東方幻想記   作:望月水音

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最新話書いてたら投稿するの忘れてたので投稿。
プール回後半です!水着姿の描写はありますが、各々好きな水着姿を想像してご覧ください()


第8話 プールで泳ごう!後編

香霖堂から紅魔館に戻ってきた悠翔たちは、パチュリーの待つ大図書館に向かっていた。大図書館に着くと、入り口の近くでパチュリーが椅子に座って本を読んでいた。

 

咲夜「パチュリー様、ただいま戻りました。」

 

パチュリー「お帰りなさい。あら、その感じだと水着を手に入れられたようね。」

 

咲夜「はい。ついでに、パチュリー様や美鈴たちの水着も入手してきました。」

 

パチュリー「私のは別に必要ないんだけど……まぁいいわ。プールはもう完成してるから、水着に着替えて泳いでもいいわよ。」

 

フラン「ほんとに!?ありがとうパチュリー!行こうこいしちゃん!」

 

こいし「うん!」

 

プールが完成していることを聞いたフランは、パチュリーにお礼を言いながらこいしと手を繋いでプールの方に走っていった。

 

さとり「ちょっと2人とも!?はぁ……本当に落ち着きがないわね……。」

 

レミリア「でも、そこがいいんじゃないのかしら?」

 

さとり「……そうですね。」

 

悠翔「俺たちも行こう。あの2人、ろくに準備運動もせずにプールに飛び込んでそうだから。」

 

さとり「それはあり得ますね……。……仮に2人が着替えてる状況だったら、ちゃんと目を瞑ってくださいね?」

 

悠翔「それは当たり前でしょ。」

 

パチュリー「一応、簡易的な更衣室を用意しておいたからその心配はないと思うわ。」

 

さとり「それなら安心ですね。」

 

仮に2人が着替えていた時はそれを見ないようにと釘を刺すさとりに悠翔は当たり前だと返す。パチュリーから更衣室が作られていることを聞き、さとりは安堵していた。そうして悠翔たちは、プールの方に走っていったこいしとフランを追いかけていった__。

 

 

 

 

 

 

悠翔「あ、見えてきたね。……おぉ、結構大きいね。」

 

レミリア「これならみんなで入っても平気そうね。流石はパチェだわ!」

 

さとり「それはさておき……こいしとフランさんはどこに行ったんですかね?」

 

悠翔「もうとっくに着替えてたりして……『あ、みんな来てるよ!』……って言ってたら来たね。」

 

プールに到着した4人がこいしとフランを探して辺りを見回していると、フランの声が聞こえるのと同時に、既に水着に着替え終わっていたこいしとフランが駆け寄ってきた。

 

さとり・レミリア「「(うちの妹可愛すぎない……!?)」」

 

咲夜「よくお似合いですよ、妹様、こいし様。」

 

こいし「えへへ〜。」

 

フラン「頑張って選んだかいがあったね!」

 

こいしは青と白のチェックのビキニに、下にオレンジ色のスカートがついた水着を着ている。上には同じくオレンジ色の袖なしパーカーを追加で着ていた。

対するフランは、黒いビキニに水色の十字の模様が入った白いフリルがついている水着を身につけている。

そんな2人の姿を見た姉組が軽く悶絶し、咲夜は冷静に2人の水着を褒める。褒められた2人は照れくさそうに笑っている。すると、2人はまだ感想を言っていない悠翔のもとに寄っていく。

 

こいし「ねぇ悠翔、私の水着似合ってる?」

 

フラン「私のもどう?」

 

悠翔「いいんじゃないか?2人のイメージカラーと違うっていうのも魅力だし。」

 

こいし・フラン「「えへへ……///。」」

 

さとり・レミリア「「むぅ……。」」

 

悠翔に褒められて先ほどより嬉しそうに、そしてより照れくさそうに笑うこいしとフラン。それを見たさとりとレミリアは不機嫌そうに頬を膨らませる。

 

ルネ《悠翔!さとりさんとお姉様にも構ってあげないと拗ねちゃうよ!》

 

悠翔「(え?うん。)えっと……2人の水着も見てみたいな。」

 

