東方の一番くじ引き忘れて気がついたら売り切れてて萎えました……。
代わりに100均の東方コラボのキーホルダーでさとり&こいしを引き当ててきました()
『前編』となっている通り、今回は前後編に分かれてます。まぁ、長くなっちゃったんですよね()
悠翔・こいし「「あつい……。」」
さとり「部屋に入ってきて早々それですか?(まぁ、暑いのは同感なんですがね……。)」
突然部屋に入ってきて、床にへたり込んでぐでっとしている悠翔とこいしを見てさとりはそうため息をつく。だが、2人の気持ちも分からなくはない。地底は地上と比べて気温が高く、地霊殿に至っては近くに旧灼熱地獄があるため気温がとてつもなく高くなっているのである。今の季節は夏、地底で暮らす者にとっては最悪レベルのキツさなのである。
さとり「私は多少慣れていますけど……2人はかなり辛そうですね……。」
こいし「私ずっと地底にいたわけじゃないし……。」
悠翔「俺はそもそも外の世界にいたし……。」
さとり「そうですね……温泉に水を入れるわけにもいきませんし……。」
地霊殿のお風呂は温泉なので、水に入れ替えるということもできず、さとりは肩を落とす。
さとり「というか、どうして私の部屋に来たんですか?別にどの部屋も涼しくはありませんよ?」
悠翔「こいしがさとりならなんとかできるんじゃないかって言ったから……。」
こいし「そうだよ〜……。(本当はお姉ちゃんが悠翔に会いたいかなって思って連れてきたんだけどね……。)」
さとり「(よ、余計なお世話ですよ……///。)」
ルネ《多分さとりに悠翔を会わせるために連れてきたんだろうなぁ……。》
2人が自分の部屋に来た理由を聞いたさとりは、こいしが考えていた本音を読み取って顔を赤く染める。さとりの顔が赤くなった理由を、ルネは苦笑いしながら察していた。すると、部屋のドアがノックされた。
お燐『さとり様〜?入ってもいいですか〜?』
さとり「お燐?いいわよ。」
お燐「失礼しま〜す……って、悠翔とこいし様?何やってるの?」
ドアをノックしたのはお燐だったらしい。部屋に入ってきたお燐は、すぐそこでへたり込んでいる悠翔とこいしを見て呆れた目を向ける。
悠翔「俺たちのことは気にしないで……。」
お燐「……まぁいいか。さとり様、紅魔館から手紙が届いています。」
さとり「紅魔館から?」
お燐は手に持っていた手紙をさとりに手渡し、さとりはそれに目を通す。しばらく無言で手紙を読んでいたさとりは、その手紙を読み切ると顔を上げ、
さとり「悠翔さん、それとこいし。2人の苦しみを少しだけ和らげることができるかもしれないですよ。」
悠翔・こいし「「え?」」
そう2人には理解できないことを告げたのだった__。
咲夜「ようこそおいでくださいました。」ペコリ
さとり「こちらこそ、お招きありがとうございます。」
悠翔「(結局ゲート使っちゃったよ……。あんま使わないようにしてるのに……。)」
さとり「(別に使ってもいいじゃないですか……。)」
紅魔館に到着した悠翔たち3人(お燐とお空は留守番)は咲夜に迎えられた。……その後ろにはナイフを額に刺された美鈴がいるのだが……。それはそれとして、悠翔は移動にゲートを使ったことを嘆いており、さとりはそれに対して反抗的なことを考えていた。
これにはとある訳がある。悠翔は能力でどこかへ移動できるゲートを作れるようになったが、運動することが少なくなりそうという理由であまり多用はしないようにしている。だが、普段あまり運動しないさとりは、逆にゲートをどんどん使ってほしいと考えているのである。
さとり「(それは置いておいて……。)まさかレミリアさんがあんなことを考えてるとは思いませんでしたよ。」
こいし「まさか紅魔館に……『ぷーる』だっけ?とにかく大きな水場を作るなんてね〜。」
紅魔館から届いた手紙。そこには、紅魔館でプールを作るから入りに来ないか、という誘いの文が書いてあった。
咲夜「お嬢様もこの暑さには参っていらっしゃるので……。(本音は友人である皆様にお会いしたいということだと思いますが……。)」
さとり「(……相変わらず素直じゃないですね……。
