れとろげ!〜無趣味な男がレトロゲー好きの女に振り回される日々〜 作:スーサン
「はい。私の口をつけたコーラ、タダでいいですよ♡」
「そっちの口を着けてないほうをくれ」
「……」
チッと舌打ちをしプルタブを空けてない缶コーラを投げ渡す。
「先輩ってギャルゲーの主人公なら確実にプレイヤーから嫌われるキャラですよね」
「どうせ俺は面白みのない男だよ」
プルタブを開け、中身を飲み出す。
「ふぅ……」
甘い息を吐く。
「もうそろそろ昼だしさっさとガチャガチャやっちまおうぜ。腹も減ってきたし」
「それもそうですね……」
一度呼吸を整える。
ガチャガチャの投入口に百円玉を五枚挿入れる。
レバーに指をかける。
天愛の息が荒くなる。
「このクソゲーも出るのではと思うような緊張感……堪らないですね」
「なんでそんなものを引き当てることも前提で金を出す」
「よし……行きますよ」
レバーハンドルをガチャンッと回す。
下の排出口から大きめのカプセルがゴトッと吐き出される。
カプセルを手に取る。
「蛇が出るか蛇が出るか」
カプセルを開く。
「DSソフトですね」
少しガッカリした表情で小さいソフトを手に取る。
「DS移植版の逆転探偵2ですか? 名作ですけどこれは外れですね」
「今オークションで見ると300円くらいの値段で売ってたぞ」
「クソゲーじゃないだけマシですか?」
またコインを五枚投入する。
レバーハンドルを回しガチャッと音が鳴る。
排出口からカプセルが転がり出る。
「……」
中を開く。天愛の喉からオッと声が出る。
「のだめコンサートですか? これは知らないゲームですね。ちょっとAIに評価を聞いてみますか?」
「お前、AIも使うのか?」
「手っ取り早いですからね」
AIアプリにゲームの名前を打ち、評価を聞く。
「クソゲーではないですがやはり五百円以上かと言われると以下ですね」
最後の一回として投入口にコインを五枚入れ、レバーハンドルを回す。
排出口からカプセルが落ちる。
拾って中を空ける。
天愛の目が少し見開く。
「これはDSソフトのパケモンダンジョン闇の探検隊ですね。これは調べなくっても相場価格五百円前後ってところです。ここに来てようやく帳尻があったって感じですね?」
「なんか嬉しそうじゃないな?」
「だってもっとレアなモノが出ると思ってましたから」
少し肩透かしだとため息をつく。
レイジも呆れ表情を浮かべる。
「いやポップアップに最大2000円と書いてあるからそんなにいいモノでないだろう。まぁ古いゲームに2000円も価値があることがびっくりだが……」
「まぁ戦利品としてはちょうどいいですね。最後の最後にいい物出ましたし……」
チラチラとガチャガチャを見直す。
レイジの指が天愛の耳を引っ張る。
「ほら約束だ。メイド喫茶に案内しろ」
「あ、待ってください……普通に歩けます! もう一回やろうなんて全然思ってませんから!」
「オタクはみんなそう言うんだ」
このままだとガチでガチャガチャで散財しそうだった。
レイジは心を鬼にして天愛の耳を引っる。
「……」
意外と耳たぶの掴み心地が良いんだなと少しだけ、ときめくレイジだった。
つづく