さとり「本当ですか!?すぐ着てきますね!」

 

レミリア「急ぐわよさとり!」

 

さとり「分かってます!」

 

ルネにさとりとレミリアにも構うよう促された悠翔は、2人に水着姿を見てみたいと言う。それを聞いた2人は大慌てで水着を着るために更衣室に走っていった。その後ろを、苦笑いしながら咲夜もついていった。

 

こいし「悠翔は着替えないの?」

 

悠翔「みんなが着替え終わった後でいいよ。2人は先に遊んできたら?」

 

フラン「ううん、みんなで一緒に遊びたいから待ってるよ。」

 

悠翔「そう?ならいいけど……。」

 

待っている間、着替えてこないのかとこいしに聞かれて後回しでいいと答える悠翔。逆に先に遊んでくるようこいしとフランに言うが、フランがみんなで遊びたいからとその場に残ると言った。そう話していると、

 

さとり「お待たせしました!」

 

悠翔「(え、早くない?絶対咲夜さんの能力使ったよね?)」

 

着替えに行ってから数分も経ってないのにさとりの声が聞こえたため、悠翔は確実に咲夜が能力を使ったのだと考えていた。

 

さとり「ふふ、違いますよ。素早く着替えただけです。」

 

悠翔「それにしては早すぎると思うけどね……。」

 

そう言いながら、悠翔はさとりの方を見る。さとりが来ている水着はこいしのものによく似ていて、白色にピンクのラインが入ったビキニに、下にピンク色のスカートがついた水着を着ている。そして上にもこいしと同じように袖なしパーカーを着ていた。そして、このパーカーの色もピンク色であった。

 

悠翔「おぉ〜!やっぱりさとりにはピンクが似合うね。なんというか……可愛い、かな?」

 

さとり「あ、ありがとうございます……///。」

 

悠翔「ところで、こいしと水着が似てるのは偶然?」

 

さとり「……偶然ではないと思います。私の水着はこいしの水着と一緒に並んでいて、お互いに気に入ったのでこれにしたんです。……それはそれとして、どうしてそこでこいしの話題に飛ぶんですか?私を見ていてくださいよ……。」

 

ルネ《あ〜あ、悠翔やっちゃったね〜。》

 

悠翔「(え?これ俺が悪いの?)」

 

ルネ《……悠翔はもうちょっと乙女心を勉強してきた方がいいと思うよ……。》

 

悠翔「(…………?)」

 

さとりは自分の水着からこいしの水着の話に話題が変わってしまったことに不機嫌になり、独占欲を出して悠翔に詰め寄る。対する悠翔はどうしてさとりがそんなことを言うのか理解できず、ルネに呆れられていた。

 

こいし「お姉ちゃん近づきすぎ。ちょっと離れて。」ムスッ

 

フラン「こいしちゃんの言う通りだよ、さとりお姉ちゃん。」ムスッ

 

すると、不機嫌そうに頬を膨らませたこいしとフランが、それぞれさとりの片腕を掴んで後ろに引っ張っていく。

 

レミリア『そうよ!この私の水着披露があるのだから、離れていなさい!!』

 

悠翔「レミリア……?」

 

後ろからレミリアの声が響き、悠翔は後ろに振り返る。そこには、白いビキニ(上にはフリルがついている)に、下にスカートタイプの水着を身につけたレミリアの姿があった。頭にはサングラスをつけている。

 

レミリア「どうかしら?私に相応しい水着でしょう?」

 

悠翔「うん、明るい印象があって似合ってるんだけど……顔が赤いから無理してるようにしか見えないよ?」

 

レミリア「ッ__!?しょうがないじゃない!こんな服着たことないんだから恥ずかしいのよっ!!」

 

みんな「「「(じゃあなんでそんなに格好つけて入ってきたの……?)」」」

 

一瞬カリスマ溢れる姿で水着を自慢したレミリアだったが、悠翔に顔が赤いことを指摘されると、溢れるカリスマ性を霧散させ、うずくまってしまった。

 

悠翔「別に似合ってるんだから気にしなくていいと思うよ?可愛いし。」

 

レミリア「そ、そう///?ならよかったわ……。……ありがと///。」

 