悠翔「(なんかさとりが呆れた目をしてるんだけど……?)あ、そういえば、吸血鬼って水は大丈夫なんだっけ?」
咲夜「はい。お嬢様がおっしゃるには、「流水でなければ吸血鬼の弱点にはならないわ!」とのことで……。」
悠翔「むちゃくちゃだなぁ……。」
ルネ《でも実際そうなんだよね……。私がフランの中にいた時も、お風呂に入った時は平気そうだったし。》
悠翔「(そうなんだ……。)」
レミリアの暴論(?)につい苦笑いをする悠翔。そのまま悠翔たちは咲夜に大図書館まで案内された。大図書館に入ると、そこにはパチュリーと話し込むレミリアの姿があった。
咲夜「お嬢様、お客様をお呼びしました。」
レミリア「ありがとう咲夜。よく来てくれたわね、3人とも。」
悠翔「地底は本当に暑いからね……助かったよ。」
レミリア「それならよかったわ。」
さとり・こいし「「…………。」」
レミリア「あら?2人ともどうしたのかしら?」
さとり「なんでもないです。」
こいし「なんでもないよー。」
ルネ《お姉様……分かりやすいなぁ……。》
レミリアをじっと見つめているさとりとこいし。見つめてくる2人に対してレミリアはどうかしたのかと聞くが、2人はなんでもないと誤魔化す。2人がレミリアを見つめていた理由は、レミリアの表情が悠翔と話している時にパッと明るくなり、背中の羽がパタパタと動いていたからである。そこから、ライバルが増えたことを感じ取っていたのである。ちなみに、そんなレミリアの姿を見たルネはため息をついて呆れていた。
悠翔「それで、プールを作るって言ってたけど、どうやって作るの?」
レミリア「あぁ、パチュリーの魔法で作るのよ。」
悠翔「それは予想してたけど……どうやって?」
パチュリー「この大図書館に、何もないただの広い場所があるのよ。そこに私の魔法でプールを作るってだけ。」
悠翔「なるほど……。というか、パチュリーさんたちはプールの存在を知ってたの?」
パチュリー「涼む方法を探してた時に見つけた本に載ってたのよ。レミィに教えたら大はしゃぎしてたわ。」
レミリア「ちょっ、パチェ!?」
自分が大はしゃぎしていたことを言われるとは思っていなかったのか、恥ずかしそうに頬を赤らめて慌て始めるレミリア。今の彼女の姿にはカリスマのカの字も無かった。
悠翔「やっといつものレミリアが出てきたね。「悠翔は何言ってるのよ!?」……そういえば、フランは?」
パチュリー「まだ自分の部屋にいるんじゃないかしら?多分咲夜が連れてきてると思うわ。」
悠翔「じゃあもうすぐ来る感じか。だったら入り口の方まで迎えに……『悠翔ーー!!』って、この声はフrゲフッ!?」
みんな「「「悠翔!?」」」
パチュリー「って本棚が!?」
フランを出迎えようと大図書館の入り口に向かおうとした悠翔に、勢いよく飛んできたフランが突撃し、悠翔を巻き込んで本棚に衝突してしまった。
悠翔「いってて……。急に突っ込んでこないでよ、フラン……。」
フラン「えへへ〜、悠翔に会えると思ったらつい……。」
悠翔「……そっか。(なんというか……怒るに怒れないな……。)」
ルネ《あはは……。》
フランに対して注意をしようとする悠翔だが、なんだかんだ怒る気にもなれずフランの頭を撫でる。そんな2人を見て、ルネは苦笑いしていた。と、
パチュリー「2人とも……仲良くするのは構わないけどまずは本棚を直してくれないかしら……?」ゴゴゴゴゴ
悠翔・フラン「「……あ。」」
パチュリー「今すぐ直しなさい、いいわね?」
悠翔・フラン「「はっ、はい!!」」
パチュリーの目が笑ってない笑顔を見て、悠翔とフランは自分たちが本棚に激突して置いてあった本が散らばってしまっていることに気づいた。パチュリーの圧に負け、2人は慌てて片付けを始めるのだった__。
パチュリー「それじゃあ始めましょうか……と言いたいところなのだけれど……。」
悠翔とフランが片付けを終え、フランを追ってきた咲夜が合流した後、パチュリーはプール作りを始めようとするが、何かあるのか言い淀んでしまう。
さとり「何か問題があるんですか?」
パチュリー「プールを作る分には問題はないのよ。ただ、プールに入る時が問題なの。」
