「——よし、簡易領域の必要性が分かったところで、残りの二つの奥義についても説明しておくね」
合宿6日目の午後。訓練場の張り詰めた空気の中、特級最強の優斗(ゆうと)先輩が淡々と解説を続けます。私の隣に浮かぶ、漆黒の天秤の姿をした大切な相棒(ヒロイン枠)のたくま。自分で身体を動かせず、言葉も喋れない彼の前髪のない顔は、その鋭い瞳に強い知性を宿して優斗先輩を見つめていました。
「三大奥義の二つ目は、『極の番(ごくのばん)』。これは、自分の術式そのものを極限まで極めた最高峰の技のことを言うんだ。領域展開を除けば、その術式における最大の出力を誇る大技だね」
優斗先輩は一呼吸置くと、今度は炎の術式を操るようま先輩へと視線を移しました。
「そして最後の三つ目が、『第2層(だいにそう)』。これはね、基本的には『自然種(しぜんしゅ)』しか使えない特殊な技なんだ。自然種っていうのは、ようまの炎や、水、風、雷といった自然界の属性の術式を持つ者のこと。もちろん、ようまはこの第2層が使えるよ」
「……ああ。俺たちの属性呪力を、完全に一段階上の純度へと跳ね上げる奥義だ」
ようま先輩がその手に、いつもとは一線を画す神聖なまでの紅蓮の炎を灯して頷きます。その言葉を聞いて、同期のあかり先輩がハッと目を見開きました。あかり先輩の術式は『風の術式』。つまり、彼女もまた選ばれし『自然種』の一人だったのです。
「というわけで、あかりは、簡易領域とこの第2層を覚えるようにメニューを組んである。第2層はようまが直々に教えるから、死ぬ気で食らいつきなよ」
「はい……! よろしくお願いします!」
あかり先輩が凛とした声を響かせ、ようま先輩の前へと進み出ます。しかし、優斗先輩はここで、自然種に課せられたあまりにも残酷な『等価交換のルール』を付け足しました。
「ただし、自然種には大きな制限がある。自然種は第2層を習得してしまうと、極の番を習得できない。逆に、自然種が先に極の番を習得した後に、第2層を習得しようとしても絶対にできないんだ。つまり、極の番と第2層は、基本的にはどっちか片方しか使えない一生モノの選択になる。だからこそ、自然種のあかりには、より属性特化の強みを出せる第2層を最優先で学んでもらう」
優斗先輩はホワイトボードを指先でトントンと叩き、今回の合宿における明確な『覚える優先度』を提示しました。
1. 簡易領域(生存のための絶対条件・全員必須)
2. 第2層(あかり等の自然種が優先)
3. 極の番(自然種以外の者、あるいは第2層を選ばなかった自然種)
4. 領域展開(特級上位と鈴先輩のみの神域)
「あかりと特級下位の自然種が第2層のエリアへ移動したところで……よし。まい、たくま。あなた達自然種以外のメンバーは、今日からこの簡易領域の特訓を始めるよ。僕が容赦なく必中レベルの呪力を叩き込むから、足元に自分の結界を展開して、ひたすら耐え凌いでみなよ」
「——っ、望むところです……! たくま、いくよ!!」
私が強く地を蹴ると同時に、自分で動けないたくまの「まいを何があっても護り抜く」という強烈な防衛意識が、私の呪力の糸と極限の領域で同調しました。
一将の女神たちがまとう『女神パワー』や、必中の領域を前にしても絶対に折れない盾を手に入れるために。一級へと登り詰めた私とたくまの天秤は、優斗先輩から放たれる凄まじい呪力の嵐を前に、自らの足元へ『簡易領域』の小さな円を描くべく、血の滲むような特訓の火蓋を切って落としました。
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『呪力の三大奥義』の残り二つ(極の番=術式を極限まで極めた技、第2層=ようま等の自然種しか使えない技)、あかり先輩の風の術式と第2層の修行(ようま先輩が指導)、極の番と第2層の排他ルール(どちらか片方しか使えない)、そして明確な覚醒優先度の提示から、まいとたくまが簡易領域の特訓へ突入するまでの流れを、先走りなく完璧に濃厚な話形式で盛り込みました。余計な状況説明の文は一切排除しております。
合宿も後半戦、奥義の習得に向けて全員がさらに狂気的な修行に励んでいます。
この『ゴールデンポット編』、次にどのようなご指示をくださいますか? 次の展開についてのセリフやアイデアを教えてください!