今回は紅魔郷おまけ編です。まだ出てないキャラも出ますし、何やら進展があるかも……?
ホールに戻ってきた悠翔とさとりを迎えたのは……ほとんどの人がホールで倒れている光景だった。
悠翔「な、なんなんだよこれ……?」
さとり「……皆さん酔い潰れていますね。」
悠翔「どれだけ酒飲んだんだよ!?てかこれ大丈夫!?紅魔館に会ったお酒無くなってない!?」
咲夜「そこは問題ありませんよ。」
呆然とする2人のもとに、咲夜が近寄ってきた。
悠翔「咲夜さんは酔い潰れてなかったか……。それで、問題ないって?」
咲夜「このお酒は全て買ってきたものです。出費こそ痛いですが、まぁ宴会ですしね。そしてお嬢様は普段、紅茶かワインをお飲みになるので、こういったお酒はあまりお飲みにならないんです。」
悠翔「なるほど……。それで、これはどうするの?」
咲夜「そこが悩みどころなんです。このまま放置するわけにはいきませんが、1人1人帰すのも時間がかかってしまうので……。」
悠翔「じゃあ……俺の能力でなんとかするよ。」
そうして、悠翔は指をパチンと鳴らす。すると、酔い潰れていたはずの人たちが目を覚ましたのである。
霊夢「あ、頭痛い……。」
魔理沙「うぅ……。」
咲夜「悠翔さん、これは何を?」
悠翔「酔いを覚めさせる力と眠りを解除する力を作ってそれで起こしたって感じかな。それで、今日の宴会はお開きってことでいいんだよね?」
レミリア『えぇ。それで構わないわ。』
そんな声が聞こえ、悠翔が後ろを向くと、そこにはレミリアの姿があった。
悠翔「レミリアさん。どこに行ってたんですか?」
レミリア「ちょっとフランと話してたのよ。まぁ気にしないでちょうだい。」
そう言って、レミリアはホールにいる全員に、今日の宴会がこれで終わりだということを伝える。参加者たちはフラフラとしながらも、それぞれの家へ帰っていくのだった。
こいし「あれ、もう宴会終わりなの?」
さとり「もうって……かなり時間が経ってるわよ?」
フラン「まぁ、お昼から始まってたからね。朝起きるの大変だったよ……。」
悠翔「そっか、吸血鬼って本来、昼は寝て夜に起きるんだったっけ。」
レミリア「太陽に当たらないようにね。まぁ、ここ最近は朝に起きることが増えてきてるわ。……さてと、悠翔たちもそろそろ帰った方がいいんじゃないかしら?」
悠翔「そうですね、早くお土産の食べ物も届けてあげたいですし。」
レミリア「……ちゃっかりしてるわね。」
悠翔が掲げた料理の入った袋を見てレミリアは苦笑いする。
フラン「え〜?悠翔たちも帰っちゃうの?もっと話したかったのに……。」
こいし「私もフランちゃんたちとお話しした〜い。」
しかし、妹2人が駄々をこねる。
レミリア「……そうね。もうちょっと残ってあげてもいいんじゃないかしら?」
悠翔「手のひら返すの早いなぁ!」
ルネ《さすがお姉様だね……。》
そんな2人の様子を見たレミリアが、一瞬で手のひらを返していた。
悠翔「さとり、どうする……?」
さとり「……ここに残りましょう。」
悠翔「よしそれじゃあゲートを……今なんて言った?」
さとり「こいしが残りたがってるんです!姉として、それを無下にすることはできません!」
レミリア「分かってるじゃないさとり!その通りよね!」
さとりとレミリアがガシッと手を取り合う。この時、2人の間に確かな友情が生まれた。2人は分かっていた。妹好き(シスコン)に悪い人はいないと!
