レイジさん達の元へ戻っている最中、風間さんの戦線離脱の報告が流れてきた。
今は気にしても仕方ないので気にせずに玉狛第一と合流した。
「来ました、作戦は?」
「あいつを自由にするわけには行かない、足止めだ」
「了解、いつも通りサポートと妨害に回ります」
「頼んだ」
「小南、足場は?」
「作ってくれると助かるわ」
「了解」
ラービットという新型トリオン兵5体と戦う小南のために、踏むだけで簡単に壊れるシールドを空中に大量に張る。
足場としては十分だろう、小南だし。
「どうやら、ヒュース殿はやられてしまったご様子…なら、私めが金の雛鳥を回収せねばなりませんな」
そう言うと、爺さんの剣士は即座にシールドを破壊してきやがった…なんなら、そのまま周りを更地にして動きやすくされたのではないか…?
「レイジさん、あの人にこの4人で勝てます?」
「無理だ」
「無理だろ」
「かなり、まあまあ、やるわね…!あのお爺ちゃん」
かなりまあまあ?やべぇじゃん…
その場から動かないし、妨害出来てもエスクード射出とかか?でも、その場合は間合い管理が相手よりうまくないと勝てないし、なんならそれすら利用されそうだなぁ…
「幼いのに、侮れませんな」
「そりゃ、どうもッ!」
「ほう?刃が溶けてしまいましたか…」
トリガーの攻撃が刃ということはわかってたが、防御も刃によって行っていたようだ。
つまり、攻防一体のトリガーということか。
なら、溶かし続ければ攻撃の鋭さも落ちて、防御も不能になる。
まずは、安定した足場を増やそう。
「シールド」
小南のために用意した足場とは違い、普通に乗れるシールドを等間隔で配置する。
切られたら普通に壊れるが、無いよりはマシだろう。
「メルト」
「!なるほど…刃を溶かし切るつもりですか」
「さあ?どうでしょう?」
「なかなか骨が折れそうな相手です…」
すると、いきなり腕のレイガストにヒビが入り、砕けていく。
急いでその場を離れるが、手だけは切られてしまった。
トリオンの漏出を抑えるためにスコーピオンで塞ぐ。
落ちた手の位置は切られたところからかなり離れたところに落ちていた。
「…レイジさん、相手のトリガーの種はわかったかもしれませんよ」
「なんだ?」
「おそらく、高速回転する刃です。」
「…なるほど、それなら今までの周囲の被害にも頷ける。」
「おや、今ので見破られてしまいましたか…ですが、貴方達は突破できるでしょうか?」
レイガストを修復し、追尾弾4発を打ち上げて放つ。
遥か上空から追尾弾が3発、爺さんを襲うが、少し爺さんがズレると空中で無力化された。
簡単な原理だけど厄介な相手だ…
「…おや?」
後ろから回らせていた追尾弾1発も無力化された。
次の手は腐食弾で刃を全て溶かす。
シールドを飛び移りながら腐食弾で爺さんを撃ち続ける。
刃の切れ味は下がったかもしれないが、見た目は倒して変わってない。
「勝てる気がしないな、アレ」
「そりゃそうでしょー、俺みたいな実力派エリートがいないと、ね!」
「迅さん、そこは俺たちっていうところじゃない?」
「確かにな、俺たちみたいな実力派エリートがいないと」
「迅さん、遊真くん」
迅さんと遊真くん、そして本体のでっかい方ではなく、ちっこいレプリカ先生が来ていた。
「レプリカ先生の本体は?」
「ちょっと野暮用でな『修と千佳を守ってるよ。』」
『なるほど』
心強いと思っていると、予想とは違う方に舵が切られた。
「堅護は東に向かってくれ、そこだけ正隊員の配備が遅れてる」
「え?…なら、この場は任せます。遊真くんの黒トリガーに学習だけさせますね」
「む?」
目の前にシールドを出して、腐食弾で溶かす。
「おー、溶けた」
「コレで使える?」
「レプリカ?どうだ?」
『…解析が完了した。印は「
「OK。ありがとな」
「ううん、気にしないで。じゃあ行ってくる」
エスクードで飛び、遊真くんが出したグラスホッパーみたいなやつに乗って東に向かった。
もちろん、爺さんは攻撃しようとしてきたけど他のみんなが防御せざるを得ない攻撃をしたので、僕は見逃された。
東へ行く途中にバムスターなどの既知のトリオン兵が玉狛と爺さんの居た場所まで向かっていたので炸裂弾でできるだけ破壊しておく。
『レイジさん、そこにトリオン兵が何体も向かってます。多少は破壊しましたが、まだいるので気をつけてください』
『そうか、わかった。こっちで対処しておく。宇佐美は堅護のサポートだ』
『あいあいさー!』
東に着くと新型トリオン兵が何体もうろついていた。
『新型が10体近く彷徨いてますよ』
『じゃあ、ナビゲートするから1体ずつ倒していこうか』
『お願い栞ちゃん』
『ふふん、まかせ給え。まっすぐ進んで注意を引きつけようか』
『了解』
走って注意を引く。
『4体引きつけてます』
『それじゃあ、頭を溶かしちゃおうか』
『了解』
耳らへんから口のあたりまで腐食弾で溶かしていく。
目が剥き出しになったら、炸裂弾を放つが腕で防がれた。
『腕で防がれました。腕も溶かします』
