今回も過去編ですが、次回で過去編終わりとなります
スキル【和国流桜】で流桜の使用が可能になったが、この身体ではまた一から鍛え直しということになった流桜。
使えるようになったばかりで鍛え直す必要がある流桜を鍛えていく為に、極東の怪物達と戦う日々を過ごす毎日。
強敵とも言える怪物達とも希に遭遇し、より鍛えられていく流桜は、少しずつ力強くなっていく。
意思の力とも言われる流桜を磨き直していく最中、少しずつ力を取り戻していく感覚があり、刀に流した流桜を深く深く刀に結び付けるように流し続けていった。
日々行う怪物との戦いにより、毎日少しずつ刀へと染み付いていく流桜の力。
より強い流桜を戦いの最中であるからこそ刀に無駄なく流し続け、歴戦とも言える戦いで流した流桜こそが刀を黒刀と化すと信じ、流桜を用いた戦いを幾度も繰り返す。
怪物を狩る剣鬼と極東で私が呼ばれ始めた頃、刀は見事な黒刀と化していた。
極東での名称と、正式な名称が違っている怪物は、極東にはよく居るそうで、私がこれまで倒してきた怪物の正式な名称を教えてくれたカナヤゴ様。
がしゃどくろと呼ばれていたのは、スパルトイの強化種で、ミズチと呼ばれる大蛇は水に適応したラムトンの強化種であったが、その2体を倒したことでLv3にランクアップした私は、それから3年後に、大百足と呼ばれ恐れられていたヴェノムスカイ・センチピード・ドラゴンを退治してLv4へと到達している。
Lv4となった現在の私は、今生ではようやく14歳となっており、ランクアップで発展アビリティは増えていても、魔法やスキルなどは増えることがなかったこの6年間。
そんな6年間の間に極東で数多の怪物と流桜を鍛え直しながら戦った結果、黒刀と化していた刀を見たカナヤゴ様が、とても驚いていたのは確かだ。
かつて鬼が居る大正時代で、鬼狩りの鬼殺隊として働いていた時、渡された日輪刀という刀は色変わりする刀であったが、黒刀ほどの強度はなかったな。
私が持つ2本の刀を作ってくれたのはカナヤゴ様であったが、他国から輸入されたミスリルという加工しやすい金属で作られていた私の刀は、黒刀と化したことで強度がオリハルコンよりも上になっていたようだ。
流桜というこの世界では私しか使えない力によって生まれた黒刀は、折れず曲がらず欠けることもなく半永久的に使用可能な武器としてカナヤゴ様に認められたが、それでも手入れはちゃんとするようにと忠告されたので、日々刀の手入れを欠かすことはない。
カナヤゴ様の鍛冶工房には、ミスリル以外にも他国から輸入されてきた鉱石や金属などがあり、頑丈な白剛石やアダマンタイトは、迷宮都市オラリオのダンジョン産であったりもするそうだ。
この世界には極東以外にも様々な国が存在していて、その土地にしかないものもある。
他国から輸入された鉱石や金属を見て、極東以外の国がどんな場所なのか気になっていた私は、いずれ極東以外の国を見てみるのも悪くはないかと考えていた。
そんなある日、カナヤゴ様から「世界は広い。極東だけに囚われずに、外の世界を見て回ってみるといいじゃろう。巣立ちの時じゃ時雨」と言われた私は、背の恩恵を改宗可能な状態にされて、そっと背中を押されたが、どうやらカナヤゴ様は私が旅立ちたいと思っていたことを見抜いていたらしい。
「カナヤゴ様。長い間お世話になりました。このご恩は一生忘れません」
深々と頭を下げて、本心からの感謝をカナヤゴ様に伝えた私は極東を出ていくことに決め、鍛冶工房の鍛冶師達にも別れを告げて、極東から旅立つ。
カナヤゴ様から背を押される形で始まった放浪の旅では、様々な土地を見ることができた。
旅をしていた2年間の間に竜の谷から降りてきたという竜も何体か討伐し、それからも旅を続けていたが、廃墟となった村で黒い飛竜の群れと遭遇することになる。
黒い飛竜達は、竜の谷の黒竜とはまた違う存在であるようだが、並みの竜よりも明らかに強い。