さとり・こいし・フラン「「「むむむむ…………!」」」

 

悠翔「(……なんだろう、後ろから視線を感じる……。)」

 

ルネ《悠翔、気をつけないと刺されちゃうよ?》

 

悠翔「(こわっ!?何刺されるって!?)」

 

うずくまるレミリアに対し、もう一度水着姿を褒める悠翔。顔をまた赤らめて立ち直るレミリアを見て微笑んだ瞬間、後ろからの視線に刺され、さらにルネに物騒なことを言われ、悠翔は体を震わせていた。

 

咲夜「悠翔様、気をつけないと刺されますよ。」

 

悠翔「咲夜さんまでそう言うのか……。」

 

ルネと同じことを言いながら近寄ってきた咲夜は、白いビキニに加え、腰にパレオを巻いた水着を着ていた。

 

悠翔「お〜、頼れる大人の人って感じだ。」

 

咲夜「ふふ、ありがとうございます。……それにしても……。」

 

そう言葉を切った咲夜は、レミリアとフランの方を見る。

 

咲夜「(あぁ……お嬢様と妹様の水着姿……!)……最高ね……!」

 

悠翔「え、何が?」

 

咲夜「……なんでもないですよ。(しまった……少し心の声が出てしまったわ……。)」

 

レミリアとフランの水着姿を見てつい本音が漏れる咲夜だったが、なんとか誤魔化すことに成功した。……が、この場にいるとある人には筒抜けであった。

 

さとり「(咲夜さん、私の能力のこと忘れてるんですかね……?彼女の名誉のためにも言いませんけど……。)」

 

さとりだけは、能力で咲夜の本音を読み取っていたのである。そこでバラそうとしない辺り、さとりの人の良さが伺えた。

 

フラン「あ、みんな着替えたし、悠翔も着替えてきたら?」

 

悠翔「そうだね、ちょっと待ってて。」

 

悠翔は更衣室に入ると、手早く水着に着替えて戻ってきた。

 

悠翔「ただいま〜。」

 

さとり「おかえりなさい。……似合ってると思いますよ、水着。」

 

悠翔「そうかな?結構地味だと思うんだけど……。」

 

ルネ《はぁ……。そこは素直に喜ぶところだと思うよ。》

 

悠翔「(そうなの……?)」

 

さとりに水着を褒められたものの、自分は地味だと思っていたので困惑する悠翔。それを見たルネがため息をつきながらそう注意し、悠翔はさらに困惑していた。

 

こいし「悠翔も来たし、早く泳ごー!」

 

さとり「待ってこいし、準備運動が先よ!」

 

フラン「咲夜、香霖堂で買ってた浮き輪っていうのは準備できた?」

 

咲夜「えぇ、できていますよ。お嬢様もお使いになりますか?」

 

レミリア「私はカリスマだからそんなものはいらないわ。」

 

フラン「……泳げなくても知らないよ?」

 

レミリア「……やっぱり私も使う。」

 

咲夜「かしこまりました。」

 

わちゃわちゃしながらプールに入る準備を済ませるさとりたち。そんなみんなの様子を見ながら、悠翔も準備運動を済ませた。そして、手をプールにつけてみる。

 

悠翔「冷たっ!?これ入ったら逆に寒いやつなんじゃ……?」

 

こいし「それくらいがいいんだよ!ほら行くよー!」

 

悠翔「え?待ってなんで引っ張っt「わーい!」おあぁぁぁぁ!?」

 

思ったよりプールが冷たかったことに入るのを躊躇する悠翔。そこにこいしが現れ、悠翔の腕を引いたかと思えば、そのままプールへダイブしていった。準備ができていなかった悠翔はもちろん水中でパニックになっており、

 

悠翔「ごごぼっ、ごぼぼぼ!?」

 

ルネ《ゆ、悠翔!?落ち着いて!?》

 

ルネの言葉を聞いてなんとか落ち着いた悠翔は、水中から顔を出した。

 

悠翔「ゲホッゲホッ!!うぅ……水飲んだ……。」

 

さとり「……こいし、後で説教ね。」

 

こいし「ヒッ!?ご、ごめんなさい……。」

 