こいし「……入る時に?」
パチュリー「ここにいるのが女の子だけなら大丈夫だったのだけれど……今この場には男の子がいるから……。」
さとり「……あぁ、そういうことですか。確かにこれは問題ですね……。」
パチュリーの言う問題が何か分かったさとりは腕を組んで考え込んでしまう。
悠翔「入る時……って言ったら服装のことかな……?水着とかってないの?」
フラン「みずぎ?それって何?」
悠翔「プールとかで泳ぐ時に着る服だけど……。知らない?」
パチュリー「水着……ハッ!確かあのページに……!」
そう言うとパチュリーは、持っていた本のページを勢いよくめくり始めた。そして、
パチュリー「あったわ!これね!」
そのページを発見したらしく、大声を上げたため、周りにいた全員がそのページを見る。
咲夜「『プールに入る時には、水着という服を身につけます。これを着ることで、異性がいても一緒にプールに入ることができます。』……なるほど。確かにこれを着れば、悠翔様がいても全員が一緒に入ることができそうですね。」
こいし「へぇ〜、そんなのがあるんだ。あ、ここに水着がいっぱい書いてある!」
フラン「こんなにあるんだ……。(……その、下着みたいなものもあるのはいいのかな……?)」
さとり「(そこは私も気になりましたけど……多分これが普通なんでしょうね……。外の世界の常識はどうなっているのやら……。)」
水着の一覧表のようなページを見た時、フランがある種類の水着を見てこれは色んな意味で大丈夫なのかと首を傾げる。その考えを読んださとりはそれが普通なのだという答えを出すのと同時に外の世界の常識について考えていた。
悠翔「……今思ったんだけど、幻想郷で水着って手に入るの?」
咲夜「言われてみれば……見たことがありませんね。」
レミリア「じゃあダメじゃない!どうするの!?このままじゃ悠翔だけ仲間外れになっちゃうわよ!?」
咲夜「私が急いで水着をお作りすれば……。」
フラン「今日は咲夜にもできるだけ休んでもらいたいからダメ!他の方法を考えようよ!」
こいし「悠翔の能力で作ってもらうのは……。……うん、なんかダメな気がする。」
悠翔「なんで!?」
その後もあーでもないこーでもないと話し合う悠翔たちだったが、結局水着を入手する目処は立たなかった。すると、
??『邪魔するぜー!!』
悠翔「あれ、お客さん?……ていうかこの声って……。」
パチュリー「はぁ……懲りずにまた来たのね……魔理沙。」
魔理沙「うおっ!?なんか人がいっぱいいる!?」
突然、大図書館に魔理沙が入ってきたのである。魔理沙本人は大図書館に悠翔たちが集まっているのを見て目を見開いていた。
咲夜「勝手に魔理沙が入ってきたってことは……また美鈴は寝てたのね……ふふふ……!」
悠翔「(ゾクッ)ヒュッ……!?な、なんかすっごい寒気がしたんだけど……。」
レミリア「いつものことだから気にしなくていいわよ。」
ルネ《……美鈴、生きてるかなぁ……?》
何かを呟き、怒りのこもった微笑みを浮かべながら咲夜が部屋から消えた。そしてそんな咲夜の気迫を恐れたのか、悠翔の体が震える。心配する悠翔に対し、レミリアはいつものことだと一蹴した。ルネはおそらく咲夜に処されるであろう美鈴の心配をしていた。
さとり「それで魔理沙さん、ここに何をしにきたんですか?」
魔理沙「本を借りに来ただけだぜ。」
パチュリー「嘘をつかないでくれる?借りるじゃなくて盗むでしょう?」
魔理沙「だから借りるだけって言ってるだろ?私が死ぬまでな!」
こいし・フラン「「それを盗むっていうんじゃないの!?」」
さとりの質問に対し、何気なく答える魔理沙だったが、パチュリーの追求に信じられない言葉を返し、こいしとフランにツッコまれていた。
悠翔「(パチュリーさんが懲りずにって言ったってことは、もう常習犯ってことか……。なら、)捕まえる以外の選択肢がないね。」
魔理沙「へ?ってうおあぁ!?」
パチュリーの言葉から、魔理沙がいつも本を盗んでいることを察した悠翔は、能力で縄を出してそれを魔理沙に投げ、続けて念力を操る力を創造して縄を操り、魔理沙をグルグル巻きにした。
パチュリー「よくやったわ悠翔!」