悠翔「……とりあえず地霊殿に料理だけ届けてくるね……。」
悠翔は説得を諦め、ゲートを開いて一時的に地霊殿に帰宅する。お燐に事情を説明し、お土産の料理を渡すと、笑顔で送り出してくれた。そして紅魔館に戻ってきた時、話はとんでもない方向に進んでいた。
こいし「あ、おかえり悠翔!今日はここに泊まってくことになったからよろしくね!」
悠翔「……はい?」
フラン「つまり、お泊まり会ってこと!」
悠翔「うん、それは分かってるよ?なんていうか……もうちょっと紅魔館に残るって意味だと思ってたから、まさかお泊まり会まで話が飛躍するとは思わなかったよ……。……っていうか、着替えとかどうするの?」
さとり「レミリアさんやフランさんのを借りますよ。最悪、今着ている服を着ますが。」
こいし「……でも下g」
その言葉が聞こえた瞬間、悠翔は素早く耳を塞いだ。その時間わずか0.555秒。凄まじい反応速度だった。
さとり「(すごい速度で耳を塞いだわね……。)……こいし、悠翔さんがいるのにその話をするのはダメよ。」
こいし「あ、確かに。」
フラン「まぁ貸してあげるから大丈夫だよ!多分サイズも同じでしょ!」
レミリア「どうかしらね……?あ、悠翔。もう手を離していいと思うわ。(耳に手を当てて離すジェスチャーをする)」
レミリアのジェスチャーを見て、悠翔は耳を押さえていた手を離す。
悠翔「ふぅ……。こいし、そういう話は俺がいない時にね?」
こいし「は〜い。」
レミリア「夕食までには時間があるし、好きに過ごしてもらって構わないわ。」
フラン「やった!行こうこいしちゃん!」
こいし「うん!」
フランとこいしは手を繋いで、どこかへ走っていった。
さとり「仲が良くて何よりですね。」
レミリア「そうね、微笑ましいわ。」
悠翔「(……シスコン。)」
さとり「悠翔さん、私たちは『しすこん』というものではありませんよ?(『しすこん』というのがどんな意味なのか分かりませんが……。)私とレミリアさんは家族思いなだけなんです。」
レミリア「そうよ、決してその『しすこん』というものではないわ。」
悠翔「な、なるほど……。」
心の中でシスコンと考えた悠翔。もちろんその考えはさとりに読まれ、レミリアと連携してその考えを否定してきたので、悠翔はもう諦めていた。
悠翔「……じゃあ俺はこの前の図書館に行ってこようかな……。」
さとり「図書館!?私も行きます!!」
悠翔「えっ、あっ、うん……。(勢いがすごい……。)」
図書館と聞いて、目をキラキラさせながら詰め寄ってきたさとりに若干引く悠翔。そして2人は前にも訪れた地下の大図書館へ向かった。大扉を開けると、やはりそこには数え切れないほどの本と本棚があった。
??「あら、あなたたちは確か……私たちが起こした異変を解決した子たちよね?」
悠翔「そうですけど……ここの司書さんですか?」
パチュリー「……司書ではないわね。私は『パチュリー・ノーレッジ』、紅魔館に居候してる魔法使いよ。確かあなたたちは……星月悠翔と古明地さとりだったわね。」
大図書館に入った2人を迎えたのは、異変の時に魔理沙と戦っていた、魔法使いの『パチュリー・ノーレッジ』だった。
パチュリー「ここに来たってことは、何か本を読みに来たの?」
さとり「はい。これだけの本があるなら、何か興味深いものがあるかもしれないので。」
パチュリー「分かったわ。借りたいものがあったら私に言って。」
悠翔・さとり「「ありがとうございます。」」
そうして2人は、何か面白い本がないか探し始めた。
悠翔「魔理沙が言ってた魔道書ってこれなのかな……。(俺にも魔法って使えるのか……?)っと、これは?」
悠翔が手に取ったのは、1冊の漫画。中をペラペラとめくって見てみると、そこには海賊になった少年が仲間たちと共に海を巡る物語が描かれていた。
悠翔「これ、どこかで……。」
パチュリー「それ、外の世界から来た漫画よ。」
ルネ《パチェ、そんな本も置いてたんだ……。》