悠翔「ゲホッ……。さ、さとり。こいしもわざとじゃなかったんだし、許してあげて?」

 

さとり「ちゃんと謝ったので、もう許してますよ。」

 

悠翔「……そっか。(……やっぱこいしに甘いんだな……。)」

 

さとり「謝ってなかったら説教をしてましたから。甘くないです。」

 

パニックになった時に水を飲んでしまったらしく、咳き込む悠翔。それを見たさとりは怖い笑みでこいしに説教を宣言した。しかし、こいしが軽く泣きながら謝ってきたので、すぐに許していた。……どこか身内贔屓な面が見えるのは気のせいだろうか。

 

フラン「冷たい!けど気持ちいいー!!」

 

レミリア「これは確かに暑さが和らぐわね……。」

 

咲夜「流石はパチュリー様ですね……。(それにしても……。)」

 

咲夜はリラックスしながらも、浮き輪に身を委ね、ぷかぷかと水に浮いているレミリアとフランを見る。

 

咲夜「(あぁ……!お嬢様と妹様の水着姿……!)本当に可愛らしい……!」

 

悠翔「……咲夜さんってこんな人だったんだ……。」

 

咲夜「ッ……!?……聞いていたんですね。」

 

悠翔「さっきの時点で怪しかったしね……。あと気づいてないのかもしれないけど……ちょっと鼻血が出てるんだよ?」

 

咲夜「えっ!?」

 

悠翔にそう言われた咲夜は慌てて指で鼻の辺りに触れる。触れた指のところには、赤い液体がついていた。

 

咲夜「う、嘘でしょ……。」

 

悠翔「(……頼れる大人って感じから残念な人って感じの印象になったな……。)……ところで、ちょくちょく敬語が抜けてるんだけど、それが咲夜さんの素だったりする?」

 

咲夜「……そうよ。お嬢様や妹様、あとはお客様以外の人にはこうやって話すことが多いわ。」

 

悠翔「そうなんだね。じゃあ俺に対してはそれで話していいよ。」

 

咲夜「あらそう?なら、悠翔も私に『さん』をつけなくてもいいわ。」

 

悠翔「分かった、改めてよろしく、咲夜。」

 

咲夜「えぇ。」

 

咲夜のミスから、悠翔と咲夜の友情(?)が深まっていた。

 

咲夜「ところで……あれは放置してていいのかしら?」

 

悠翔「へ?」

 

咲夜にそう言われて、咲夜が指差した方を向くと……。

 

レミリア・フラン「「むむむむむ……!!」」

 

さとり・こいし「「パルパルパルパル……!」」

 

悠翔「……何あれ?(てかさとりとこいしはなんでパルパル言ってるんだろ?)」

 

ルネ《あ〜あ、嫉妬しちゃってるね……。構ってあげないと悪化しちゃうよ?》

 

強い嫉妬の念を送ってくる4人の少女の姿があった。さとりとこいしに至ってはなんかパルパル言っていた。(この時地底で、某橋姫が少しにっこりしていたとか。)それを見て悠翔は本気で困惑していた。ルネはそんな悠翔に4人に構ってあげるようアドバイスする。

 

悠翔「えっと……どうしたの?」

 

さとり「私たちのことを放っておいて咲夜さんと話してる悠翔さんのことなんて知りませんよ。」

 

レミリア「そのまま咲夜と話してればいいんじゃない?」

 

フラン・こいし「「うんうん。」」

 

悠翔「マジでどうしたんだよ……。」

 

さとり「自分で考えてください。」

レミリア「自分で考えなさい。」

フラン「自分で考えたら?」

こいし「自分で考えてね〜。」

 

悠翔「考えても絶対分からないんだけど?」

 

ルネ《悠翔……本当に鈍いね……。》

 

悠翔「(えっ何が?)」

 

さとりたちが嫉妬している理由も分からず、4人に説明を求めるも突き放されてしまう。ルネからも鈍いと言われるが、何が鈍いのか悠翔は理解できていなかった。

 

さとり「……まぁいいです。悠翔さんは咲夜さんに対して変なことを考えてないみたいですし、不問にしましょう。」

 

