というわけで、前々から趣味で書いていた小説を、半分保存目的でここに投稿します。(もう半分は自己満足)
先輩方には至らないところも多々あると思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。
そこは、現実とはまったくの別物の世界。忘れ去られたものが流れ着くとされる場所。『幻想郷』。そこに存在する、地上を追われた荒くれ者たちが住まう地底……いや、『旧都』または『旧地獄』といった方が正しいだろうか?とにかくその場所を、1人の少女が歩いていた。
??「ふんふ〜ん♪」
ご機嫌に鼻歌を歌いながら歩く少女。薄く緑がかった灰色のセミロングの髪に黒い帽子を被り、黄色の上着に緑のスカートを身につけ、そして何やら管のようなものが体の周りに伸びている。色んな意味で目立つ少女。だが、なぜか周りの視線は彼女の方を向かない。まるで
??「やっぱりみんな気づかないんだね〜。」
そう言いながら、どこかへ歩き続ける少女。その進行方向には、大きな屋敷がある。
??「久しぶりに帰ってきたな〜。」
のほほんとした感じでそう言う少女。そんな時だ。
??「うわっ、何!?」
突然、その屋敷の上空に眩しい光が発生し、少女は思わず目を瞑る。
??「……もう収まったかな……って、えっ!?」
そして光が収まり、目を開けた少女の視線の先には……ゆっくりと落ちてくる人の姿が。
??「ええ〜!?なんで人が落ちてきてるの!?早く誰か呼ばないと……でも気づいてもらえないし……!」
少女は心配してその場で慌てていたが、その心配はすぐに晴れることになった。屋敷から1人の少女が出てきたのである。ピンク色のボブの髪に、水色の上着とピンクのスカートを身につけ、何よりもう1人の少女と同じような管が体の周りに伸びている。どうやらその少女も、先ほどの光に気づいて出てきたらしい。そして落ちてくる少年に気づき、なんと空を飛んでその少年を受け止める……が、腕がガクッと下がってしまった。思っていたより少年が重かったらしく、少女は本気を出して少年を持ち上げ、屋敷の中へ運んでいった。そしてもう1人の少女はそれを見て微笑みながら、一緒に屋敷の中に入っていくのだった__。
??「……うっ……。」
目覚めるとそこは知らない天井だった。その少年……『星月悠翔』は、辺りを見回して今いる場所を確認する。どうやらどこかの部屋のベッドで寝かせられていたようだ。
悠翔「誰かの家なのかな……?」
そう呟きながら体を起こす。すると、
??『にゃー。』
悠翔「ん?猫の声?」
猫の鳴く声が聞こえてきて、悠翔はその声がした方を向く。そこには確かに猫がいたのだが……。
悠翔「……なんか尻尾燃えてないか?そもそも2本あるし……。(なんだっけ……猫又みたいな……?)」
猫?「にゃー?」
その猫?は首をかしげながらも部屋を出ていく(ドアは既に開いていた)。ただ、部屋を出る直前で、猫?はこちらの方を見た。
悠翔「……ついてこいってこと?」
悠翔の問いかけには答えず、猫?は今度こそ部屋を出ていく。悠翔はそれを追って部屋を出た。廊下に出て目に入ったのは、ステンドグラスの天窓や、赤色や紫色の市松模様に彩られ、所々に天窓と同じステンドグラスが輝いている床。歩いてみて分かったのは、床がどこもかしこも暖かいことだ。常時床暖房の上を歩いているようである。そんなことを考えていると、猫?が近くの部屋に入っていった。悠翔もそれを追って部屋に入る。
??「あら、起きたんですね。」
部屋に入った悠翔を迎えたのは、机の上に乗った猫?を撫でながらこちらを見る少女だった。その少女は、先ほど気絶していた悠翔を運んでいたピンクの髪の少女だ。
悠翔「君が俺を助けてくれたの?(なんか同い年くらいの女の子だな……。)」
??「ええ、そうですよ。あと、あなたと同い年かは分かりませんよ?まぁ教えませんが。」
悠翔「えっ!?俺そのこと口に出してないよね!?なんで答えられてるんだ!?」
??「そのこと含めて、まずは自己紹介をする必要がありますね。」
そう言いながら、その少女は立ち上がる。
さとり「私は『古明地さとり』。ここ『地霊殿』の主で、ここでペットたちと一緒に暮らしています。」
悠翔「さとりさんか。俺は「星月悠翔さんですよね。」……だからなんで分かるんだよ!?」
自己紹介をしようとした時に、さとりが自分の名前を言い当てたことに驚く。
さとり「あぁそれは……私が『覚妖怪』だからですね。私は人の心や考えが読めるんですよ。ほら、ここに目のようなものがあるでしょう?この『サードアイ』で心を読んでいるんです。」
悠翔「だから分かったのか……って妖怪!?妖怪って時計で見つけられるあの妖怪!?(……って俺何言ってんだ……?)」
さとり「それ絶対違いますよ!?(そもそも自分でも何言ってるのか分かってないですか!)」
さとりが覚妖怪と知ると、自分の考えを知られていたことに納得すると同時に、さとりの言う妖怪を何やら違うもののように解釈して、さとりに思いっきりツッコまれていた。なんなら心の中でさとりは若干敬語が外れていた。そして、悠翔は自分が何を言っているのか分かっていなかった。