どこかでこの漫画を見たような気がして首をかしげる悠翔のところに、パチュリーがそう声をかけてくる。
悠翔「外の世界から?じゃあ、俺も外で読んだことがあったのかな……?」
パチュリー「あら、悠翔は外の世界の人間だったの?なら、そうかもしれないわね。」
悠翔「……ですね。(にしても、こういう本も幻想郷にあるんだな……。そういえば、さとりは何の本を読んでるんだ?)」
漫画を本棚に戻した悠翔は、さとりの姿を探す。しばらく探していると、椅子に座って目をキラキラさせながら本を読むさとりの姿があった。
悠翔「(なんか楽しそうだな……。どんな本を読んでるんだ?)」
さとり「そん……うキ……を!?」
悠翔「(……顔を赤らめてる?何を読んだらそんな顔になるんだ……?)」
さとりがなぜか顔を赤らめながら何か呟いていたため、悠翔はさとりが取っていたであろう本がある棚の所を見てみる。
悠翔「(……もしかしてさとり、この漫画を読んでるのか……?なんか恋愛ものっぽいけど……さとりってこういうの興味あるんだ。)」
さとり「……悪いですか?」
悠翔「へっ……!?さ、さとり……いつの間に見てたの?」
急に話しかけられたことに肩をビクッと上げながら振り返ると、そこには頬を膨らませながらこちらを睨むさとりの姿があった。
さとり「悠翔さんが私が本を取った棚に近づいたくらいには見てましたよ。」
悠翔「ほぼ最初じゃん……。ところでさとり、なんでさっき顔が赤かったの?」
さとり「……絶対教えませんからね。(主人公とヒロインがキスをしているを読んでて顔を赤くしてたなんて、恥ずかしすぎて言えませんよ……///。)」
ちなみに、どうしてさとりが俗に言う少女漫画を読んでいたのか。まず、さとりは少し前に、悠翔に対する好意を自覚したばかりである。そこから、何か恋愛関係の本はないかと探してみたところで、この漫画を見つけたのである。巻数を見るに、どうやら途中からのようだったが、さとりは食いつくようにその本を読んでいたのである。
パチュリー「さとりの方はかなり珍しい本を読んでるわね。それ、最近入ってきた本なのよ。」
さとり「そうなんですね……。(こんな感じの恋愛……悠翔さんとできたらなぁ……。)」
そのままさとりは少女漫画を再び読み始めてしまう。目を輝かせているさとりを、悠翔は微笑ましげな表情で見ていた__。
それからどれくらいの時間が経っただろうか、未だに少女漫画を読んで時々感情を爆発(?)させているさとりと、それを見ていた悠翔のところに、パチュリーが寄ってきた。
パチュリー「2人とも熱中してるわね……。悠翔は飽きないの?」
悠翔「いや……なんか見ててほっこりするので……。」
パチュリー「……まぁいいわ。咲夜から伝言よ。もうすぐ夕食の時間だから来てって。」
悠翔「分かりました。さとり、行くよ。」
さとり「…………。」
悠翔「…………。」
パチュリーの話を聞かないほど熱中しているさとりを見て、さすがにダメだなと悠翔は能力でハリセンを作って構える。
悠翔「はいストーップ!」バシッ
さとり「痛いっ!?」
そしてそこそこの強さでハリセンをさとりの頭に振り下ろす。さとりは椅子から飛び上がって頭を押さえる。
さとり「悠翔さん!?なんでこんなことを!?」
悠翔「さとりがパチュリーさんの話を聞いてなかったから。もうすぐ夕ご飯だって。」
さとり「あ、すみません……。今行きます……。」
さとりはしょんぼりとしながら本を本棚に戻す。
パチュリー「あら?そういえば……『こあ』ー?夕食の時間よー?」
??『今行きますー!』
パチュリーが図書館の奥に向かってそんな声をかけると、その奥から返事が返ってくる。そして、赤い長髪に頭と背中に悪魔のような羽が生えた女性が飛んできた。
??「お待たせしました……ってパチュリー様、この人たちは?」
パチュリー「前に言った異変を解決した人たちの内の2人よ。……2人にもまだ紹介してなかったわね。この子は私の使い魔で、大図書館の司書の『小悪魔』よ。……もっとも、わたしは『こあ』って呼んでるけどね。」
