れとろげ!〜無趣味な男がレトロゲー好きの女に振り回される日々〜 作:スーサン
「失礼します」
「失礼しました……」
頭にたんこぶを作り、レイジと天愛はお互いに肩を並べて生活指導室の扉から出ていく。
お互いの足を踏み合いながらそっぽを向く。
「逃げないのかよ?」
「怒られたくないので……」
さっきまで学校中を走り回っていたことを咎められ生活指導の先生に「鉄拳制裁」を受けていた。
二人ともまだお互いの足を踏み合っていた。
「あぁぁ……俺がなんでこんなめに!」
「先輩が悪いんですよ! 先輩が……先輩が……あれ? 私達、なんでケンカしてたんでしったけ? 途中で走るのが楽しくなってケンカしてる理由を忘れたんですけど」
「……」
こいつにシリアスを求めるのは無理なんだろうなとレイジは呆れる。
「なぁ……飯でも食わないか?」
「はっ? 先輩が私を食事に誘う? 何か悪いモノでも食べました?」
「ちなみに占いは多少当たった程度で割と外れたな」
「占い? ああ、あの変な人……先輩をバカにして許せませんよね!」
「お前、さっき俺をホモ扱いしたよな?」
「違うんですか?」
「違うわ!」
タンコブの出来た天愛の頭を押さえつける。
ググッと盛り上がっていたタンコブを元に戻す。
「あの……人をなんだと思ってるんですか?」
「非常識人」
「サクトさんに行ってください……あれ? なんかサクトさんと逢った気がするんですが今日、逢いましたっけ?」
「……今度、本当にメイド喫茶に連れて行ってやるか」
「私のアルバイト先にサクトさんを連れてこないでくださいね。」
「はいはい……」
屋上に繋がる階段裏の隙間に入るとレイジと天愛は廊下に直に座る。
「先輩はお母さんが作ってるんですか?」
「ああ、そういえばお前の親、観たことないけどもしかして一人暮らしなのか?」
「まさか。私の両親、夜勤勤務の医者でたまたま先輩がいた日は親が夜勤で家を空けてたんです。だから誘ったんですよ」
「なるほど……親御さんも大変だな」
信頼して家を預けている娘が同じ学校の人間とは言え男を連れ込んでると聞いたらどんな顔をするか……
「先輩、その唐揚げこのブロッコリーと交換しません?」
「せんわ! ていうかその弁当は親が作ってくれてるのか?」
「連勤の際はまとめて弁当を作ってくれてるんです。でも……親が先生のせいかやたら野菜を多くするから困ります」
「のわりに……」
ぷるぷる震える大きな胸を観て、慌てて目線を逸らす。
天愛もレイジの視線にすぐ気付き、ニヤニヤする。
「もし先輩が私の言うことをなんでも聞いてくれたら好きな時に一回だけなら触らせてあげますよ♡」
「うるさい!」
「うむぅ!?」
口の中に唐揚げを突っ込まれ天愛の目がハートマークの潤む。
「美味しすぎる♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
どうやらレイジの母の作る唐揚げは彼女の舌にベストマッチしたらしい……
震える身体に合わせて大きな胸もぷるん震える揺れ動く。
つづく