「と言うわけでこの人が出てきました!!」
何時も通り元気にそう言うシェリーの横には半裸の大男がいた。その手には斧剣が握られており凄まじい威圧感を放っていた。
「出てきました!!じゃねぇですわ〜!!雰囲気と言い武器と言い見るからにヤバい人ですわ!!」
「■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」
「ぴぃっ!?」
ハンナの言葉に気分を悪くしたのか大男は咆哮を上げその咆哮が牢屋敷を丸ごと揺らす。
「彼は恐らくバーサーカーね、理性を無くし本能のままに暴れまわる。その分契約者への負担も大きいと書いてあるわ」
「ええ!?シェリーちゃん大丈夫!?」
マーゴが図書室から持ってきた本を見ながら説明しその説明に驚いたエマがシェリーに確認を取る。
「はい!!全然何とも無いですよ!!人より丈夫だからですかね?」
「でも、英雄を呼び出す儀式にバーサーカーって何だかちょっと似合わないね、ほら、英雄って何ていうかもっとスマートにと言うか、クールに事件を解決する印象がある」
「あら、近代に近い英雄はそうかも知れないけれど、古代、所謂神話と呼ばれる物の中に出てくる英雄は意外と発狂とか狂乱するエピソードが多いのよ?」
「え?そうなの?」
「確かに、神話をベースにした劇をする時はそういう話が多かったな」
「んな事はどうでも良いだろ、問題なのはコイツがうちらを脱出させてくれる位強いのかって話だ」
レイアとアリサがマーゴの言葉にそれぞれ反応を示しそう言う。
「シェリーちゃん、この人はなんて言う名前の英雄なの?」
「それが分からないんですよね〜」
エマの問いにシェリーは首を傾げそう言う。
「わからない?どう言う事ですの?」
「それはですね~、英雄さん、貴方のお名前は?」
「■■■■■■■」
シェリーの問いに帰ってきたのは腹に響く様な唸り声のみ。
「って感じで、まともに会話出来ないんですよ」
「そうなんだ」
「もしかしたらバーサーカーの狂乱か発狂のせいで人語を理解する知能はあっても発する知能がないのかも知れないわね」
「まさしく【狂戦士】ですわ」
「でも人語が理解出来るなら方法はあるわ」
「本当ですか〜!!教えて下さい!!」
マーゴの言葉にシェリーは嬉しそうに笑いそう言う。
「簡単よ、見てて、ねぇバーサーカーさん、貴方のお名前を知りたいの、だから今から当てはまる事には何か声を出して、貴方の名前は…………1文字は?」
「………………………………」
「2文字?」
「……………………」
「そっか、名前が言えないなら此方から質問すれば良いんだ」
「5文字?」
「■■■■■■」
「そう、5文字なのね、それじゃあ一文字目は…………」
それから1時間程を掛けてマーゴはバーサーカーの名前を探り当てる。
「へ、ら、へとらが頭に来る英雄と言えばたった1人、貴方はヘラクレスね」
「■■■■■■■■■■■■■■!!」
名前を当てられた事が嬉しかったのかヘラクレスは再び咆哮を上げ牢屋敷が揺れる。
「ヘラクレス!!知ってます!!確かすっごい色んな問題を解決した英雄ですよね!!」
「英雄つったら皆大体そうだろ」
「でもこれで名前も分かった事ですし脱出しましょう!!」
シェリーはそう言い塀の前に立つ。
「さぁ!!ヘラクレス!!こんな壁ぶっ壊しちゃって下さい!!」
「■■■■■■■■■■■■■■!!」
ヘラクレスは咆哮を上げると斧剣を振り上げ思いっ切り塀に叩き付ける。
しかし塀は壊れず起こったヘラクレスは更に凄まじい速度と威力で塀を攻撃するが一向に破壊されない。
「もしかして、相性が悪い?」
「なにそれ!?あんだけ期待させといてそれかよ!?何か必殺技とか無いの!?」
「■■■■■■■■■■■■■■!!」
バーサーカーの咆哮に混ざり誰かが走ってくる音が響き少女達はハッとする。
「ヤバい!!看守が来てる!!」
「仕方無い、1度引き返そう!!」
「■■■■■■■■■■■■■■■!!」
『へ?』
少女達が看守から距離を取ろうとした時、少女達を置き去りにしバーサーカーは看守に突撃すると斧剣を叩き付け看守をひき肉にする。
「■■■■■■■■■■■■■■■■!!」
「もしかして、バーサーカーの使い方ってこういう事なのでは?」
シェリーの言葉に少女達は作戦を変更しバーサーカーの力を持って看守を行動不能にし牢屋敷を制圧、物資等を運ぶのに使っていたのか船を見つけそれに乗って脱出を果たした。