レミリア「心を読む程度の能力(その能力)、本当に便利ね。」

 

さとり「でも、他人から嫌われてる能力ですよ?」

 

レミリア「使ってるあなたが善人だから問題ないわ。」

 

こいし「そうだよ!お姉ちゃんはもう嫌われ者じゃないんだから!」

 

さとり「……ありがとう、こいし。レミリアさんもありがとうございます。」

 

フラン「……よく分かんないや。悠翔!許してあげるから一緒に遊ぼう!」

 

悠翔「まず何が許されてなかったのか分からないんだけど?」

 

さとりは能力で、悠翔が咲夜に対して恋愛感情(変なこと)を考えていないことを読み取る。レミリアはそれを聞いて安堵しつつ、さとりの能力を少し羨ましがっていた。自分の能力は嫌われるものだと自虐するさとりだったが、レミリアとこいしのフォローに笑みを浮かべていた。一方で、話にあまりついていけていなかったフランは、ひと足先に悠翔の元に行き、一緒に遊ぶよう誘っていた。

 

悠翔「それで、何するの?」

 

フラン「このびーちぼーる?っていうので遊びたい!」

 

悠翔「いつの間に買ってたんだ……。てかどっから出したのそれ?」

 

フランが取り出したのは、(外の世界では)定番のビーチボールだった。どこからともなく現れたので、おそらく咲夜がフランに一瞬で手渡したのだろう。

 

フラン「細かいことは気にしないの!みんなもやろーよー!」

 

レミリア「あら、フランが呼んでるわね。行きましょうか。」

 

さとり「はい。」

こいし「うん!」

 

フランに呼ばれて、レミリアたちもこちらに泳いできた。そうして5人は、ボールを落とさないようにパスするラリーを始めた。

 

こいし「おっとと……。レミリアお姉ちゃん!」

 

レミリア「任せなさい!……はいっ、さとり!」

 

さとり「わわっ!?あぶない……悠翔さん!」

 

悠翔「ほっ、よっと。フラン!」

 

フラン「わっ!……え〜い!」

 

レミリア「ちょっ、フラン勢いがぁ!?」

 

悠翔「レミリア!?」

 

さとり「み、見事なまでに吹き飛びましたね……。」

 

こいし「ちょっとフランちゃん、威力高すぎだよ。」

 

フラン「ごめんごめん……楽しくなっちゃって……。」

 

順調にボールを回していた5人だったが、テンションが上がったフランが勢いよくボールをレミリアに飛ばしてしまい、レミリアはボールを受けきれず吹き飛んでしまった(なお、咲夜が受け止めていた)。

 

レミリア「フラン……やったわねぇ!!」

 

フラン「わー!?」

 

咲夜に受け止められたレミリアは、お返しとばかりにフランにボールを勢いよく投げる。笑っているので、本人はそこまで怒っていないようだ。対するフランは、なんとかボールを受け切ることに成功していた。

 

フラン「お姉様……私負けないよ!」

 

レミリア「ふふ……来なさいフラン!」

 

悠翔「いやストーップ!これラリーだよ!?ボールぶつけ合う遊びじゃないよ!?」

 

レミリア・フラン「「……あ。」」

 

悠翔「忘れてるじゃんもう……。」

 

このままスカーレット姉妹のボールの投げ合い(ぶつけ合い?)が始まろうとしていたところを、悠翔が間に入って止める。それを聞いて何をしていたか思い出した2人は申し訳なさそうに頭を掻いていた。その後もラリーを続けるが、何度目かの失敗でラリーが途切れた時、フランが声を上げた。

 

フラン「悠翔ー!ボール遊び以外にやれることないのー?」

 

悠翔「え?う〜ん……特にないと思うな……。」

 

フラン「え〜……。もうボール遊び飽きちゃった……。」

 

悠翔「そうは言っても……ここでできるのはそれくらいだしなぁ……。」

 

フラン「つまんなーい!」

 

そう叫んでジタバタし始めるフラン。それによって、水が周りに飛び散っていく。

 

悠翔「ちょ、フラン!?」

 

こいし「わわ!?フランちゃん落ち着いて!?」

 