こあ「小悪魔です!よろしくお願いします!」
そしてパチュリー、こあと共に4人で食堂の方まで向かう。そこにはすでにレミリアやフラン、こいしの姿があった。少し後には、美鈴も食堂にやって来た。
こいし「お姉ちゃ〜ん。図書館で何してたの〜?」
さとり「ただ本を読んでただけよ。」
こいし「本当にそれだけ?」
さとり「それだけよ?」
こいし「……そっか。(何か面白いこととか起きてなかったのかな?)」
さとり「(こいしは何を考えてるのかしら?心が読めないから分からないわね……。)」
こいしの質問の真意が分からず、こいしには自分の能力も使えないために首をかしげる。そこに、
咲夜「夕食をお持ちしました。」
咲夜とメイド服を着た妖精が料理の乗ったワゴンを押して来た。
悠翔「おぉ〜!美味しそう……!」
さとり「(あっ可愛い……!)」
悠翔が目をキラキラさせているのを見て、さとりが悠翔のことを可愛いと思う。実際、悠翔は顔が少し女顔なので、顔が少し可愛い寄りなのである。なお、戦闘時はかっこよくなるらしい(さとり談)。その間に、咲夜と妖精メイドが料理を配膳していた。
レミリア「さて、いただきましょうか。」
レミリアの合図で、全員が席につく。
みんな「「「いただきます!!」」」
そして、全員が一斉にご飯を食べ始める。レミリアやさとりは優雅というか、落ち着いて食べているが、フランやこいしは半ばがっつくように食べていた。
悠翔「…………!(洋食うまうま……。)」モグモグ
さとり「…………。(……悠翔さん可愛い……!可愛い……!)」モグモグ
フランとこいしほどではないものの、同じく料理にがっつく悠翔。その様子を、さとりが料理を食べながらコソコソと見ては心の中でちょっと悶絶していた。
こいし「……お姉ちゃん、なんで悠翔のことを見てニヤニヤしてるの?」
さとり「し、してないわよ!?へ、変なこと言わないで!」
悠翔「……今更だけどさとりってこいしと話す時に敬語じゃなくなるんだね。」
さとり「絶対に今言うことじゃなかったですよね!?」
悠翔を見ていたことをこいしに指摘され、さとりは目に見えて狼狽える。
レミリア「まったく……焦りすぎよさとり。やってないなら堂々としてればいいのよ。」
さとり「うぅ……。そうなんですか……ね?(あっ……レミリアさんの頬に食べカスがついてる……。)」
アワアワしているさとりを見て、レミリアがそうアドバイスをしてくる。それを聞いたさとりがレミリアの方を向くと……レミリアの頬に食べカスがついていることにさとりは気づいた。
さとり「(……素の性格もありそうですけど、やっぱりまだ子供っぽいところがあるのかもしれませんね……。)」
レミリア「(フッ、決まったわね。やはり私は天性のカリスマだわ……!)」
さとり「(……こんなことをよく考えてますし……。)」
能力の関係上、レミリアの心の声が聞こえてくるので、さとりはレミリアのカリスマが表面だけのものと気づいていた。すると、
悠翔「あれ?レミリアさん、頬に何かついてますよ。」
レミリア「……へ?」
悠翔がレミリアの頬についている食べカスに気づき、指を伸ばしてその食べカスを取る。レミリアは悠翔のその行為に対して固まっていた。
悠翔「よし、取れた……って、レミリアさん?なんで固まっt「な、何してるのよぉぉぉぉ!?」わっ!?」
レミリア「急に触れるなんてどういうつもり!?」
悠翔「いや、食べカスを取ろうとしただけで……。」
レミリア「私が言いたいのはそう言うことじゃなぁぁぁぁい!!」
ただ善意でやっただけなのに、それで怒られてる意味が分からない悠翔は本気で困惑している。
レミリア「(善意でやってくれたのは分かってるわよ!でも……男の子に触れられ……///。あぅぅ……///。)」
パチュリー「(レミィ……。カリスマがどこかへ行ってるわよ……。)」