魔理沙「ぐぬぬ……ふぬー!……ダメだ、抜けられないんだぜ……。」
悠翔「反省のはの字も無いな……。」
魔理沙が捕まったことに歓喜するパチュリーと、なんとか縄を抜け出そうとする魔理沙を見て、どれだけ魔理沙が盗みを反省せずに続けていたかが分かり、悠翔はため息をつく。
パチュリー「さてと……本当なら何か罰を与えるところだけど……魔理沙あなた、幻想郷で外の世界のものを売っているところを知らない?教えてくれたら今日のところは見逃してあげるわ。……有益な情報じゃなかったら……分かってるわよね?」
魔理沙「ヒッ!?わ、分かったよ……。外の世界のものが欲しいなら『香霖』のところがいいと思うぜ。」
さとり「香霖?誰ですか、その人は?」
魔理沙「本名は『森近霖之助』っていうんだけど、魔法の森の入り口にある『香霖堂』ってところで道具屋をやってるんだ。そこなら外の世界のものも売ってるはずだぜ。」
悠翔「そこに行けば水着も手に入るかもしれないね。」
魔理沙「みずぎ?なんだそれ?」
パチュリー「あなたは知らなくていいわ。……罰を受けたくなかったらさっさと行きなさい。」
魔理沙「そ、そうだな!邪魔したぜー!!」
香霖堂という店の情報をくれた魔理沙は縄を解かれた瞬間、箒に飛び乗って大図書館から出ていった。
悠翔「……それじゃあ、香霖堂に向かうってことでいいかな?」
レミリア「それでいいわ。やっと水着が手に入るのね!」
さとり「じゃあ悠翔さん、魔法の森までゲートを開いてくれませんか?」
悠翔「無理だけど?」
さとり「……なんでですか?」
悠翔「だって俺、魔法の森に行ったこと1回もないんだよ。」
悠翔の作るゲートは行ったことのある場所にしか開くことができない。それを聞いたさとりは絶望の表情で崩れ落ちた。
さとり「そんな……強制的に動かないといけないなんて……。」
こいし「そんなに動きたくないの、お姉ちゃん……?」
ルネ《さとりさんってそこまで運動嫌いなの……?》
さとり「緊急時以外はできるだけ動きたくないのよ……。」
こいし「(小声)お姉ちゃん、太っちゃったら悠翔から嫌われちゃうかもよ?」
さとり「ッ……!?(それは嫌です!)や、やっぱり運動することも大切ですよね!」
悠翔「そ、そうだね……?(なんで急に考えが変わったんだ……?)」
ルネ《(……なんとなく予想はついてるけどね……。)》
運動することを断固拒否していたさとりだったが、こいしの言葉で手のひらを返す。急に考えが変わったさとりに対して悠翔は困惑し、ルネはこいしがさとりにささやいたことの内容を察していた。そしてなんやかんやありながらも、悠翔たちは香霖堂を目指して出発するのだった__。
悠翔「お、あれかな?」
紅魔館を出発してから十数分、魔法の森の入り口に到着した悠翔たちは、香霖堂らしき建物を発見していた。ちなみに、今ついてきているメンバーは悠翔・さとり・こいし・レミリア・フラン・咲夜の6人である。残りの紅魔館組は全員が仕事(パチュリーに関してはプール作り)で来ていない。ちなみに、吸血鬼のレミリアとフランが外に出ても大丈夫なのかというと、パチュリーがかけた太陽光を防ぐ魔法で平気な状態になっている。
さとり「はぁ……。パチュリーさんがかけてくれた魔法(熱気を防御する魔法。簡単なものなので効果時間は長い。)が無ければ今ごろ溶けてましたね……。」
悠翔「そこまで言う?」
フラン「ねぇ〜早く入ろうよ〜!プールで遊ぶ時間なくなっちゃう!」
咲夜「……最初から私が時間を止めておけばよかったですね……。」
悠翔「(……帰りはゲート使うか。)」
さとり「(やった!!)」
フランの嘆きと咲夜の後悔の言葉を聞き、悠翔は帰りだけゲートを使うことを決め、さとりはその考えを読んでこっそりガッツポーズをとっていた。
レミリア「それじゃあ入りましょうか。」
レミリアの合図で、6人は香霖堂の扉を開ける。中に入った6人の目に飛び込んできたのは、様々なものが陳列された棚だった。
こいし「なんか色々あるねー。」
さとり「悠翔さん、この中で見たことあるものってありますか?」
悠翔「う〜ん……あんまり分からないかな……。」
