「そして彼が、私が【英霊召喚の儀式】をした結果呼び出された英霊だ」
レイアの隣には騎士の様な出で立ちの何とも爽やかな好青年が立っていた。
「皆に自己紹介を」
レイアがそう言うと青年は一礼し皆の前に立つ。
「お初にお目にかかる。私、この度マスターに召喚されたサーヴァント セイバー ガウェインと申します。以後お見知りおきを」
胸に手を置き少女達にそう挨拶する姿はまさに騎士であり少女達は少なからず見惚れてしまう。
「ガウェイン、アーサー王に仕えた騎士の1人ね、異名は【太陽の騎士】」
「太陽、ですか?」
「それにアーサー王?名前は聞いたことあるけど、その騎士達も有名なの?」
「ええ、とてもね、貴女達も【円卓の騎士】位は聞いたことあるでしょう?彼はその1人よ」
マーゴの言葉に少女達はすっかり納得がいったようだった。
「円卓の騎士!!……………………でも何が凄いのかはおじさん知らないや」
「【円卓の騎士】はまぁ色々やっていた様だし仕方無いわ、兎に角、ガウェインと呼ばれる騎士は【太陽の騎士】と呼ばれ円卓の騎士最強と呼ばれていたそうよ」
「最強ですか!!」
「恐縮です」
マーゴの説明にシェリーが興味津々の目でガウェインを見るとガウェインは短くそう一言残しレイアの斜め後ろに控える様に立つ。
「でも、どうして【太陽の騎士】なんですの?」
「彼には特別な力があって日の昇っている間、つまり昼にはその身体能力が3倍になったと言われているからよ」
「へぇ~凄いですね!!」
「お前も大して変わんねぇだろ」
「そうですかね〜?私に出来るのは精々林檎を粉々に握り潰す位ですよ?」
「普通の奴はそれが出来ねぇんだよ」
シェリーの言葉にアリサがそう返し談笑に移行しそうになった所をレイアが軌道修正する。
「それでガウェイン卿、貴方は私達をここから出す事が出来るのでしょうか?」
「マスター、そう畏まらずとも結構です。そして脱出に関しては私が地理を把握する為に幾ばくかの猶予を頂けますと、計画に関してはその後にじっくりと…………」
「あ、ああ、じゃあ任せるよ」
「御意」
ガウェインはそう言うと地理の把握に向かいその光景を少女達は見送る。
「なんというか、堅物?忠実?な人だね」
「でも仕事出来そうな感じだし、任せて良いんじゃね?あてぃしとは相性最悪そうだけど〜」
それから暫く
ガウェインは用意された博士の束に何やら少しずつ重要な事を書き出しレイア達を脱出させる為の手掛かりを探る。
「どうだいガウェイン卿、脱出出来そうかい?」
「いえ、そうですね。しかし幾つか問題があります、特にあの島を囲む塀とその向こうが厄介です、私位の身体能力があれば飛び越える事は可能ですがその向こうは何も無い海、陸地も見えず人が住む所までどれだけの日数が掛かるかも不明」
「そうか、となると脱出にはまだまだ掛かりそうだね」
「ええ、安全を考慮するなら」
「ん?その言い方だと安全を考慮しなければ脱出出来ると言う風に聞こえるが」
「ええ、それはもう完成してます」
「ッ!!ぜ、是非聞かせて欲しい!!」
「はい、先ず大人数での脱出は不可能です。陸地が見えず彼女達の力で陸地に渡るには船しかありません。そしてそれなりの食料や水も必要となります」
「確かに、ここから脱出出来てもその先で飢え死にや脱水で死んでしまっては元も子もないからね」
「ええ、そしてそういった物が必要になるほど船にもスペースが必要になってくる。ここの設備や資材から見て必然的に一隻に乗せられる人数は多くても2人、それらを私の力であらゆる方向に投げる。コレが現状最も危険で最も確実性の無い脱出です」
「確かに、それはかなり危険だ」
「ええ、しかし他に方法が思い付かなければ、これを実行するしかありません」
「………………………………その場合は私の口から皆に説明するよ」
「御意のままに」
それから更に暫く、結局ガウェインの作戦で行くことになり少女達は作り上げた船に乗ってそれぞれ別々の方向へ投げ飛ばされ脱出を果たした。