さとり「(……レミリアさん……ピュアですね……。まぁそれは置いておいて……。)悠翔さん?それ以上女の子を辱めるのはやめてもらえますか?」
悠翔「へ?辱める?」
さとり「(まさか無自覚で……いや、単純に自分のやったことが普通のことだと思っているようですね……。男の子同士ならともかく、女の子にそれをするのはダメですよ……。)」
フラン「お姉様、しっかりして!みんなから変な目で見られちゃうよ!」
レミリア「はっ!?……ごめんなさい、取り乱したわ。今のは忘れてちょうだい。」
フランがレミリアに声をかけて正気を取り戻させ、レミリアは元の態度に戻る。が、
悠翔「……なんで戻しちゃうんですか?さっきの方が、レミリアさんも話しやすそうでしたよ?」
レミリア「……え?」
悠翔「なんていうか……さっきの方がレミリアさんの素に見えたんです。今のレミリアさんは皮を被ってる感じしかしない……っていうか……。」
悠翔の言葉を聞いて、レミリアは驚くとともに黙り込む。
レミリア「……それについてはまた後で話しましょう?今は食事を楽しむべきよ。」
美鈴「そ、そうですよ!私疲れてお腹減ってるんです!」
咲夜「あなたは仕事に戻ってからすぐ寝ていたでしょ?宴会の時はちゃんと起きていたのに……。」
美鈴「うっ……。」
悠翔「(美鈴さんまた寝てたのか……!?)」
こあ「相変わらずですねぇ……。」
空気を切り替えるために、美鈴が大袈裟にそう言うが、咲夜に正論のナイフで刺されて撃沈する。そして悠翔はまた寝ていた美鈴に驚いていた。それからは全員が食事を進め、食べ終えた後はそれぞれの部屋や持ち場に戻っていった。悠翔は食事が終わった直後、レミリアに呼ばれて一緒にどこかへ向かっていた。
レミリア「ここよ。」
悠翔「ここは……?」
レミリア「私の部屋よ。……男を招くなんて初めてね……。」
レミリアが悠翔を連れてきたのは自分の部屋。男を入れるのは初めてだと呟きながらも、レミリアは扉を開けて部屋に入っていく。悠翔も続いて部屋に入る。レミリアは窓際に置いてある椅子に座り、向かい側の椅子に座るよう悠翔に促す。悠翔はそれに従って椅子に座る。
レミリア「さてと……どうしてあんなこと言ったのかしら?別に私が素を隠していようが、悠翔には関係ないことでしょう?」
悠翔「どうしてって言われても……放っておけなかったっていうか……。……ずっとあんな感じで話していると疲れないのかなって。素の自分を隠すのって大変だと思うから……。」
レミリア「……なるほどね。でも、これでいいの。素の私はどこか弱そうに見えちゃうから嫌なのよ。……だから、これでいいの。私は紅魔館の主として、それに相応しい振る舞いをするべきなの。」
しばらく、沈黙が続く。悠翔は何か考え込んでいるようだった。
悠翔「レミリアさん……いや、レミリアはそれで人生が楽しい?」
レミリア「……え?」
悠翔「もう慣れてるなら、素の自分を隠すのは疲れないのかもしれない。だけど、自分のやりたいこととか、あまりできてないんじゃない?」
レミリア「っ……!?」
悠翔の言葉がレミリアの核心をついたのか、レミリアは黙り込んでしまう。
悠翔「レミリアは
レミリア「……えぇそうよ。」
悠翔「俺は、レミリアはもっと素の自分を出していいと思う。それが、君の幸せに繋がると思うから。」
レミリア「…………。」
再び黙り込むレミリア。表面上は冷静に何か考えているように見えるが、内心はまったくそんなことはなかった。
レミリア「(なんなのよなんなのよ……!?なんでこんなにドキドキしてるの……!?……悠翔が、本当の私を理解しようとしてくれてるから?いやそんな……。)」
悠翔「……レミリア?」
レミリア「……あなた、女たらしとか言われない?」
悠翔「急に何!?そんなこと言われたことないけど!?」
ルネ《(いや絶対そうでしょ……。というかもしかしてお姉様……。)》
レミリア「(すでにさとりを虜にしてるっていうのに……私まで虜にしてどうするのよ……///。)」