さとり「そうですか……。(少しでも外の世界のことを思い出せればよかったんですが……。)」
ルネ《(そう簡単に記憶は戻らないかぁ……。)》
??『おや、見ないお客さんだね?』
陳列されているものを見て悠翔が何か思い出せないか聞くさとりだったが、効果がないことを知って落胆する。すると、店の奥から声がして、眼鏡をかけた白髪の男性が現れた。
悠翔「あなたが森近霖之助さんですか?」
霖之助「僕のことを知ってるんだね?その通りだよ。僕がこの香霖堂の店主の森近霖之助だ。気軽に霖之助って呼んでくれ。」
悠翔「星月悠翔です。よろしくお願いします、霖之助さん。」
霖之助「へぇ……君があの星月悠翔か……。」
悠翔「……どうしてそれを?」
霖之助「天狗の新聞に書いてあったんだよ。君が異変を解決した人間の1人だってね。」
咲夜「天狗……文の新聞ね……。」
悠翔「……それ、内容が捏造だったりしませんでした?」
咲夜「異変に関する記事『は』大丈夫だったわよ。」
ルネ《(つまりそれ以外の記事はダメだったってことだよね……。)》
現れた男性……霖之助が、文の新聞を通じて自分のことを知っていたのを聞き、悠翔は少し不安を感じたが、同じ新聞を読んでいた咲夜が問題ないと言ったため、安心の息をついた。もっともそれ以外の記事は問題があったということなので、それに気づいたルネは呆れていた。
霖之助「それで、君たちはなんの用でここに来たんだい?」
悠翔「えっと、外の世界で泳ぐ時に着る水着っていうのを探しに来たんです。魔理沙からここに外の世界のものがあるって聞いたので。」
霖之助「なるほどね。水着っていうのは……多分あれかな。ちょっとついてきてくれ。」
そう言うと霖之助は店の奥に進んでいく。悠翔たちもその後ろについていくと、霖之助が1つの部屋に入っていった。続けて部屋に入ると、そこには本で見たような水着が陳列されていた。
レミリア「あったわ!」
霖之助「手に入れた時に残しておいて正解だったね。水の中で泳ぎたい人が欲しがるかと思っていたんだ。」
悠翔「よくこれが水着だって分かりましたね……。幻想郷じゃ見ないものだと思うんですけど……。」
霖之助「それは僕の『道具の名前と用途が判る程度の能力』のおかげだね。その名の通り、道具の名前と使い道が分かるんだ。」
こいし「面白い能力だね!あ!私この水着気になる!」
すると、気になる水着を見つけたこいしが、駆け寄って勝手に水着を手に取ってしまう。
さとり「あ、ちょっとこいし!勝手に取っちゃダメでしょ!」
霖之助「はははっ、構わないよ。好きなだけ手に取ってくれ。」
フラン「じゃあ私あれが気になる!」
レミリア「あ、ずるいわよフラン!」
霖之助の言葉を聞き、ドタバタと水着を選び始めるこいし・フラン・レミリアの3人と、ため息をつきながら3人を落ち着かせようとするさとりと咲夜を見て、悠翔と霖之助はつい笑ってしまう。
悠翔「……俺たちは出てましょうか。」
霖之助「……そうしようか。」
女性陣に配慮して、悠翔と霖之助は部屋を出る。
霖之助「それにしても、魔理沙がここを他の人に宣伝するなんてね。思ってもみなかったよ。」
悠翔「そうなんですね。……そういえば、霖之助さんと魔理沙ってどういう関係なんですか?」
霖之助「う〜ん、なんというか……幼馴染に近いかな。」
悠翔「えっ!?2人は幼馴染なんですか!?」
ルネ《魔理沙とこの人って幼馴染なんだ?》
霖之助「聞きたいかい?」
悠翔「……できたら聞きたいです。」
霖之助「分かった。立っているのもなんだから、そこに座ってくれるかな?」
霖之助に言われた通り、悠翔は近くにあった椅子に座る。霖之助も椅子を持ってきて、悠翔と向き合う形で座る。
霖之助「元々僕は魔理沙の実家……『霧雨店』っていう道具屋で修行をしていたんだ。ある時に独立してしまったけどね……。魔理沙とは修行していた時に会って、それからよく話すような仲になったんだ。」
悠翔「そんな関係があったんですね……。……というか、魔理沙の実家があったことに驚きなんですが……。魔理沙はたまに実家に帰ってるんですかね?」