悠翔とこいしがフランを宥めようとした時、

 

レミリア「うっ!?」

 

突然、レミリアが呻き声をあげて目を抑える。

 

咲夜「お嬢様!?どうされましたか!?」

 

レミリア「うぅ……咲夜ぁ……目に水が入っちゃった……。」

 

咲夜「お嬢様、決して目をこすらず、ゆっくりと瞬きを繰り返してください。」

 

レミリア「う〜……。」

 

どうやら目に水が入ってしまったらしく、レミリアは片目を瞑っていた。咲夜はそんなレミリアへの対応に気を取られる……取られてしまった。

 

フラン「むぅ〜!!」

 

悠翔たちの静止も聞かず暴れ続けていたフラン。体を仰向けにしてもっと暴れるが……それが仇となってしまった。

 

フラン「…………え?」スポッ

 

フランの体が浮き輪から抜けてしまい、フランはそのまま水の中に落下してしまった。

 

悠翔「フラン!?」

こいし「フランちゃん!?」

 

フラン『がぼっ、がぼぼぼ……!?』

 

水からすぐに浮かんでこないのを見ると、どうやら溺れてしまっているらしい。水の中でもがいているのが見えた。

 

さとり「悠翔さん!!」

 

悠翔「分かってる!!」

 

悠翔はすぐさま水の中に潜り、フランのもとに泳いで行く。

 

悠翔「(フラン……!俺の手を……!)」

 

フラン「(ゆう……と……。)」ガクッ

 

沈んでいるフランに悠翔は手を伸ばすが、フランは気絶してしまい、悠翔が伸ばした手を掴むことはできなかった。

 

悠翔「(フラン!!)」

 

悠翔はフランの元まで急いで近寄り、体を抱きかかえるとすぐに水中から浮上した。

 

レミリア「フラン!!しっかりして、フラン!!」

 

フラン「…………。」

 

水から上がった悠翔は、抱えていたフランを床に寝かせる。そして駆け寄ってきたレミリアがフランに声をかけ続けるが、フランは一向に目を覚まさなかった。

 

咲夜「申し訳ありませんお嬢様……。私が妹様から目を離したばかりに……。」

 

レミリア「咲夜は悪くないわ。悪いのは目に水が入った程度で狼狽えた私よ。」

 

その様子を見た咲夜が自分の失態だと謝るが、レミリアは自分の責任だと咲夜を責めることはしなかった。

 

こいし「ねぇ悠翔、なんとかならない?」

 

悠翔「……分かってる。ちょっとやってみるよ。」

 

悠翔はその場にしゃがんでフランに向かって手をかざす。すると、悠翔の手から温かな光が放たれ、フランを包んでいく。

 

悠翔「(ピリッ)(……またなんかピリッとしたな……。でも、今はそれを気にしてる場合じゃないな……!)」

 

さとり「(……また?前にもそんなことがあったの?……一体悠翔さんに何が起きているのよ……?)」

 

光を出し続けていた悠翔は、いつぞやにさとりを回復させていた時に感じたピリッとした感触を感じていたが、それを気にせずフランに光を送り続けていた。……一方で、さとりは悠翔に起きている異変について考えていた。やがて悠翔の手から放たれる光が止まり、フランの体がピクリと動いた。

 

レミリア「フラン!?」

 

フラン「おねえ……さま……?」

 

レミリア「よかった……!」

 

ゆっくりと目を開いたフランに、レミリアが勢いよく抱きつく。フランは目を見開いて驚きながらも、レミリアの背中に手を回した。

 

フラン「心配かけてごめんなさい……。」

 

レミリア「いいわよそれくらい。フランが無事だったんだから……。」

 

フラン「うん……。……悠翔もごめん……でも、助けてくれてありがとう。」

 

悠翔「謝らなくていいよ。フランのわがままに応えられなかった俺が悪いし。」

 

フラン「……え?」

 

悠翔が何を言っているのかよく分からなかったフランはそう聞き返す。すると、悠翔は手をフランの頭に置いて、そのまま頭を撫で始めた。

 

悠翔「フランはずっと閉じこもって、色んなことを我慢してたんだからさ、その分いっぱいわがままを言ってくれよ。俺も……いや、俺たちもできる限り応えるからさ。」

 