レミリアは、どうやら堕ちてしまったらしく、そんなことを考えて頬を赤く染める。
レミリア「……ねぇ悠翔?1つ思い出したのだけれど、あなたにまだ、フランの狂気を救ってくれたお礼をしてなかったわよね?」
悠翔「へ?……そう……かな?」
レミリア「ふふっ、そうよね……。」
悠翔「えっ、ちょっ、レミリア?なんでこっちに来てるの?」
そう言いながら、レミリアは悠翔に近づいてくる。困惑する悠翔を他所に、レミリアは悠翔に抱きつく。
悠翔「はっ!?レミリアさん!?本当に何しt「なんで『さん』をつけるのよ。」……レミリア、なんで抱きついてるの?」
レミリア「お礼って言ってるじゃない。」
ルネ《(やっぱり……お姉様、悠翔に堕とされちゃったか……。)》
悠翔「レミリア、もう大丈夫だから離れてって!」
レミリア「……こんな美少女が抱きついてるのに、照れもしないのね……。」
悠翔「照れてる場合じゃないでしょこれ!?(俺に抱きつくなんて嫌じゃないの!?)」
ルネ《ていうか早く振り解けばいいのに……。》
悠翔「(そんなことしたらレミリアが傷つくだろ!?)」
ルネ《……優しすぎるなぁ……。》
レミリアの体を無理やり引き剥がすと、それはそれでレミリアの心が傷つくかもしれないため、悠翔は下手に動くことをしなかった。それを聞いたルネは、悠翔の優しさ度合いに少しため息をついていた。そこに、
フラン『お姉様〜?悠翔〜?さっきから騒がしいけどどうしたの〜?』
2人が騒ぐ声(2人というかは悠翔の声)を聞きつけ、フランが部屋に入ってくる。そしてレミリアが悠翔に抱きついているのを見て硬直する。
悠翔「フラン!ちょっとレミリアを説得してくれ!それか引き剥がしt「ずるい!」……へ?」
フラン「私だって……悠翔に抱きつきたかったのにー!!」
悠翔「どうしてだよぉぉぉぉ!!」
フランに助けを求めたのに、当の本人がレミリアと同じように抱きついてきたため、悠翔は思わず叫んでしまう。
悠翔「(あぁもう!覚悟を決めろ!2人が冷静になった時に謝ればいい!)うおりゃっ!」
レミリア・フラン「「あっ……。」」
悠翔「ごめん2人とも!」
悠翔は覚悟を決めて2人の腕を振り解くと、謝りながらダッシュで部屋から出ていくのだった__。
悠翔「はぁ……。(……申し訳ないことをしたな……。)」
ルネ《嫌だったなら嫌って言えばよかったのに……。》
悠翔「(それでレミリアたちの心を傷つけちゃったらどうするんだって……。)」
ルネ《別にお姉様もフランもそんな傷つきやすくないと思うよ……?》
レミリアの部屋から逃げ、罪悪感を感じていた悠翔。ルネの言葉にも先ほどと同じ理由を返す。すると、
こいし「あれ?悠翔何してるの〜?」
悠翔「あっ、こいし。今さっきレミリアさんとの話が終わったんだよ。」
こいし「そっか。あっ、じゃあお風呂に入ってきてよ!もうお姉ちゃんも出てきてるだろうし、広いお風呂を独り占めできるよ!」
悠翔「こいしが先じゃなくていいの?」
こいし「うん!」
悠翔「……分かった。じゃあ先に入ってくるね。」
向こうから歩いてきたこいしに、ついさっきレミリアの話が終わったことを話す。それを聞いたこいしは悠翔にお風呂に入るよう提案し、悠翔はその言葉に甘えてお風呂に入りに行く。ルネに風呂場までのルートを教えてもらい、1つのドアにたどり着いた。
悠翔「(ここ?)」
ルネ《うん、そうだよ。》
そして悠翔は扉を開け……ピンクの髪が見えたところで扉をバタンと閉めた。この時間わずか0.42秒。再び凄まじい反応速度を見せた悠翔だったが、少しだけさとりの今の姿を見てしまい、さらに罪悪感を感じるのだった__。
〈さとりside〉
今、私は衝撃で固まっていた。お借りしたお風呂から上がり、服を着ていた時に、突然ドアが開いたのだ。……その時は下着を着て、スカートを手に取ろうとしていた時だった。そして開かれた扉は凄まじい勢いで、バタンッ、と大きな音を立てて閉まった。
今のもしかして……悠翔さん?