さとり「……まぁそれより……なぜあなたは空から降ってきたんですか?」
悠翔「へ?空から降ってきた?」
さとり「ええ。今から数時間前でしょうか、突然ここの近くで何かが光ったんです。気になって外に出てみたら、そこには空からゆっくりと落ちてくるあなたの姿があったんです。」
悠翔「そうだったんだ……。でも、俺にもそれは分からないよ。……ここに来る前に何をしていたかも思い出せないんだ。」
さとり「……記憶喪失というわけですか。」
悠翔「そうなると思う……。」
悠翔には、地霊殿で目覚める前の記憶が何故かなかった。そのため、どうやってここにきたのかはおろか、自分が元々何をしていたのかも分からないのである。
さとり「……あなたを放っては置けませんね。悠翔さんさえ良ければ、ここでしばらく暮らしませんか?」
悠翔「えっ!?いやいや流石に申し訳ないよ!助けてもらっただけでもありがたかったのに……。」
さとり「だからといって、悠翔さんには帰る場所がないんでしょう?それに、ここから1人で出てしまえば、敵対してくる妖怪に殺されてしまいます。悠翔さんは戦い方すら分からないんですから、余計に危険です。」
悠翔「うぐっ……。」
さとりの申し出に、流石にこれ以上お世話になるのは申し訳ないと断ろうとしたが、さとりに正論を突きつけられ、外の世界の危険性を知らされた悠翔は渋々引き下がった。
悠翔「……それじゃあ、お世話になります。(マジか……。)」
さとり「……ここで暮らすのがそんなに嫌なんですか?(不本意みたいな反応をされてますし……。……やっぱり私が覚妖怪だからですかね……。)」
悠翔「いや、そうじゃないんだけど……ちょっと気まずいなって……。(さとりさん可愛い女の子だから、俺みたいな男と一緒に暮らすのは嫌なんじゃないかな……?)」
さとり「ふぇっ///!?な、何を考えてるんですか///!?(か、可愛い!?私が!?そんな反応してる人初めてなんですが!?)」
悠翔の反応と心の中を見て、さとりは自分が覚妖怪だからという理由で避けられているのかと考えたが、実際はさとりが一つ屋根の下で自分という男と暮らすのは嫌なのではないかと気遣ったからであった。
その時に悠翔が自分のことを可愛いと心の中で言ったため、さとりは思わず赤面してしまう。
さとり「ご、ごほん。とにかく、今日からよろしくお願いしますね?」
悠翔「あぁ、よろしく。」
さとり「それでは……『お燐』、悠翔さんを客室に案内してあげて。」
お燐「にゃー。」
悠翔「へ?なんでその子に?(さっきはここまで案内してくれたけど、それは飼い主のさとりさんの部屋だったから来れただけで、客室に案内するのは無理なんじゃないか?)」
さとり「ふふっ、見れば分かりますよ。」
さとりが何故か案内役を、先ほど悠翔をこの部屋まで案内してくれた猫?に任せた。悠翔は流石にそれは無理だろと考えるが、さとりは問題ないと言うように猫?の方を見る。すると、その猫?が突然、人間(といっても猫の耳や尻尾はついたままの姿)に変身したのである。
悠翔「ゔぇっ!?人間になった!?(思わず変な声出たんだけど……。)」
お燐「あはは……まぁびっくりするのも当然だよね。」
悠翔「…………。」
さとり「……悠翔さん?」
悠翔「キェェェェェェアァァァァァァシャアベッタァァァァァァ‼︎」
お燐「そこまで驚く!?」
さとり「というかなんですかその驚き方は!?」
猫……お燐が人間になったことに驚く悠翔だったが、さらにお燐が喋ったことに、思わず変なを声を出してしまう。その声を聞いた2人はほぼ同時にツッコんでいた。
お燐「それじゃあ改めまして……あたいはさとり様のペットの『火焔猫燐(かえんびょうりん)』だよ。お燐って呼んでね。」
悠翔「えっと、よろしくお願いします、お燐さん。」
お燐「あぁ、『さん』はつけなくていいよ。敬語もいらないからね。」
悠翔「分かりまし……じゃなくて、分かった。よろしくね、お燐。」
お燐「よろしくー!」
そうして悠翔は、お燐の案内でさとり部屋を出ようとする。すると、
さとり「……悠翔さん、最後に1ついいですか?」
悠翔「何?」
さとり「私は覚妖怪です。あなたが今何を考えているのかも分かってしまいます。そんな私と一緒に暮らすのは嫌じゃないんですか?」
悠翔「……なんで嫌がる必要があるの?」
さとり「……え?」
自分の質問に、予想もしていなかった答えが返ってきたことに、さとりは呆然とする。
悠翔「別に俺は自分の考えを読まれてもそんなに気にしないよ。さとりさんが俺の心を読んでからかってくるって言うなら別だけどさ……。」
さとり「…………。」
悠翔「でも、さとりさんはそんなことしないと思うんだ。なんとなく、だけど……。だから、俺はさとりさんを嫌いになったりはしないよ。」
そう言い残して、悠翔はお燐と一緒に部屋を出て行った。その後ろ姿を見て、さとりの胸が一度だけ、トクンと高鳴るのだった__。
続く
改めて見てみるとどことなく文章が雑な気がする……。