霖之助「いや、ずっと帰ってないはずだよ。魔理沙と彼女のお父さんはほぼ絶縁状態なんだ。魔理沙自身も、もう実家と関わるのを避けているはずだ。」
悠翔「そんな……。なんでそんなことに?」
霖之助「詳しい話は分かってないんだけど……魔法に関する道具を店で扱ってなかったのがどうとか……。真相は魔理沙から聞かなきゃ分からないね……。」
悠翔「……そうですか。」
魔理沙が辛い思いをしていたことを聞き、悠翔は俯く。
霖之助「……もう魔理沙も気にしてないし、そんな顔しなくていいと思うよ。まぁ……たまには彼女を気にかけてもらえると嬉しいかな。」
悠翔「……分かりました。」
霖之助「さてと……連れの子たちはまだ時間がかかるようだし、何か見ていくかい?今なら安くしておくよ。」
悠翔「じゃあ、少しだけ。」
霖之助の言葉に甘え、悠翔は香霖堂の商品を見始める。見覚えのあるものも、見覚えのないものもあって、悠翔は面白さを感じていた。
悠翔「ん?これは……?」
そんな中で悠翔は見つけたものは、不思議な形をしたベルトだった。白い帯に装置のようなものが付いており、装置の中心には赤いプロペラがついている。
霖之助「それに目をつけたんだね。それはいわゆる玩具で、外の世界では正義の味方がつけているものだったらしいよ。」
悠翔「…………。(これ、どこかで見たような……?)」
ルネ《(……もしかして、何か見覚えがあったのかな……?)》
そのベルトをどこかで見たような気がして、悠翔はじっとそれを見つめる。
霖之助「……悠翔君?」
悠翔「あっ……。すみません、どこかで見たことがあったような気がして……。」
霖之助「本当かい?これは外の世界のものなんだけど……。」
悠翔「俺は外の世界から来た人間なんです。……記憶喪失なんですけどね……。だから、これを見たことがあったのかも……。」
霖之助「そうか……。気になるなら、持っていってくれてもいいよ。」
悠翔「いえ、大丈夫です。」
霖之助の提案を断り、悠翔は再び商品を見て回る。そして今度は、大きなプロペラがついた機械を見つけた。
悠翔「これ……扇風機?霖之助さん!」
霖之助「どうしたんだい?……おぉ、扇風機か。今の時期にはピッタリのものだね。」
悠翔「そうですよね。……でも、なんで売れてないんだろう?」
霖之助「それがね、動力源が無いから使えないんだよ。それは電気で動かすらしいけど、そもそも幻想郷では電気が一般的に使われているわけじゃないからね。」
悠翔「……これ、買ってもいいですか?俺が住んでいるところは電気が通ってるので使えると思います。」
霖之助「本当かい?なら持っていっちゃっていいよ。売れないと思っていたものだし。」
悠翔「……じゃあ、お言葉に甘えて。」
そうして悠翔は扇風機を手に入れた。
……後にその扇風機が地霊殿で争奪戦を起こすのだが、それはまた別の話である__。
さとり「お待たせしました。」
咲夜「あとは悠翔様がお選びになるだけです。」
悠翔「分かった、待ってて。」
水着を選び終わったさとりたちが部屋から出てきて、悠翔は入れ替わりで部屋に入って自分の水着を選ぶ。少し悩んだ末に、よくある海パンタイプの水着と、上に着るラッシュガードと言われる水着を手に取った。
悠翔「お待たせ!霖之助さん、これもお願いします。」
部屋から出た悠翔は、手に取っていた水着の代金を霖之助に支払う。すでにさとりたちは会計を済ませていたのか、手に水着が入っているらしき袋を持っていた。
霖之助「上半身のものも選んだんだね?」
悠翔「なんとなく、素肌を見せすぎるのはよくないかなって……。」
霖之助「そうなのかい?まぁいいか。毎度あり!これからもご贔屓にね!」
みんな「「「ありがとうございました!」」」
霖之助にお礼を言い、悠翔たちはゲートを通って紅魔館に帰るのだった__。
続く
自分で入れ込んだくせにルネが空気!
ある程度ちゃんと商売してる霖之助さん概念()
間違ってたら申し訳ないんですけど、確か霖之助さんって集めた道具はコレクションみたいな感じで売ってはないみたいなんですよね。
パチュリーが持ってた本はまぁご都合主義ってやつで飲み込んでください()
不思議な形をしたベルト……分かる人には分かるはずですよ?