そう思った私は、サードアイを扉の方へ向ける。
悠翔「(ちょ、ちょっと見えちゃった……。……どうしよう……謝っても許してもらえなそうだよな……。)」
悠翔さんが考えていたことを読んだ私は、顔を見たことないくらい真っ赤に染める。悠翔さんはもうどこかへ行ってしまったようだが、私はそれどころではなかった。
み、見られた///!?い、今、私の下着姿を見られたってことよね///!?
私はあまりの恥ずかしさに、床にへたり込んでしまう。しばらく経って、ずっとこのままでいるわけにもいかないと立ち上がり、服を手早く身につけて髪を乾かす。そしてお風呂場を出て、悠翔さんを探しに行った__。
風呂場でさとりと遭遇してしまった悠翔は、追いかけてきたさとりに見つかり、連れてこられた部屋で土下座をしていた。さとりは気にしなくていいということを伝えようとしていたのに、突然土下座をされて大いに困惑していた。
悠翔「本当にすみませんでしたなんでもするので許してくださいお願いします……!」
さとり「勢いがすごいですね!?……というか事故だったんですから気にしないでいいんですよ……?」
悠翔はさとりに対して息継ぎもせず(流石に苦しくなってきたら呼吸はするが)謝り続けていた。
悠翔「いやでもやっぱり、あんな姿を見ちゃったのは本来死刑ものだし……。」
さとり「なんでそんな結論に至るんですか!?……私が許してるんですから、そんなことを考えるのはやめてください。」
悠翔「……分かったよ。(でもなぁ……。やっぱり申し訳ないっていうか……。)」
さとり「(まだ考えてるじゃないですか……。はぁ……しょうがないですね。)そんなに罪悪感を感じてるなら、さっき言った『なんでもする』って言葉を実行してもらいましょうかね。」
さとりは先程悠翔が謝り倒していた時、『なんでもする』と言っていたのを覚えていた。
悠翔「……確かに言ってたな……。何をすればいいの?」
さとり「(どうしましょうか……。……ご飯でも作ってもらいましょうかね。作れないなら何か買ってもらえばいいでしょう。)……じゃあ、一緒に寝てください。(……あれ?)」
悠翔「へ?今なんて?」
さとり「い、一緒に寝てくださいって言ったんです……!(ちょ、ちょっと待って!?私そんなこと言うつもりじゃなかったのに!?……無意識で言っちゃったんかしら……?いやこいしは関係ないでしょうけど……。……もしかして、本当は私、悠翔さんと寝たかったんですかね……///?)」
さとりは自分が思っていたのとまったく違うお願いをしてしまい、心の中でパニックになる。
悠翔「えっと……一緒に寝ればいいの?」
さとり「そ、そうです。いいですよね?」
悠翔「さとりがいいならいいけど……お風呂だけ入ってきてもいい?」
さとり「そういえば、まだ入ってなかったんですよね。どうぞ行ってきてください。」
さとりからの許可が出たため、悠翔は今度こそと風呂場に向かっていった。今度は誰かと鉢合わせするということもなく、悠翔は体を洗ってゆっくりとお風呂に浸かる。
悠翔「ふぅ……。(それにしても、なんでさとりは一緒に寝ようなんて言ったんだろう……?なんか慌ててるようにも見えたけど……。)」
さとりの慌てる様子に気づきながらも、一緒に寝ようと言われた意味は分からず、悠翔は首をかしげる。お風呂に入っている間考えてみたが結局分からず、悠翔は髪を洗ってお風呂から上がるのだった__。
お風呂から上がった悠翔は、ちゃんとさとりが寝る部屋に戻り、ドアをノックした。
悠翔「さとり?入ってもいい?」
さとり『いいですよ。』
さとりからの返事を聞いた悠翔は部屋に入る。さとりはベッドに座って本を読んでいた。おそらく、悠翔がお風呂に入っている間に大図書館で借りてきたのだろう。……見たところ、夕食前に読んでいた本ではないようである。
