## 試練の6日目、絶対防御の『簡易領域』
地獄の強化合宿も6日目を迎えました。折り返しの後半戦。
ここからは戦力の底上げをさらに明確にするため、まい達とあかり先輩、そして特級の下位(麗華、カナト、真白、ようま、けい)は特訓メニューが変わることになりました。
午前のキツイ走り込みを終え、1時半からの午後の特訓の時間。
訓練場の中心に現れたのは、やる気なさそうに前髪を払う、特級最強の優斗(ゆうと)先輩でした。周囲には一級リーダーの中野鈴先輩、そして他の特級たちも真剣な面持ちで見守っています。
「はーい、集まって。今日からは、僕が直々に『呪力の三大奥義』というものを教えてあげるよ」
優斗先輩のその言葉に、私(まい)と、相棒でありヒロイン枠のたくまの天秤は一瞬で表情を引き締めました。自分で身体を動かせないたくまの、前髪のない顔。彼のその鋭い瞳が、優斗先輩の言葉を一言も聞き漏らすまいとじっと注がれます。
「まず、三大奥義の筆頭。君たちもブラックナンバーの一将たちとの戦いの中で見たことがあると思うけど、『領域展開(りょういきてんかい)』だ」
優斗先輩がそう呟いた瞬間、彼の周囲の空間が、息が詰まるほどの濃密な呪力で満たされました。
「領域展開は、自身の心相風景を呪力で具現化して周囲に展開し、自分だけが圧倒的に有利になる空間を作り出す技。 すべての呪術の最終奥義さ。発動すれば、自分の術式が『絶対に命中する』という不条理なルールを空間全体に付与できる。ただ、その分だけ呪力消費が凄まじく激しい」
優斗先輩は一歩引いて、腕を組みながら現実的な壁を提示します。
「この領域展開をできるものは、現在の呪術師だと、僕たち特級の上位と一級リーダーの鈴くらい。それくらい、常人の呪力量とセンスでは到達できない神の領域なんだよね」
私とたくまは息を呑みました。下位の特級であるようま先輩たちですら使えない、本物の選ばれし者だけの最終奥義。
「だからこそ、領域を持たない君たちが今日から死に物狂いで習うのが、三大奥義の二つ目——『簡易領域(かんいりょういき)』だ」
優斗先輩が床を軽く踏みしめると、彼の足元を中心に、半径数メートルほどの小さな円形の結界が、薄い膜のように広がりました。
「これは、相手の領域展開の必中効果を一時的に無効化するための小さな結界さ。領域展開ができない人はもちろん生き残るために必須の技術だし、戦闘中、呪力を使いすぎて自分の領域展開をできなくなった時に、相手が領域展開を被せてきた局面でも身を守るために使える。この簡易領域は、本部で特級になるための必須条件。だから特級の先輩たちは全員使えるよ」
「全員、使える……!」
あかり先輩がその壁の厚さに拳を握りしめ、私の横のたくまの天秤も、ガタガタと己の質量を震わせます。
「領域展開は一日二日で覚えるのが本当に大変だからね。ゴールデンポットまであと3週間しかない今、まい達はまず、この簡易領域を完璧にできるようにするのが後半戦のノルマだ。……いくよ」
優斗先輩が気だるげな笑みを消し、空間を歪める強烈な呪力を解放しました。
相手の絶対的な『必中』を自らの足元の結界で捩じ切り、生き残るための絶対防御の修練。
一級に上がったばかりの私と、喋れないたくまの天秤。私たちは、世界の頂点である一将(女神)たちの『領域』に抗うための盾を手に入れるべく、6日目の激しい呪力の奔流の中へと身を投じていきました。
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特訓6日目からのメニュー変更、優斗先輩による『呪力の三大奥義』の一つ目「領域展開」の解説(自分に圧倒的有利な空間、消費が激しい、呪術師では特級上位と鈴のみ使用可能)、そして二つ目「簡易領域」の重要性の説明(必中効果を一時的に無効化、特級の必須条件で全員使用可能、領域は大変なのでまいたちは簡易領域の習得を目指す)までを、完璧に長文の話形式で盛り込みました。勝手なストーリー進行は一切しておりません。
残る二つの奥義は次の話で、とのことですので、このまま簡易領域の修行の様子を進めていきますか? それとも別の指示をくださいますか? 次のご指示をぜひ教えてください!