れとろげ!〜無趣味な男がレトロゲー好きの女に振り回される日々〜 作:スーサン
「このフォトラブってどんなゲームなんだ?」
手渡されたデモノを認め小首をかしげる。
「親父から型落ちのデジカメ貰ったけど?」
天愛の声が当たり前のことを当たり前の感覚で答えられる。
「写真を撮るんです」
「写真?」
「先輩でもわかりやすくいうならパケモンスナップの系譜かもしれませんね」
「なんだ……そのパケモンスナップって?」
「今の時代だとパケモンスナップってマイナーなんですね」
呆れたように首を振る。
「今度、ズイッチでやりましょう」
「ズイッチ……?」
「あ、ちょうどヒロインが来ましたね」
幼馴染の女の子が明るい顔で話を始める。
レイジの顔が慌てる。
「なんか会話が始まったぞ? えっと、このグラフのように波打つレールにアイコンが流れてるがこれに合わせて返事をするのか?」
綺麗に波を作って移動するカラフルなアイコンを見てレイジは慌てる。
天愛の声がラインの真ん中を仕切る長い棒を指差す。
「そのアイコンが真ん中に区切られたバーの上にあって同じ色の会話のポップアップを押すと会話が成功します」
「もしラインから下の失敗を押したらどうなるんだ?」
「アイコンが下の時に会話が成立すると失敗。アイコンを選ばず時間切れになっても会話は失敗です」
「難しそうだな」
困ったようにレイジの瞳が糸目になる。
天愛の声が弾む。
「このシステムも面白いんですよ」
アイコンの流れるラインを指差す。
「さぁ会話してください」
「……この新美春奈(にいみはるな)ちゃん王道っぽくって可愛いな」
「ま、まぁ可愛いのは可愛いんですけどね……」
少し言い淀むように天愛も目がバツが悪そうに細まる。
「お、なんか本当にこの会話システム面白いな……」
ピッピッと会話を成立させていくと好感度のパラメータが上がっていく。
「メーターがマックスになったな?」
「メーターがマックスになったなら会話選択のアイコンにカメラのレンズがあるでしょう。それを押してください」
「こうか」
気持ちのいい音と一緒に春奈の優しい顔が嬉しそうに微笑む。
「お、ここからは自由にフィールドを動けるのか?」
目の前に立つ美少女にレイジは喉を鳴らす。
「え……これ好きに撮っていいの?」
視点を自由に変えられることにレイジは戸惑いどうすればいいか聞く。
天愛もゆったり立つ幼馴染の顔を指差す。
「まずは距離を詰めて顔をアップにして写真を撮ってください」
「こうか?」
なるべく顔全体が映るようにカメラのレンズを構える。
「そのまま本体(PZP)のRボタンを押してください」
「こうか?」
PZPに備えられたRボタンを押す。
ガチャッとシャッターの切られる音が鳴る。
写真が撮られビヨンッと気持ちのいい音が流る。
レイジの眼前にBeautifulの文字と899という数字が流れる。
「これはポイントが貰えるのか?」
「これで問題なくなりましたね。じゃあ先輩、屈んでください」
「え……屈め?」
「早くしてください。また昼の授業サボることになりますよ」
「い、いや……ちょ、ちょっと待て。このまま屈むと下着が見え……見えた」
言われるまま視線を下げると幼馴染の綺麗でセクシャルな下の下着が露わになる。
天愛の鼻息が荒くなる。
「そのまま撮ってください! 幸い一発で高得点のBeautifulが撮れた以上、後は欲望のままエロイ写真を撮るんです! と言うかこのゲームはいかにしてエロイ写真を撮るか! それを極めない奴にこのゲームを楽しむ資格はありません!」
「って、勝手にシャッターを押すな!」
パシャッと写真が撮られる。
びょぉんとどこか扇情的な音楽が流る。
レイジの眼前にEroticの文字と共に980点高得点が表示される。
「……」
レイジの中になにか吹っ切れる音が聞こえた。
つづく