悠翔「それ、なんの本?」
さとり「ミステリーものの小説ですよ。私、こういうの好きなんです。」
悠翔「……あの時読んでた漫画は?」
さとり「あ、あれは……ただ興味本位で読んでただけです。」
さとりはプイッと顔を背けながらそう言う。
悠翔「そうだったんだ……。(やっぱりさとりは恋愛に興味があるんだ……相手とかいるのかな?)」
さとり「(……あなたなんですよ……。)……まぁそれは置いといて、こっちに来てください。」
悠翔「……ねぇ、ほんとにいいの?俺なんかと寝t「俺なんか、じゃないです。」……へ?」
さとり「悠翔さんだからですよ。」
悠翔「…………!」
悠翔は、さとりの発した言葉が酔っていた時と似ていたことに目を見開く。
悠翔「(……あれ、本心から言ってたのか……?……でも俺は……さとりが思ってるほど良い人じゃないし……。)」
さとり「(まだ自分を卑下するようなことを……。……仕方ありませんね。)」
さとりは悠翔がまだ自分のことを卑下するようなことを心の中で言っているのを読み、一向に近づいてこない悠翔に自分から近づき……ギュッと抱きしめた。
悠翔「…………はっ!?さとり!?何やってるの!?」
さとり「……私が呼んでるのに全然こっちに来ないで、自分を下げるようなことばっかり考えてる悠翔さんが悪いです。」
悠翔「うっ……。……ごめん。」
さとり「分かってくれたならいいんです。ほら、寝ましょう?」
悠翔はさとりに手を引かれて一緒のベッドに入る。そしてさとりは悠翔の方に顔を向けて……バッと逸らした。
さとり「(お、思ったより顔が近い///!?うぅ……自分から誘っておいて、寝れそうにないです……///。)」
悠翔「(なんか顔逸らされた……。やっぱり俺と寝るべきじゃなかったんじゃ……?)」
さとり「(そんなことありません!!……覚悟を決めなさい古明地さとり!!)」
自分が思っていたより悠翔の顔が近くにあったことに驚き、心の中で恥ずかしさが爆発しているさとり。その様子を見て悠翔が一緒に寝るべきではなかったのでは、と考え始めてしまったため、さとりは意を決して再び悠翔を抱きしめた。
悠翔「……さとり?なんでまた……。(なんかもう……慣れちゃった自分がここにいるんだけど……。)」
さとり「……さっき顔を逸らしたのは、思ったより顔が近くて恥ずかしくなってしまっただけです。その……一緒に寝たくないわけではないですからね。」
悠翔「それならよかったけど……それはそれとして離れてくれたりは……「嫌です。」……アッハイ……。」
さとりが自分から目を逸らした理由を聞き、安堵する悠翔。だが、ずっと抱きついたままのさとりに離れるようやんわり言うが、さとりの返事を聞き、諦めて脱力する。
悠翔「……寝れないかもって思ってたけど……ふあぁぁ……。……案外寝れそう……。」
さとり「今日も色々ありましたからね。早く寝た方がいいですよ。」
悠翔「そうだね……おやすみ、さとり……。」
さとり「はい、おやすみなさい。」
悠翔が夢の世界に旅立ったのを見届け、さとりも目を閉じる。
さとり「……幸せだなぁ……。」
そんなことを呟きながら、さとりも眠りへ落ちていくのだった__。
続く
※ルネは空気を読んで、悠翔がお風呂に入るところあたりから出てきてないです。
何やら進展があるかも……?→さとりだけとは言ってない。というわけで2人目のヒロインはレミリアでした。……フラン?さぁ、どうでしょうね?(すっとぼけ)
とはいえさとりの方も色々と進展してますね。この話を投稿した後、添い寝中の間話出します。
レミリアは二次創作あるあるのかりちゅま状態があります()
って言っても自分の表現が下手すぎて今後その状態のレミリアを出せるか分かりませんが……。