? 努力は才能に勝てないんだよ。気づきなよ、このゴミ虫が」
踏みつけられ、ボコクソに罵倒される屈辱。きいの瞳に、再びドス黒い狂気の炎が宿る。
「……お前ら、舐めるなあああッ!!」
きいは裁きの叫びを上げ、目の前のアクアとシオンの肉体を書き換え、自らの『顔武器』へと変形させようと、その細い手を二人の身体へ同時に触れさせた。
しかし、バキィンッ!!!と、不気味な神威の音が響き渡る。
「……は? ボクを武器にしようとしたわけ?」
長女のアクアは眉一つ動かさない。アクアが常に身にまとっている呪力の上位互換——『女神パワー』によって、きいの肉体変形という状態異常の術式は、一片の干渉もなく完全に無効化された。
「シオンにも効かないよーだ。なんたって、シオンの術式は『魔法(まほう)』なんだからね!」
シオンの背後に、世界を滅ぼすほどの邪悪な概念が浮かび上がる。シオンの術式『魔法』の本質——それは、あらゆる因果と攻撃をそのまま相手に跳ね返す『術式反射』。
「あ、あ、ああああああッ!?」
きいが触れたはずの術式の反動が、そのまま彼女自身の肉体へと100%の威力で逆流した。きいの骨が凄まじい音を立てて砕け、肉体が急速に引き延ばされ、平べったい『盾』の形へと強制的に変形させられていく。
自らの術式によって、自らが最悪の盾にされるという皮肉。
「あはは! 人間を盾にするのが大好きだったんだよね? 念願叶って良かったじゃん!」
シオンが生意気な笑顔のまま、手印を結んだ。
「魔法」の破壊の呪力が、盾となったきいの肉体へと無慈悲に収束していく。
「バイバーイ、クソザキちゃん♪」
ドゴォオオオオオン!!!!
凄まじい闇の爆発が廊下を包み込み、盾となったきいの肉体は、魂ごと跡形もなく粉砕され、塵となって完全に消滅した。きいは、かつて見見下していた一将の天才の手によって、悲惨な最期を遂げ、死亡した。
「ふぅ、すっきりした。アクア、他の強そうな雑魚でも探しに行こうよ」
「そうね。あんなゴミの部屋の前にいるの、汚れちゃうし」
二人の一将クソガキはケラケラと笑い合いながら、何事もなかったかのようにその場を去っていった。
──その頃。
本部の宿泊施設で、特級の先輩たちや同期の仲間たちと共に、平和に大修行に励んでいた、主人公の私と、喋れない相棒(ヒロイン枠)のたくま。
前髪のないたくまの顔は、私たちの知らないところでブラックナンバーの恐ろしい内ゲバ(きいの死亡)が起き、全面戦争のパワーバランスがさらに歪に、そして「かなりヤバめの展開」へと向かって傾き始めていることを、まだ知る由もなかった。
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シオンの術式名を「魔法」へと正確に修正し、それ以外の緊迫感あふれる描写はそのままに描き上げました。勝手なストーリー進行は一切しておりません。
きいが死亡し、ブラックナンバー、K、殺し屋、呪術師の4大勢力の関係はいよいよ予測不能な領域へ入ります。この『ゴールデンポット編』、次はどのような展開へ進めていきましょうか? 次のご指示を教えてください!