『はいはい、うーん…それよりもエスクードで体勢崩したり、上から撃っちゃったほうがよくないかね?』
『なるほど…じゃあ、そうします』
腕のレイガストをブレードモードにして投げで腹を貫いて突き刺さる。
それをエスクードでレイガストに引っ掛けて持ち上げることで体勢を崩させる。
腕の比重が大きいのか、足が浮いたので腕で立とうとしたところを炸裂弾で倒した。
『1体撃破。2体目も同じように撃破します』
『はいはい、じゃあ後ろに退いて瓦礫を目眩ましにしちゃおう』
指示通りにエスクードで瓦礫を吹き飛ばして煙幕を作る。
そのまま、追尾弾で目を撃ち抜いた。
『残り3体も撃破完了』
『お、ナイスー』
『他のも倒しますね』
『その前に、お腹の子達を取り出しておいてくれない?』
『了解です』
腐食弾で溶かして、腹からキューブを取り出す。
それからマントの『天羽衣』を風呂敷にしてキューブを運ぶ。
『今度は色付きですね。取り敢えず、さっきと同じように頭を溶かします』
『あいあいさー。んーと、色付きのラービットには特殊能力が付いてるらしいから、それを確認してから戦闘開始しようか。離さないように逃げてくれる?』
『了解、近くにいる灰色の新型をおびき寄せます。副作用での視覚情報ってそっちでも観れます?』
『観れるよ。本部にも共有する?』
『はい、お願いします。副作用使って新型の大体の位置を観せるので作戦立案お願いします』
『流石に色付きの新型は躊躇しちゃうんだ?』
『迅さんが僕を送ったってことは、新型以外も出そうなので』
『あー…なるほどね…』
迅さんが僕を送るってことは、厄介で面倒な相手がいるってことだ。僕はカチカチすぎて弱い攻撃は効かないから、パワープレイができる相手なら迅さんは送りつけない。
となると、小賢しいタイプだな。
もしくは、バランス型なやつ。
僕が封殺できるか、相性がいいってなるとこれくらいしか思いつかない。
両腕にレイガストを付け直し、追尾弾で灰色の新型を撃つ。
周りにいた黄色の新型と紫の新型もこっちへ向かってきた。
副作用で後ろを見つつ、前を向いて走る。
『視覚情報共有できてます?』
『うん、灰色のラービットがチャージ始めてるよ』
『見えてます。走りながら転移のスイッチボックス置くので、起動のタイミングで合図してください。射撃のタイミングで倒させます』
『オッケ~、まかせて!』
ノンストップで走りながらスイッチボックスを置いていくと、黄色が磁石を飛ばし、紫が腕を地面に叩きつけた。
しかし、磁石の数は少ないし、紫は腕がグニャリと変形していたのでなんとなく狙いはわかった。
エスクードで新型の前を防ぐ。
視界で位置を把握し『もぐら爪』をやってるなら位置は大体でしか掴めないだろうし、磁石も防げる。
エスクード1回で一石二鳥だ。
さらに、視界に頼らずに『もぐら爪』をやってる場合の対策として、シールドで少し浮く。
こちらは副作用で位置の把握もできるので追尾弾で目を狙う。
だが、口を閉ざされたことで防がれた。
灰色は空を飛んで撃ってきた。
他の2体は膂力で普通に飛び越えて向かってくる。
『今行けるよ!』
『はい!』
スイッチボックスを起動し、黄色を自身の背後に相手に向く形で転移させ、射撃の盾にした。
すると、柔らかい腹が砕かれたので新型の肩を這うようにスコーピオンで内側から突き刺して目を破壊した。
腹からこぼれたキューブを一つ回収し、風呂敷にしてるマントの隙間を少し広げてそこに入れ、心と風呂敷を引き締めた。
『黄色の新型は撃破、コイツの中身は回収しました』
『次はどっちからにする?』
『紫にしましょう。「もぐら爪」と技が似てるから対処がしやすいので』
『オッケ~』
エスクードで液体化した新型の腕を分割してみるが、また元に戻ったので、意味がないと結論を出した。
そこで、灰色の新型を見るとチャージが始まっていた。
『灰色の砲撃の時の口って開きっぱなしでした?』
『目のところから発射されてるから開きっぱなしになってると思うよ』
『じゃあ、予定変更して先に灰色からにします』
さっき黄色を倒す前にスイッチボックスを仕掛けた所に丁度灰色が留まってくれているので、槍のスイッチボックスで横と下から容赦なく目を突いた。
『灰色の新型を撃破。近くの残りの新型は紫のみです』
『了解!じゃあ、後はシールドの足場で上から撃ち続けようか』
『はい』
シールドを大量に出し、その上を移動しながら腐食弾と炸裂弾を撃ち続ける。
『ギイイイィィィィィィィ!』
攻撃を受けながらこっちへジャンプしてきたが、その途中で黒い空間の穴が開き、こっちに攻撃が返ってきた。
とっさにシールドで防いだ。
『新手が来ました。能力はサポート寄りだと思います』
『こっちでも把握してるよ、空間を繋げてるのかな?』
『おそらく、でも姿は見えませんね』
『本部で仲間殺しの近界民が出たって話があって、その近界民もゲートを開いて出てきたらしいから、その近界民じゃないかな?』
『そうなんですか?』
新型の声がうるさすぎて通信聞けてなかったのか?