黒い飛竜が放つ大火球を両断し、此方が飛ばした斬撃を身を翻して避けた飛竜達は、野生の勘が鋭いようだ。
大跳躍し、飛竜の背に乗り移ると、1頭1頭の首を斬り落としていくが、首の強度はかなりのもので、流桜無しでは斬れない飛竜の首。
不意に凄まじい大音量の咆哮を上げた飛竜に吹き飛ばされて、竜の背から落とされた私の身体。
首を斬り落とされた他の竜の魔石を喰らい、強化された残りの1頭は、飛行速度が段違いに強化されていて、空中で円を描くように飛びながら飛行速度をとてつもない速さに加速させた飛竜が、最高速に加速した状態で此方に突撃してくる。
音の壁を越えて衝撃波を撒き散らし、突っ込んできた飛竜本体の突撃はなんとか回避したが、余波の衝撃波に身体が吹き飛ばされ、廃墟となった民家を突き破り大木を幾つかへし折って、ようやく止まった私の身体。
流桜で防御していようが、防御した以上に威力があった余波の衝撃波だけでズタボロとなった私の身体。
余波だけでこれだとするなら、飛竜本体が身体に直撃すれば、間違いなく死ぬだろう。
再び空中で円を描くように飛び始めた黒い飛竜は加速を続けていくが、最高速まで到達するまで、あと僅かな時間しかない。
もう1度此方に突撃してくるであろう黒い飛竜を、今度は動かずに待つことにした私は深く息を吐き、精神を集中させていくと、黒刀を上段に構えたまま、飛竜の突撃を待つ。
極限の集中により、周囲の全てを感じ取ることが可能になってきたところで、回ることを止めた黒い飛竜が最高速を維持したまま、此方に突撃してくる。
通常の感覚では、視認することが明らかに不可能な速度にまで加速している飛竜による突撃。
それを捉えるのは私の流桜であり、ワノ国以外の呼び名で言えば、見聞色の覇気。
この身体は見聞色が凄まじく苦手なようで、意識を集中しなければ、まだ使えない見聞色。
修行を繰り返したことで、集中している時なら見聞色で未来が見えるようになった私は、見聞色の未来視で捉えた黒い飛竜の動きへと、合わせる形で黒刀を振り下ろす。
黒い刀身が飛竜の頭部へと沈み込んでいき、突き進む黒刀の刃。
瞬く間に黒い飛竜を頭部から断ち斬っていく黒刀は、飛竜の身体を完全に両断していく。
真っ二つとなった黒い飛竜が動くことはなく、最後の飛竜も討伐することに成功した私は、黒い飛竜の胸部から魔石を抜き取っておくことにした。
それから廃墟となった村で身体を休めて、外傷を【クスリバコ】の魔法で治療した私は、誰もいない家の中で寝転がって就寝。
翌日に目覚めて、廃墟となった村を出ようとしたところで眷族を連れた女神様と出会うことになった私は、仮の眷族として恩恵だけ一時的に更新してもらえないか頼んでみた。
黒い飛竜達を倒したのが私だと知ると、仮の眷族とすることを許可してくれた女神様は、アルテミスという名前であるらしい。
さっそくアルテミス様に背の恩恵を更新してもらうと、どうやらランクアップが可能になっていたようである。
ステイタスがSまで極まっていたことを確認した私はランクアップさせてもらったが、新たなスキルが発現していたみたいだ。
サミダレ・時雨
Lv5
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
耐異常:E
剣士:F
拳打:G
治療:I
《魔法》
【クスリバコ】
《スキル》
【生来痣者】
【和国流桜】
【強化念系】
・強化系の念の使用が可能
新たなスキル【強化念系】により、私の系統だった強化系に限定されるが念の使用が可能となった。
念が使えるなら多少は身体が頑丈になるかもしれないが、この身体では念も、また鍛え直す必要があるようだな。
しっかりと念も鍛え直していくとしよう。
主人公が戦った飛竜は、黒竜の鱗を食べたことで完全に別種のモンスターに変化したイル・ワイヴァーンの群れでした