レミリア「そうよ。もっとフランを甘やかさせてほしいわ。」

 

悠翔「出たなシスコン。」

 

レミリア「……パチェに調べてもらったんだけれど、シスコンって妹に強い愛情を向けてるって意味なんでしょう?ならいいじゃない!その言葉はもはや褒め言葉よ!」

 

悠翔「そうはならないでしょ!?」

 

フラン「ふふっ……あははっ!!」

 

言い争い(?)を始める悠翔とレミリアを見てフランが吹き出し、そのまま笑い出した。

 

フラン「ありがとう、お姉様、お兄様!!」

 

悠翔・レミリア「「……え?」」

 

フラン「…………あっ!?」

 

こいし「ふ、フランちゃん……今悠翔のこと……。」

 

フラン「あ、ち、違うの///!!つい言っちゃっただけで……///!?その……えっと……///。」

 

突然悠翔のことをお兄様と呼んだフラン。その瞬間、悠翔とレミリアがフリーズし、こいしが驚愕しながらもフランに話しかける。フランは顔を赤らめながら慌てて弁明する。

 

悠翔「……お兄様……か。……ちょっと堅苦しい気がするな……。」

 

さとり「……フランさんのお兄さんになること自体は満更でもないんですね……。」プクー

 

悠翔「なんか言い方に語弊があるな……?ていうかなんで頬を膨らませてるの?」

 

さとり「別になんでもないですよ……。(……悠翔さんのバカ。)」

 

フラン「う〜ん……。じゃあ、『悠にい』とか?」

 

悠翔「お、いいんじゃない?」

 

フラン「じゃあこれからはそう呼ぶね!悠にい!」

 

そう満面の笑みで言うフランを見て、悠翔は思わずフランの頭を撫でていた。……そして次の瞬間、背中をゾクっという感覚が襲った。

 

ルネ《ゆ、悠翔……後ろ……!?》

 

悠翔「(わ、分かってる……!?)」

 

そーっと後ろに振り向くと……そこにはグングニルを構えるレミリアの姿があった。

 

悠翔「れ、レミリアさん?どうしてグングニルを構えてるんですかね?」

 

レミリア「あら、分かりきったことじゃない。……私の妹の兄を勝手に名乗る不届きものをこの世から消してやろうとしてるだけよ。」

 

悠翔「(別にフランのお兄ちゃんになるつもりはないんだけど……?)……いやそんなこと思ってn「は?」ヒエッ……。」

 

ルネ《悠翔逃げて!!今のお姉様は本気だよ!》

 

レミリア「……覚悟しなさい悠翔ぉぉぉぉ!!」

 

悠翔「ぎゃあぁぁぁぁ!?」

 

グングニルを振り回して追ってくるレミリアに対し、ルネのナビを聞きながら逃げ回る悠翔。それを見たさとりは呆れてため息をついていた。

 

さとり「妹への想いが恋心を上回ることってあるのね……。」

 

こいし「お姉ちゃん、助けないの?」

 

さとり「……無自覚で鈍感な悠翔さんにはここで痛い目にあってもらった方が良いと思うのよ。」

 

こいし「……それもそうだね。」

 

古明地姉妹は傍観を決め込み、悠翔のことを助けようとはしなかった。

 

レミリア「待てぇーー!!」

 

悠翔「あぁもうー!!誰か助けてくれよーー!!」

 

大図書館に悠翔の悲痛な声が響き渡った。……フランと咲夜が止めるまで、悠翔とレミリアの追いかけっこは続いたのだった__。

 

 

 

続く




シーンの切り替えがほぼ無いので空白が無いというね()
読みづらかったらなんとかしておきます。

さとりたちの水着のイメージは東方ロストワードで出てる水着姿をそのまま持ってきてます。俺に他の水着姿を考えるセンスなんてものはない!!

フランって良く男のオリ主を『お兄様』って呼んでると思うんですけど、この作品ではフランクな感じになっています。

あ、咲夜さんは良くあるレミフラ溺愛()タイプです。そしてPAD長ではないです(ここ重要)。
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