まあ、いいか。
取り敢えず、先に新型を倒すか。
炸裂弾で煙幕を張る。
それに紛れつつ、追尾弾と腐食弾を放ち新型を撃破した。
『紫の新型は撃破。近界民の姿は見えません。腹の子たちを回収しますので、周囲の警戒は任せました。』
『オッケ~、早く回収しちゃって』
紫と灰色の新型の腹を裂き、キューブを計15個回収した。
邪魔が入るかと思ったが、どうやら遊真くんたちの相手をしている人の援護に丁度行っていたようだ。
天羽衣の風呂敷にキューブを詰め込み、トリオン兵を倒していると
「は~い!久しぶり!」
「あっ!加古さんと黒江ちゃん、やっと出てこられたの?」
「ええ、やっっっとね…!」
「はい。継戦のためとは言え、本部に残しすぎだと思いますけど」
「迅さんがいるとは言え、元々数日かけて侵攻されるものだからね…4年前もそうだったでしょ?」
「そうね。それに、今はそれだけ隊員に余裕があったってことだし悪いことじゃないわ」
「これから新型狩りと雑魚狩りするんですけど一緒にやります?」
「そうね、貴方の副作用があれば助かるわ」
加古隊の2人に栞ちゃんに頼んで、副作用の視覚情報を共有した。
「じゃあ、防御はお任せください。攻撃は任せます」
「ええ。ついでにうちに入らない?」
「ガールズチームに男一人で入るのは気まずいので遠慮しておきます」
「そう、なら女の子になりなさい?」
「助けて黒江ちゃん…」
「…海外に旅行にいきますか?」
「取ろうとしないで!?」
「「『ブフッ…』」」
まあ、オチはついたか…
普通に落ち着かせて欲しかったんだが…
その後、十分ほど新型を狩り続け、新型がいなくなった。
「じゃあ、雑魚狩りに行きま!?」
その時、真後ろにゲートが開いたのを確認してスラスターで回転して振り向きレイガストを広げてガードする。
それと同時にランチャーのハマる穴を開けて炸裂弾を撃ち込む。
加古さんもスラスターで回転した頃には追尾弾と通常弾を撃ち込んでいた。
黒江ちゃんは旋空で近界民の腕を切っていた。
「なっ!?」
『ビ――!ビ――!警告。トリオン漏出甚大。緊急帰還を開始。5分以内に船に帰還してください』
『申し訳ございません!ハイレイン様!ゲートから船を攻撃されました!急いで戻ってきてください!』
おっ、ラッキー!
もっと壊そ。
炸裂弾と腐食弾を撃ち続ける。
「加古さん達も、もっとぶっ壊しましょう。ストレス発散も兼ねて」
「あら、良いわね、それ?」
「名案ですね」
腕を切られたからか、制御が出来ずにゲートが開きっぱなしなので、黒江ちゃんは旋空、加古さんは追尾弾、僕は炸裂弾と腐食弾を撃ちまくって船をボロボロにしていく。
その余波でゲートを開いてたっぽい近界民のトリオン体が破壊され、ゲートが閉じていく。
『ハイレイン様!帰還します!』
『ハァ…ハァ…ああ』
そんな声が聞こえると、空が晴れていく。
じゃあ、後は雑魚狩りしないとな。
堅護は副作用を用いて常に上空からの視点でも見ている。
大体こう見てる
↓↓↓↓↓↓↓↓
←
←(堅護)
←
偶に偵察にも使う
↓↓↓↓↓↓↓ ↓↓↓↓↓↓
┃ ビ ┃
→ ┃建┃ ┃ ┃
(堅護) → ┃ ┃ ┃ ル ┃ (誰か)
→ ┃物┃ ┃ ┃
良ければコメントに改善点とか書いてくれれば助かります
ここの描写がどんな感じかわかりにくかった、など